これからの人生のなかで、一度は行ってみたい、観てみたい場所は? そんなときに必ず名前が挙がる名所といえば、ナイアガラの滝。実はナイアガラの滝の楽しみ方は、いろいろあるのです。GINGER Girlsのメンバー山岡葵さんが現地をレポート!
ナイアガラの滝、下から見るか?横から見るか?
カナダとアメリカの国境にある「ナイアガラの滝」。両国の同名都市ナイアガラフォールズ市を隔てるナイアガラ川にあるこの2つの巨大な滝を、そもそもカナダ側から見るか、アメリカ側から見るかという選択があるけれど、滝を正面から鑑賞できるのはこちらカナダ側。
展望台「グランド・ビュー・オブサーヴェイション・デック」からは、川に向かって右手にカナダ滝(落差52m、幅675m)そして左手にアメリカ滝(落差34m、幅320m)と、両方の滝をいっぺんに拝める定番の観光スポット。つまり、一番あるあるなナイアガラの風景を鑑賞できる場所。
初ナイアガラを目にした山岡さんは「すごい迫力!」と感動しきり。しかしここはまだ序の口。この旅では、“いろいろなナイアガラの滝”を体験していくことに。
シェラトン・フォールズビューホテルから滝を見る!
今回宿泊したシェラトン・フォールズビューホテル(Sheraton Fallsview Hotel)。この立地をご覧あれ! まさしく、ナイアガラの滝を鑑賞するために建てられたホテル。客室から滝を眺められるだなんて、最高のロケーション。
「朝起きたら、目の前にナイアガラの滝…夢をみているような非現実感(笑)」
13階にあるフォールズ・ビューレストランからも、パノラマビューが堪能できる。ビュッフェスタイルの食事を楽しみつつ、ふと窓の外を見るとナイアガラの滝…感動的!
ちなみにスパやルーフトップにあるプールからもナイアガラの滝を楽しめるので、まさに滞在自体がナイアガラの滝観光とイコール。カナダ随一のパブリックゴルフ場として知れるレジェンド・オン・ザ・ナイアガラ(Legends on the Niagara)へのアクセスもいいので、観光とゴルフを組み合わせた旅の滞在先としてもおすすめ。
Sheraton Fallsview Hotel
www.marriott.com
ナイアガラパークス水力発電所で、下から滝を見る!
滝は豊富な水力資源ということもあり、ナイアガラの滝周辺にはいくつもの発電所がある。この建物は、100年以上の歴史をもつナイアガラパークス水力発電所(Niagara Parks Power Station)で2006年まで実際に稼働してていた施設。観光施設として生まれ変わったのは2021年。
実は、この施設の地下には約670メートルにもおよぶ長いトンネルがあり、トンネルの先に展望スペースが2022年奈に設けられたばかり。このトンネル、かつては滝の水の通り道(発電後の放水路)だったものを整備、私たちは歴史的な設備を実際に歩くことができるというわけだ。
まるで映画のセットのようなトンネルをしばらく歩き、日の光が見えてきたなというあたりにレインコートの用意が…。頭からかぶって先に進むと——。
いきなり、ナイアガラの滝が!!
なんと、トンネルの先はナイアガラ川、そして目の前にホースシュー・フォールズ(馬蹄型の形をしているので)ことナイアガラの滝。風向きによっては水しぶきが雨のごとく降り注いでくる。それでレインコートが必要というわけですね。
「滝を少し下から見上げる感じのアングル。滝が流れ落ちてくる様子がわかって、すごい迫力!」とうれしそうな山岡さんの髪は水しぶきでしっとり。
オープンしてまだ新しい施設、ナイアガラを下から見ることができる穴場として覚えておいて。
Niagara Parks Power Station
www.niagaraparks.com/visit/attractions/niagara-parks-power-station
テーブル・ロック・ハウスで、横から滝を見る!
カナダ滝を真横から眺められる絶景スポットとしていつも賑わっている「テーブルロック」。テーブルのように張り出した岩場の上にある展望台で、音をたてて滝が流れ落ちていく様子を覗くことができるとあって、柵の前はいつも人だかり…。最前列を陣取って居続けるというのはなかなか難しいスポット。
でもこちら、テーブルロックのごく近くにある「テーブル・ロック・ハウス(Table Rock House restaurant)」ならば、食事をしながらゆっくりとカナダ滝を鑑賞できる。観光客に大人気レストランだ。
このレストランのシェフ、マット・クルーパ氏は、オンタリオ・ホステリー・インスティテュート(Ontario Hostelry Institutes)から「Top 30 under 30」なる新進気鋭のシェフに選ばれたひとり。地産の食材を使った豊富なメニューから、どれをオーダーしても間違いなし。
Table Rock House restaurant
www.niagaraparks.com/visit/culinary/table-rock-house-restaurant/
ナイアガラ・シティ・クルーズで、間近から滝を見る!
