女性ホルモン専門家の西村留美さんによる連載。PMSに悩まされた経験と、セラピストとして培った知識をいかし、悩みに寄り添う情報をお届けします。
「女性に生まれたからには生理痛は仕方がない」。こんな言葉を聞いたことや見たことがありませんか? しかし、本来は生理痛はないのが自然の姿です。あったとしても、少しお腹や腰が重だるいなという程度。そもそも薬を飲まなければいけないほどの生理痛や、ベッドから起き上がれないなどの日常生活に支障をきたすほどの生理痛は自然とは言えないのです。
痛みというのは、どんな形であれ異常を知らせてくれるカラダからの立派なサインです。それを生理痛に限っては、女性だから仕方ないと諦めている女性が多いのが現実。何度も言いますが、生理痛はないのが自然。痛みにはきちんと理由がありますので、それらを理解したうえで、きちんとケアをして生理痛のない快適な生理を手にしましょう♪
生理のメカニズムを解説
まずは生理のメカニズムを簡単におさらいしましょう。
生理が終わると、女性のカラダは女性ホルモンを分泌してせっせと次の排卵の準備を始めます。同時に子宮内膜も厚くなり、妊娠の準備に向けてカラダを整えていきます。次の生理が来る約14日前(個人差があります)で排卵し精子との出会いを待つわけです。そこで妊娠が成立しなければ、排卵から約14日後に受精卵のベッドとして育てた子宮内膜がはがれて経血として排出される、これが毎月の生理でしたね。
子宮内膜がスムーズにはがれ排出されれば、異常なほどの痛みは起きません。
しかし、なんらかの理由でうまく子宮内膜がはがれず経血が排出できずにいると、子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質が必要以上に分泌し、子宮をギューギューと収縮します。このプロスタグランジンは陣痛の際にも分泌される物質のため、大量に分泌されればされるほど当然痛みは増します。
ということは、子宮内膜がスムーズにはがれ落ちれば必要以上の痛みはないはずです。
ではどうして子宮内膜がうまくはがれなくなってしまうのでしょうか?
簡単ケアで生理痛撃退!
私が日頃からクライアント様にお伝えしていることなのですが、何かに取り組む際に大切なことは「簡単で一生続けられる内容」であるということです。現在のカラダがこれまでの生活習慣で作られたということは、その日々の生活習慣を少しずつ変えていけば必ずカラダは答えてくれます。
そして、いっぺんにやろうとしないこと! これも重要です。今の状態を変えたくて、よくなりたくていっぺんに多くのことを実践しようとする方がいますが、大抵が途中で挫折してしまいます。
大切なのは時間がかかってもいいので、継続し、歯磨きと同じくらい無意識レベルでできるようにすること。そのためには、ひとつのことから取り組み、それが習慣になったら次の取り組みに移ってみましょう!
●朝起きてすぐに熱めの白湯をコップ一杯飲む
●お水(常温か白湯)をこまめに飲む
●夏でも冬でも年中しっかりと湯船につかる
●生理中は腹巻をする
●レッグウォーマーで足首を温める
●カバンは左右均等に持ち変える
●脚を組むのをやめる
●頬杖をつくのをやめる
●できるだけたくさん万歳と伸びをする
●座る時間が多い時は定期的にアキレス腱を伸ばす
●しっかりと睡眠をとる
上記の内容はどれから始めても構いません! 自分の生活の中で取り組みやすいものから是非始めてみてください。まずは、3日間、1週間、3週間、3ヵ月と継続するうちに生理痛が撃退されていることに気づくはずです。
最後に、痛み止めの薬が効かないほどの痛みやベッドから起き上がれなくなるほどの痛みは、子宮内膜症などのその他の病気が隠れている可能性もあります。その場合は今すぐ婦人科を受診してください。
病院を頼るタイミングと、自分でケアできること、その両方のバランスをうまくとり、健康なカラダと心を手にしましょう。
※この記事は専門医チームによる監修を受けています。
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