過酷な暑さのなか、体のダメージをいつも以上に感じている人も多いはず。今年の夏を元気に乗り切るために、今こそ自分の心と体に向き合ってみては。
私たちの心と体を支える「自律神経」。今の自分の状態をチェック
「なんだか最近調子が悪い…」そんな不調を感じたら、それは自律神経が乱れているという心と体のサイン。交感神経と副交感神経からなる自律神経は、内臓器官のすべて、血管、呼吸をもコントロールしている。つまり、自律神経=ライフラインを支えるとっても大事なもの!
そんな自律神経のバランスが整っているか、以下の測定シートでさっそくチェック。各設問で自分に近いものをAかBより選び、チェック数を合計してみると、今の自分の状態がわかるはず。
心と体の美と健康には“バランス”が大切
Aが0~7の人は副交感神経優位。車で例えるとブレーキの働きが上がっている状態。Aが12~27の人は交感神経優位。こちらはアクセル全開でアグレッシブな状態といえる。ブレーキもアクセルもなくてはならない機能だが、どちらかが優位すぎるという状態は注意が必要。あくまで大切なのは“自律神経のバランス”。つまり、Aが8~11の人はバランス良好なので自律神経が整っているというわけ。ぜひそのバランスを維持したい。
自律神経を整える5つのテクニック
心と体の仕組みをよく知る順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生と、植物療法士の南上夕佳さんに、自律神経を整えるための方法を聞いてみた。どれも日常に簡単に取り入れられるので、読んだらさっそくやってみて。
テクニック1. 朝を感じよう
「朝、起きたら太陽の光を浴びることがポイント。目を覚ますだけではなく、カーテンを開けて太陽の光を浴びることで、セロトニンの分泌が促進されて体内時計がきちんとリセットされます。バナナ1本でもいいので朝食をとることも大切。仕事の都合で朝を感じることが難しい人は、質の良い睡眠を確保することが大切なので、逆に光は大敵。まずはよく眠りましょう」(小林先生)
テクニック2. 呼吸をしよう
「きちんと呼吸ができている人って実は少ないんです。おすすめしたいのが、“1:2呼吸法”。それは、3秒間ほど息を鼻から吸って、すぼめた口から6秒間かけてゆっくり吐くという簡単なもの。仕事の合間や通勤中などに、1日3分だけ試してみてください。無意識に浅くなりがちな呼吸を深くゆっくりすることで、自律神経のバランスも見違えて良くなるはずです」(小林先生)
テクニック3. ツボを知ろう
「手首(表側)から指3本分くらいヒジ側の部分には、副交感神経の働きを効果的に高めてくれるツボがあります。落ち着きたいときは、そのあたりを軽くタッピングすると自律神経が安定します。また、小指には自律神経の生命線のようなツボがあるので、ピンキーリングは最高のパワーアクセサリーなのかもしれません。お気に入りの指輪を見つけてはいかがでしょう」(小林先生)
テクニック4. 香りを嗅ごう
「アロマテラピーのように、香りを嗅ぐことは自律神経を整えたいときにもおすすめです。香りを嗅ぐと、1.5秒で脳に信号が送られます。自分の意識とは無関係に働きかけてくれるので、マインドフルネスのときや小林先生の呼吸法のときに取り入れるのもいいですね。ただし、嗅ぎすぎると嗅覚を疲れさせてしまい本末転倒に。バランス良く取り入れることが大切」(南上さん)
テクニック5. 日記を書こう
「一日の終わりに3行日記をつけてみましょう。これは、明日への準備にも繋がる行為で、心のデトックスにもなります。より効果を高めるために、1行目は“今日失敗したこと”、2行目は“今日一番感動したこと”、最後は“明日の目標”を書くのがポイント。写経のように文字を書くこと自体にも効果があるので、手書きがおすすめです。寝る前にやってみては」(小林先生)
小林弘幸(こばやしひろゆき)
順天堂大学医学部教授、日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者として、多方面にてコンディショニングやパフォーマンス向上指導に関わる。著書やメディア出演も多数。
南上夕佳(なんじょうゆか)
植物療法士。植物療法の第一人者、森田敦子氏に師事。自身の体験を活かしたカウンセリングが人気を博し、今秋にはオンラインで学べる「フェムテックアカデミー」の設立を予定している。
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