テーブル・ロックの展望台からカナダ滝を眺めていた山岡さん。ふと、下を見ると——。
まるで滝に突っ込んでいきそうな(大袈裟!)クルーズ船が。あんなに滝の近くまで接近できるだなんて、これはぜひとも体験せねば! ということで、いざナイアガラ・シティ・クルーズ(Niagara City Cruises)の乗り場へ。
20分間のボートツアーは、ナイアガラ渓谷、アメリカ滝、ブライダルベール滝を通過し、カナダ滝へ。風向きによって、ミスト体験になるか、暴風雨体験になるか…はお楽しみにといったところ。大自然の力を全身で感じることができる、めったに味わうことのできない体験になることは確実。
「間近から見る滝は…目を開けていられなかったので確認できませんでしたが(笑)、水しぶき、ものすごい水量による風と音をダイレクトに感じることができて、めちゃくちゃ楽しかったです」
Niagara City Cruises
www.niagaraparks.com/visit/attractions/hornblower-niagara-cruises/
ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズで、真下と裏から滝を見る!
次に向かった「ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズ(Journey Behind The Falls)」は、エレベーターで約38メートルを下降して130年前の岩盤トンネルを進み、真横と裏側(!)からカナダ滝を鑑賞できるという施設。
裏ってどういうこと?と想像がつかないまま、今度は手渡されたイエローのレインコートを着て順路を移動。
岩盤トンネルの先には…ゴーゴーというものすごい音、そしてこの光景! まさに、真下から見る滝!
クルーズ船並みにカナダ滝に近づいた感がありつつも、水しぶきは控えめ! ものすごい水量が流れ落ちてくる大迫力には、言葉を失うほど。そして、再び岩盤トンネルに戻り、さらに進んだ先に——。
ん…これは、もしや滝のビハインド? 滝の轟音で周りの会話が聞こえないけれど、どうやら滝の裏側に位置した場所にいるらしい。白いヴェールがかかっているような印象の、裏側から見たカナダ滝。「私、ナイアガラの滝を裏側から見ました、って自慢はできますね(笑)」と、ある種の満足感を得て終了。
Journey Behind The Falls
www.niagarafallstourism.com/play/falls-experiences/journey-behind-the-falls
ナイアガラ・ヘリコプターで、真上から滝を見る!
すでにあらゆるアングルから滝を見ることが叶い、かなり満足気味の山岡さんにもうひとつミッョン(!)が。ナイアガラ・ヘリコプター(Niagara Helicopters)で、なんと空の旅へ。
ナイアガラ・フォールズ・ヘリコプター・ツアーは、ナイアガラの上空を10分ほど遊覧するフライトツアー(日本語の音声ガイドあり)。
俯瞰した景色は圧巻! エリー湖の水がオンタリオ湖に注ぐ、その流れがナイアガラ川であること、そしてナイアガラ川の途中に奇跡のようにナイアガラの滝があるのだという、その壮大な水の道を感じさせる光景に出合える。
「とてもドラマチックなフライトはあっという間でした。ナイアガラの滝の全体像がわかって、貴重な体験でした。ダイナミックで、めちゃくちゃ楽しかったです!」
Niagara Helicopters
www.niagarahelicopters.com/
ナイアガラフォールズの街はエンタメ天国
ナイアガラフォールズ市は緑も多く、自然を楽しめる場所が多い一方で、アトラクションのような楽しいショップが並ぶエンターテインメントも充実した街。世界中から人が集まる観光地だからこそ、楽しみはたくさん用意されている。
夜は毎日のように花火が打ち上げられるので、ライトアップされた滝と花火の美しいコントラストもお見逃しなく。
「どこもかしこもすべて楽しかったのですが、クルーズ船に乗ってナイアガラに急接近したアクティビティが強く思い出に残っています。カナダ旅の土産話で、一番盛り上がりますよ(笑)。ナイアガラを“体感する”という意味でも、ぜひ一度は経験してほしい!」
下から、横から、真上から…いろんなアプローチで楽しむナイアガラの滝。季節によってその景色は異なる表情を見せてくれるので、二度三度と訪れたくなる魅力がたっぷり。いつかではなく、次の旅計画で。ぜひ、お楽しみ満載のナイアガラの旅にいってらっしゃい!