長期の資産形成をサポートしてくれる非課税制度、つみたてNISAを始める手順は大きく分けて4ステップ。さらにつまずきポイントと気をつけるべき点もチェック!
つみたてNISA口座開設4ステップ
1. 証券会社のHPの口座開設ページで必要事項を入力
少額から資産運用を始めたい人やネットで簡単に取引したい人は「ネット証券」がおすすめ。窓口で相談しながら資産運用したい人は「銀行」や「総合証券会社」を。
2. 本人確認書類・マイナンバー確認書類を提出
口座開設には、本人確認書類とマイナンバー確認書類の提出が必要。どのような形で受け付けているのかは、金融機関によって異なるので口座開設前に確認を。
3. 証券会社を通して税務署審査
必要書類を提出後、金融機関や税務署で審査が行われる。金融機関の審査では、満18歳以上の日本国内の居住者か、申し込み内容と本人確認書類・マイナンバー確認書類の内容が一致しているかをチェック。
4. つみたてNISA口座開設完了!
口座開設完了通知は窓口の場合は窓口で、オンラインの場合はメールか郵送で。ネット証券で申し込んだ場合、オンライン取引用のID・パスワードが一緒に記載される。2~3週間ほどで口座の開設が完了。
2つのつまずきポイントに注意
1. 口座をどこで開設するのがいいかわからない
100円から積立投資を始められる大手ネット証券も選択肢に
ネット証券は店舗型よりもコストを抑えているケースが多いので、SBI証券、楽天証券、マネックス証券などがオススメ。新NISA制度によって非課税期間が無期限になったぶん、長くお付き合いをする可能性が高いのでHPなどのデザインや説明文を見て、自分の感覚に合うかどうかもチェックポイントのひとつ。
2. 投資信託の銘柄の選び方ポイントがわからない
ずっと積み立てていくのであれば、世界中の株に幅広く投資ができる、「全世界株式」「インデックス」という名前が付いた投資信託も選択肢のひとつ。
「全世界株式」という言葉が入っている銘柄を選ぶ
特定の国にだけ投資する投資信託だと、その国の経済・社会・政治などの情勢に依存してしまい、大きな変動があった場合には影響を受けることも。そのため、ひとつの国だけにとらわれず、全世界の複数の国に分散して投資をすることでリスクを分散し、より安定した運用を行うことができるように。
インデックス型を選ぶ
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった、投資のベンチマークとなる「指数(インデックス)」と連動する運用のこと。値動きが小さくなる傾向にあるので、“控えめな運用スタイル”とも言われている。
つみたてNISAで気をつけるべき3つのポイント
1. つみたてNISAだけでの資産形成は心許ない
「つみたてNISA」の累積額の最大は、年間40万円ペースで20年間積み立てた場合の元本が「800万円」。65歳時、夫婦ふたりで約3000万円、シングルで約2000万円の貯蓄が老後資金の目安のため、つみたてNISAだけでは少し心許ない印象。
2. 商品のスイッチングができない
商品を売却して、その資金で違う商品を購入することを「スイッチング」と呼ぶ。運用成績が下がってきた投資信託があると気軽にスイッチングを考えてしまうが、つみたてNISAでスイッチングの際に売却した分の非課税枠が戻るわけではないので慎重に検討して。
3. 損失が出た場合でも損益通算ができない
利益と損失を相殺したトータルの利益をもとに税金を計算することを「損益通算」という。つみたてNISA口座における損失は損益通算の対象外となるため、利益と損失を相殺した場合に比べ、金額負担を感じることも。
※2023年2月時点の情報です。
監修者/西山美紀
お金、生き方などをテーマに取材を重ね、単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらしてくれるお金の貯め方、使い方を発信中。All About貯蓄ガイド。著書に『お金の増やし方』(主婦の友社)、『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)など。