スタイリスト青木貴子さんによる、素敵な人に一歩近づく生き方指南。こんな時代だからこそ、前を向いて歩いていくためのヒントをお届けします。
ふと持った疑問は大切にしよう
この世の中には「ある」ものと「ない」ものが存在します。「ない」のに存在する(=「ないものがある」)というとちょっと矛盾が生じそうな気もしますが、何かが「ない」という状況は存在するので「ない、はある」ということになります。
そう考えるとゼロという状態は厳密にいうと「ない」ではなく「ゼロという状態にあるもの」。ゼロはよく「可能性は全くのゼロ!」なんていう使いかたをされますが、ゼロは「何もない」とはちょっと違う状態なのかなぁという気になります。これって禅問答みたいですが(笑)。概念というのは面白いもので、よくよく考えないとわからない、けれどなんとなく決まっている(思い込んでいる)っていうものが結構あります。
なぜだかふとあるとき「0(ゼロ)」ってどういう存在なんだろうと気になって調べたことがあります。0は偶数なのか奇数なのか。みなさんはこの答えを知っていますか? ゼロというのは「無」と同じような意味合いがあるので一瞬偶数でも奇数でもなく特別な数字のような気もしますが、答えは偶数です。偶数の始まりは2という印象があるから、その前の数字である0は偶数ではない感じもしますよね。偶数の定義は2で割り切れる数のこと。奇数は2で割ったときに1余る数字を指します。0は2で割ると0。余りが出ないので偶数ということになります。
0が偶数か奇数か、それとも特別な数字なのかということは論議の対象になっているらしく、調べてみたところ人それぞれにいろんな捉え方があって面白かったです。
ある意味0、2、4、6、8、は偶数で、1、3、5、7、9は奇数というのは、人が生きていくうえで必要な数の計算を簡単に出来るようにとに編み出された一つの共通概念に過ぎないようにも思います。たとえば空を空と言う、赤を赤と呼ぶといったこと。「これはこういったものですよ」っていう共通概念。
たとえば歩行者は右側通行で自動車は左側通行といったルールも円滑に生活を送るために必要不可欠な共通概念です。法律やさまざまなルール、決まりごとや常識も同じです。そういった事柄に関して共通概念を持ち合えるということで秩序は守られる。決まりごとは人々が平和に安全に暮らすための人類の叡智と言えましょう。
もちろん決まりごとすべてが正解なわけでもなく、実はちょっと変じゃないこれ?って感じるものもあると思います。当たり前と思っていることが当たり前に素晴らしいこととは限らない。世の中は疑問に思うことで溢れていますよね。何かに対して疑問を持ったら、それはどんな意味や意図があって成り立っているのかな?とか、なぜ自分はその存在に疑問を持つのかな?といった単純な引っかかりを大切にすることをおすすめします。調べたり考えたりして腑に落ちると、すっきりしますよ。あ、またはさらに悶々とするかもですが(笑)。いずれにしても、何かしらの自分なりの見解がはっきりするのは面白いです。
ふとしたときに感じた疑問に向き合うクセをつけると、世の中を違った角度で見ることができるようになります。はて? これってなんで?という感覚を見逃さないで! 新しい発見もあるし、何かの変化を起こすきっかけになりますよ。