スタイリスト青木貴子さんによる、素敵な人に一歩近づく生き方指南。こんな時代だからこそ、前を向いて歩いていくためのヒントをお届けします。
美容も健康も維持の秘訣は、毎日コツコツ！
つい先日の話、1日にこんなに聞くことある！？ってびっくりしたのが「骨折した」という話題。転倒して足を骨折したひとがいて、その話から「私も最近テーブルの脚の角に足指をぶつけて“剥離骨折”しました」「私はくしゃみをして“肋骨骨折”したばかり」などなど、異口同音に直近の骨折体験話に。「骨、弱ってきてるんですかね…」と一同どんより。この日だけでなく、骨折話はよく聞きます。理由と部位は様々ですが、まぁ骨折しているひとの多いことに最近驚いています。
骨が弱くなる、というと真っ先に浮かぶのが「骨粗しょう症」。骨密度が低下し、骨がスカスカになってしまうという恐ろしいアレです。それって閉経後のひとの話だよね、と他人事のように思っているアンダーフィフティーのあなた、実はいま比較的若い世代でも骨密度が低いひとが多くなっているのだそうで、40代でも骨粗しょう症と診断されるひとも！ 若くても注意が必要と医師が警告を鳴らしているのです。こういったひとは20代の頃から骨密度が低い傾向が高く、わずかな骨密度の低下で一気に発症してしまうのだとか。原因は無理なダイエットや不規則な食生活。骨が成長盛んな20代にそういった食生活だったと思いあたるひとは要注意です。
骨折なんて注意してればそんな簡単にしないし、これまた「自分とは関係ない」と思っているあなた、ちょっと身近で怖い話をすると骨密度の低下はシワやたるみの大きな原因になるって知っていましたか？ そう、骨密度は美容にも大きく関わっているのです！
しわやたるみの大きな原因となるのが、なんと顔の「骨やせ」。年々顔面下の骨が減少していく、すると当然骨の上にのっている皮膚の張り具合も変わってくる。目の下の窪みも進むし、特に頬や口周りに影響がある下あごの骨が痩せていくのだそう。すると頬はこける、口角は下がる、シワは増える、ひーーー恐ろしいですよね。
加齢とともに起きるこれらの現象は受け止めるしかないのか！と諦めることなかれ、対抗策はちゃんとあるのだそう。それは「骨活」。骨はちゃんとケアをすればいくつになっても再構築ができるのだそうです、朗報！
まずは食事からアプローチ。骨といえばカルシウム。でもカルシウムだけを摂っていても効率はよくないそうで、効率よくカルシウムを吸収するにはビタミンDを一緒に摂取する必要があるとのこと。これは魚類（鮭やイワシ、サンマなど）、干し椎茸とかに多く含まれます。日光浴もビタミンDを生成してくれます。日光を浴びて15分でビタミンDは作られるそうなので、積極的に日差しを取り込みたいですね。そしてタンパク質も骨の質を保つのに大切で、こちらは肉や魚、大豆食品などが有効。特に納豆はたんぱく質のほかに、カルシウムが骨に取り込まれるのを助けるビタミンKも豊富、骨にとっての大栄養素になります。納豆は簡単に食べることが出来るし、腸内環境を整える発酵食品でもある、日本が誇る最強健康食品ですね（最近は海外からも大注目を集め、輸出量は年々鰻上り！）。そして何より朝食を抜かないことが大切なのだそう。朝ご飯抜きは骨活に大ダメージ、納豆に卵だけでも食べて出かけましょう！
食の改善に加え、簡単な運動をすればかなり骨は育ちます。推奨されている運動が「かかと落とし」。これ運動ってほどのものじゃない、超絶簡単なエクササイズ。でも骨の成長を驚くほど促してくれるのだそうです。
足を揃えてまっすぐ立つ→かかとをあげてつま先立ちになる→足の力を抜いてストンとかかとを床に落とす。このとき膝が曲がらないように注意。これだけ！です。これを毎日50回ほど続けると、骨がすくすくと育つのだとか（「かかと落とし」で調べるとやり方はすぐ調べられます）。顔面やせや骨折が防げるのなら毎日の習慣にしない手はありません。かくいう私の母は80代ですがこのエクササイズを習慣にしてはや10数年。なんと骨密度は中年並み！ 継続は力＆効果があるということです。
骨密度検査を受けたことがないという方は、是非一度自分の骨の状態を把握しておくことをお勧めします。結果良けば維持を心がけ、良くなかったらいますぐ対処を始めるべし。何にしても現状把握は役に立ちます。私もこの原稿を書きながらイワシの煮干しをつまみました（笑）。ちょっとした日々の心がけが健康な骨、ひいては健康な体、美しい容姿を作ります。これ書くの恥ずかしいですけど、毎日コツコツね！
