最近よく耳にする経済用語に「スタグフレーション」があります。今回はその意味とそのような時代に、私たちはどういう動きをしたらよいのかを考えていきましょう。(ファイナンシャルプランナー/花輪陽子)
スタグフレーション時代にすべきこと、避けるべきこと
スタグフレーションとは、景気が停滞しているにもかかわらず、インフレーションが続くことを言います。不況(Stagnation)とインフレーション(Inflation)の合成語になります。
新型コロナウィルスによる旅行規制やウクライナ情勢によって世界中で受給バランスが歪み、石油などのエネルギーを始めとして様々な物の値段が高くなっています。
例えば、海外旅行をする場合、航空券はコロナ前の1.5〜2倍程度の料金がかかる場合もあります。6月分の東京からロサンジェルス行きの航空券を見ると、1人20〜30万円前後(4月20日現在)するようです。
エネルギー価格の上昇から燃油サーチャージなどが非常に高くなっています。欧米に旅行をすることが非常に難しくなったという声を聞きます。
スタグフレーションに強いタイプは不動産、ブランド品、貴金属など価値が上昇する物を持っている人です。いざとなった時には換金をしてお金に変えることが可能です。
また、一生懸命働いている労働者にとっても賃金アップのチャンスがあります。人手不足で売り手市場なので転職の際に条件などで交渉をしてみるのも手かもしれません。
スタグフレーション時代にしてはいけないことは無駄遣いです。今までよりもコストが高くなっているので、一生懸命働いて、倹約を心がけ、浮いたお金で資産防衛をするべきです。
豊かな先進国で生きる私たちは実は物をもうこれ以上買う必要はありません。生活を豊かにする経験、読書や健康づくりなど将来への投資に支出を絞り込み、投資にお金を回しましょう。
米ドルの預金や米ドルMMFなども5%弱と金利が高くて手軽に始められます。また、金の積立などもよいかもしれません。より安全で、より利回りが高く、換金性が高い投資方法を考えるようにしましょう。