「iDeCo(個人型確定拠出年金)」を始めてみたものの、どのようなタイミングでチェックしたり、銘柄を変える等の見直をしたりすべきかという質問をよく聞きます。今回は、そんな疑問にお答えします。(ファイナンシャルプランナー/花輪陽子)
リバランスが面倒だと感じる人には別の策も
そもそもiDeCoとは、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つです。公的年金と違って、加入は任意で、加入の申込、掛金の拠出、掛金の運用の全てを自分でやり、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受け取ることができる制度です。iDeCoでは、掛金、運用益、給付を受け取るときに、税制上の優遇措置を受けることができます。
運用中は利益が非課税となるため、利益の出やすい金融商品で運用するのと有利とは言われています。
分散投資をする上で「リバランス」と言われる見直し作業が出てきますが、リバランスとは当初の資産配分に戻すことを指します。時間が経過すると、相場も変動し、当初決定した資産配分が変わっていきます。定期的にその資産配分の比率を当初の計画どおりに修正を行う作業をリバランスと言います。
例えば、株式50%、債券50%という資産配分を選んだとします。株価が上がって株式70%、債券30%になった時に、株の一部を売って債券に回し、当初の比率に戻しておくことが検討されます。あるいは株式の新規買付をストップさせて、債券の比率が株式と同程度になるまで債券だけを買い足すという方法も考えられます。当初の配分と比べて20%以上動いた場合に行動をするなどで大丈夫です。
見直しのタイミングは1年に一度程度でよいでしょう。月2万円程度など拠出額が少ない場合はそれほど神経質になる必要はないかもしれません。また、リバランスが面倒という人は最初からファンドのほうでリバランスをしてくれるバランスファンドを選ぶのも一つかもしれません。バランスファンドとはあらかじめ株式と債券などのポートフォリオが組まれた投資信託のことを指します。あるいは若い方は全世界インデックス・ファンドなどの株式インデックスに100%投資してもよいと思います。その場合は基本的に放置でも大丈夫です。
iDeCoは長期的な老後資産のためにする資産運用です。頻繁に銘柄を入れ替えるというよりもどっしりと備えて最初に決めたポートフォリオをメンテナンスする程度にするとよいのではないでしょうか。