オーバー30歳、貯金なしでもまだ大丈夫! “貯まらない”を卒業してお金が巡る体質になる5つの術をご紹介します。前回のiDeCoに引き続き、今回はつみたてNISAについて、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝先生に聞きました。
NISAとは?非課税なうえにいつでもお金を引き出せるのが魅力!
NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た運用益が非課税になる制度。この制度には非課税投資上限額が年120万円で非課税投資期間が5年間の「一般NISA」、非課税投資上限額が年40万円で非課税投資期間が20年間の「つみたてNISA」の2種類があります。つみたてNISAは投資対象が一定の条件を満たした株式投資信託などだから、投資初心者にも挑戦しやすい! ちなみにつみたてNISAは長期間、毎月少額で投資信託の積立投資(投信積立)をする人向けです。
運用益が非課税になるのは、節税効果大! 投資で得た運用益にかかる税金(20.315%)は、つみたてNISAを利用することでいっさいかからなくなります。
積み立てたお金は、前回解説したiDeCoと違い、いつでも引き出せるので、住宅の頭金や自動車の購入、結婚や子供の教育、起業準備などの資金として、幅広い用途に活用できるでしょう。
つみたてNISAの特徴は?
特徴は投資対象が投資初心者でも選びやすい、長期運用に適した投資信託のみな点! しかも、数千本ある投資信託のなかから、信託報酬が一定以下など、金融庁の定めた基準を満たしたものだけがラインナップされています(※1)。
特徴1:少額からでも運用OK!
特徴2:投資信託の運用益が非課税に
特徴3:非課税枠は年間40万円で、非課税で保有できる期間は投資した年から20年間! 新規拠出は2042年まで、毎年最大40万円まで積立投資が可能
つまり2022年に始めれば、2042年まで非課税で保有できる!
特徴4:対象となる投資信託(※2)は安定的な資産形成を目指す、長期・積立・分散投資に適した商品
つみたてNISA対象となるには下記などの法令上の条件が設定されています。
・販売手数料が0円(ノーロード)(※3)で、信託報酬(※4)も低い商品
・頻繁に分配金が支払われない商品
特徴5:いつでも、売却可能!
※1 つみたてNISAの対象となる投資信託には、公募株式投資信託とETF(上場株式投資信託)があります。
※2 対象商品は金融庁ウェブサイトに公表されます。
※3 つみたてNISAの対象商品となるETFには通常、販売手数料がかかります。
※4 投資信託の保有期間中、投資信託の純資産総額から差し引かれる運用管理費用です。
つみたてNISAの申し込み方は?
つみたてNISAの利用には、証券会社や銀行で専用口座を1人1口座開設する必要が。投資信託の数と内容、信託報酬が低いインデックス型の充実度、最低積立金額を確認し、口座を開く金融機関を決定後、申し込み書類を取り寄せて。
郵送の場合は…
申し込み方1:口座を開設したい金融機関から書類を取り寄せる
「初めての取引なのか」「すでに総合口座(銀行の場合は投資信託口座)を保有しているか」で申し込み書類が変わるので、きちんと申告して。
申し込み方2:書類に記入して返送
必要書類と本人確認書類の写しなどを郵送にて返送して。金融機関によっては、本人確認書類を撮影してウェブにアップロードして、全手続きを済ませられることも。
申し込み方3:金融機関から税務署に申請し、審査・承認
税務署の確認には1〜2週間程度かかるので、申し込みが遅れるとその分、取引のチャンスを失うことに。
申し込み方4:金融機関から口座開設手続き完了のお知らせが届く
口座開設手続き完了のお知らせが届いたら、サイトにログインを。パスワードを設定して、取引をスタート!
投資対象の商品の選び方は?
対象となる投資信託商品は株や債券、REITなどで、債券100%の投資信託はありません。複数の投資対象を組み合わせたバランス型投資信託や市場と連動するインデックス型投資信託が◎。コスト(信託報酬)は0.1%の違いでも長期の運用で大きな差になるので、確認を。
つみたてNISA対象投信は合計199本!
国内随一の総合金融情報サイト「モーニングスター」は投資信託の検索をはじめ、分配金履歴や信託報酬の情報なども掲載。投資信託は同じ商品でも、販売会社によって販売手数料が違うので、こちらで比較検討してから購入して。
投資というとハードルが高いイメージがあるけれど、初心者向きに設計されているつみたてNISAなら安心。これから資産運用を始めていこうかなと思ったら、まずはここから!
井戸美枝先生
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)・社会保険労務士・産業カウンセラー、国民年金基金連合会理事。メディアを通じ、経済や年金・社会保障のアドバイスを行う。著書『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』(¥1,650/日本実業出版社)もぜひ参考に。
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