まさにGINGER世代ど真ん中を生きる、田中みな実さん。知的な仕事人として、コスメ愛を探究する美容賢者として、チョコレートをこよなく愛する乙女として、その人気と注目度はますます上昇中。そんな彼女が本音で綴る連載コラム「田中みな実のここだけ話」、今回は推しについて。
今回のテーマ:推し

フーディー¥42,900/キャバン(キャバン 代官山) イヤカフ¥148,500/プライマル
同年代の女子の間で『推し』というワードを耳にすることが増えた。韓流アイドル、女性アイドル、ユーチューバー、プロレスラー。彼女たちのインスタを覗いていると、“推し”がいる生活は実に豊かで楽しげだ。
職場の人間関係や結婚生活のストレス、独身の闇、如何なる状況をも“推し”の存在が打破してくれるらしい。そんな風に何かに夢中になったりドハマりした経験のない私にとってそれは理解し難く、かなり羨ましいことだったりもする。
“推し”とは、人に薦めたいほど気に入っている人物やモノ。モノでいいならチョコレート! 年に1度のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」で出合うショコラの為に貯金をしているほど絆されている。本場フランスのサロショに0泊3日という強行スケジュールで訪れるほど愛して止まない。
しかし、それって“推し”とはどこか違う気が。やはり人物なのよ! それも、誰もが知るようなスーパースターではなく、どこか発掘感のある自分だけの推し。推しが欲しい…推しが欲しい…。そんなことを思いながらインスタに流れてきた投稿に不意に目をやると「わお! 何だ、この美男子は!」と心を鷲掴みにされるイケメンに出会ってしまった。タグ付けされた彼のアカウントを見ると、韓国の方! 見つけちゃったかも、ワタシだけの推し♡そう思ったのも束の間、フォロワー900万人超え。あ、もうみんなのものなのね。そりゃあそうだわね〜。途端に熱が冷めてゆく(ちゃっかりフォローはするけれど)。
そんな矢先、今度はドラマの登場人物に恋をした。憂いを帯びていて、儚げで、色気があって、包容力がある。どこまでも優しいのに、目の奥に哀しみを湛えた危うさがあり、とにかくズキューンと射抜かれた。しかし、彼もまたドラマで主演を張るほどのスターであり、今更“推し”を名乗るのは気恥ずかしい。だいたい、35歳にもなって20代のイケメン相手にキュンキュンしている自分がなんかもう気色悪い。こんな調子で果たして“推し”は見つかるのか。“推し”への憧れは募るばかり。
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