女性医療ジャーナリストの増田美加さんによる連載。人生の基礎になる“健やかな体”を手に入れるための最新知識をお届けします。
自分の生理時の出血量(経血量)が多いか、少ないかは、気になるところですね。自分が正常なのか、それとも多すぎるのか、少なすぎるのか、人と比べようがないのでわかりにくいと思います。経血量はとても個人差があります。でも病気のサインである可能性もあるので、無関心ではいられません。経血量が気になる女性へ、その見極め方をお伝えします。
生理時の出血の量が気になる!
経血量は個人差が大きいですし、また同じ人でも、ホルモンの状態によって、経血量が変化することもあります。いつもと変化がなければ気にすることはありませんが、ただ、今までとくらべて経血量が異常に多くなったり、極端に少なくなった場合は何かのサインかもしれません。
成人女性では、一度の生理期全体で20~140mlくらいが平均的な経血量と言われています(基礎体温計測推進研究会より)。量が多い生理開始1日目~3日目で、昼間2〜3時間おきにナプキンを替える程度であれば大丈夫。平均的と考えてよいでしょう。生理時全体として使用するナプキンは約20~25枚くらいでしょう。
ただし、これはあくまで目安。子宮は人によって大きさが違うので、量も違って当然です。経血量の異常は、生理周期や期間の異常ほど、はっきりとした定義がありません。
次に、気をつけるべきポイントをあげてみます。
生理期間が長いか、短いかも関係します
生理の出血量を見極めるときの目安として、気をつけるのはまず生理の期間です。期間が長ければ、おのずと経血量も増えるわけです。
8日以上、生理が続く月経期間異常や、大きめのナプキンを使っても1時間ももたない出血量がある状態は「過多月経」と言い、なんらかの病気が原因の場合があります。
経血量が急に変化した場合は、異常に気がつきやすいのですが、数年にわたって徐々にゆっくりと増加している場合は、自覚症状がないまま過ごしてしまうことがありますから注意が必要です。
生活リズムも食事も気をつかっているのに、疲れやすい・・・。そこで、婦人科に行って血液検査をしたら、実は子宮筋腫が原因の過多月経で、貧血を起こしていた、という人もいます。貧血はすぐに治療する必要のある重大な病気のひとつです。
逆に、2日以内で生理が終わってしまったり、ナプキンを使わなくて済むほど少ない量は「過少月経」が考えられます。ホルモンの分泌異常や無排卵、子宮の発育不全などが考えられます。
どちらの場合も、放っておくとさまざまな病気の誘因になり、不妊にもつながります。まずは、普段から自分の生理の状態に注意してみて、ここ1~2年を振り返って、量が変化したなと感じたら、一度、婦人科を受診してみてください。
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レバー状の固まりにも注意が必要です
生理の出血の中に、血の固まりが混じっていることがあるという人もいるのではないでしょうか?
生理は、受精卵を受け止めるために、厚くフワフワになった子宮内膜がはがれ落ちて、さまざまな分泌物や血液が混ざって排出されます。
このとき、はがれ落ちた内膜が、ドロッとした固まりとなって出ることはよくあることです。
不安になる人も多いようですが、通常の生理期間中に1~2回小さな固まりが出たからといっても慌てる必要はありません。
ただし、親指の先ほどの大きさでレバーのような大きな血の固まりが1日に何度も出る場合や、いつもと違う状態が2ヵ月以上続いている場合は、やはり念のため婦人科で診察を受けることをおすすめします。
※この記事は専門医チームによる監修を受けています。
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