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MYSELFウェルネス

2024.03.23

バランスがいいひとの秘密。そのカギとなる自律神経について知っておきたいこと

“わたしの心地よさ”を基準に行動することが、ウェルビーイングに生きるカギになる。そのために、もっと自分自身を知る = 自分のトリセツを手に入れませんか? 保健学博士の島田恭子さんがナビゲート。今回は、自律神経にまつわるお話。【連載「自分学 わたしのトリセツ」vol.14】

今回のテーマ:私たちの体のふしぎ

島田恭子コラム

ホラー映画。怖いシーンがでてくると、ぞーっと鳥肌が立つことありませんか。

オフィスでちょっと気になる人。向こうからこちらへ歩いてくるだけで、ドキドキ、胸が高まります。

ーーこんな体の自然な反応、考えてみれば不思議ですよね。

自分で鳥肌を立てよう、とか、胸の高まりをどうこうしよう、とか、意図しているわけではないのに。時に私たちは、自分の体なのに、自由には動かせません。

いつもは私たちは“心と体のつながり”をあまり意識しないから、感じる気持ちによってこうして自然な体の反応が出ることに、とても驚きます。

今回はそんな体のメカニズムのなかでも特に「自律神経」に目を向けて、その働きと活用法を考えてみることにしましょう。

自律神経とは?

「交感神経」と「副交感神経」って聞いたことはあるでしょうか。

どちらも自律神経といわれるもので、私たちの意思とは無関係に(自律的に)、自動的に働いてくれています。嬉しいとき頬が紅潮したり、緊張して胸がドキドキ、先ほどの鳥肌も、この自律神経によるものです。

島田恭子コラム

簡単には大きく2つ。交感神経と副交感神経です。キーワードをあげてみます。

  • 交感神経系:能動的、アクセル、緊張覚醒、制御可能性の神経、追い詰められると“戦うか逃げるか“に反応。
  • 副交感神経系:受動的、ブレーキ、環境が変わるのを待つ。持続可能性の神経、ゆったりリラックス、追い詰められると凍りつき、シャットダウンする。

この両方、どちらも生きていくために大切な神経です。

これらはシーソーのような、アクセルとブレーキのような関係で、自然界のさまざまなリズム(昼夜、季節、気圧など)と連動し、睡眠や食欲など私たちの大切な心身のバイオリズムを整えてくれています。

ところが近年、このようなシーソー関係ではない新しい考え方(ポリヴェーガル理論)が出てきており、私たちの心身と神経との関係を、よりよく説明できるとして話題になっています。

難しい言葉が多いので、簡単に色に例えて説明してみます。

赤】の神経(交感神経)
危険への反応、心拍アップ、発汗アップ、酸素量アップ、戦うか逃げるかの防衛的反応、元気・活力の元でもある。

【青】の神経(背側迷走神経複合体)
生の脅威への反応、心拍ダウン、酸素量ダウン、凍りつき・失神・抑うつといった防衛的反応、生き延びるため、出力を下げて固まる感じ。

【緑】の神経(腹側迷走神経複合体)
安全への反応、心拍・酸素を状況により調整(±)、社会的行動(絆やコミュニケーション)、赤と緑を支える。

ポリヴェーガル理論は、この3つの神経が調節し合ってバランスを取りながら私たちの心と体を整えている、という考えです。この理論を知ると「なるほど!」と納得することが多々あります。

私たちの体を整える3つの大事な神経たち

島田恭子コラム

【赤】【青】【緑】この3つの神経について、それぞれもう少し詳しく説明しましょう。

【青】の神経

小動物のオポッサムが敵の脅威に「死んだふり」をするのは、【青】の働きによるもの。ほぼすべての脊椎動物が持つ、最も古い神経です。動物園のワニたちも、いつもジーっと低代謝で、この神経が優位ですよね。

私たちがトラウマになるような出来事でフリーズ(凍り付き)して自分を守ったり、ストレスを受けすぎると抑うつ状態になってじーっと休息モードにはいるのもこの神経のおかげです。

【赤】の神経

【赤】は魚以降が持っている、“動く“ための神経。朝起きて元気に活動するときにも働く神経です。全身のエネルギーをフル活用し敵に戦いを挑んだり、迫りくる困難や危険を、頑張って乗り越えようとしたり。

ここでいう“困難や危険“とは、例えば野生の動物だったら、“食うか食われるか“、”闘うか逃げるか”といった目の前の敵に対する物理的な行動ですよね。

ですが私たち人間となると、もっと複雑です。いわゆる出世競争、受験勉強などの、社会的な地位や居場所を巡る目に見えない危機“社会的なもの”にも、私たちは日々、挑んでいくことを求めらます。物理的にも社会的にもつねに困難や危険に立ち向かわなければならない…。とかく現代社会は【赤】が優位、といえるでしょう。

そう考えると、満員電車やお店などでイライラをぶつける人が増えているのも、無理もないことかもしれませんね。

【緑】の神経

そんななかで【緑】は、「安全と絆の神経」ともいわれます。ほ乳類以降に発達した特有の神経で、群れや仲間と共に生きるために大切な神経。この神経が、私たちの表情や声色までをもつかさどっているんですよ。

群れで生きていくには、仲間とうまくやっていくことが求められます。敵から身を守る【赤】や【青】以外の神経が必要です。

例えば、誰かに何かをお願いしたいとき。あなただったらどんなふうにお願いしますか?

1.【緑】の神経がうまく働いているとき、私たちは表情豊かに、声のトーンも柔らかに、言いたいことを伝えられます。

2. 一方、【赤】が強い場合は、語気荒く、力づくで言うことを聞かせようとする、といった感じになります。

「北風と太陽」の寓話にもたとえられますが、太陽のほうが北風よりもより少ない労力で仲間とうまくやっていけますね。

さらに【緑】は、【赤】や【青】がバランスよく働くための土台にもなっているんです。自律神経が状況に応じてうまく働くためには、この【緑】の神経をうまく調節できることが大切なのですね。これは私たちが心地よく生きていくうえで、とても大切な前提です。

では私たちが日頃の生活で、【緑】を中心として3つの神経をうまく機能させるにはどうしたらいいのでしょうか。

島田恭子コラム


実はこれまで本コラムでご紹介してきたさまざまなテーマは、実はこれらの自律神経を整える作用があることが知られています。例えばセルフコンパッションセーバリングもそうですし、マインドフルネスや瞑想、ヨガなども、ストレスや不安を軽減し、自律神経をうまく調整するのに効果的な方法です。

また当たり前ですが、健康的な食生活や質の良い睡眠も、自律神経のバランスのために、とっても大事であることがわかっています。

次回は、具体的な活用法をもう少し詳しく見ていくことにしましょう。

参考文献
『ポリヴェーガル理論への誘い』 津田真人 著/星和書店(2022) 
『ポリヴェーガル理論入門』 ステファン・W・ポージェス 著/春秋社(2018)

島田恭子(しまだきょうこ)
医学や心理学の知見を、女性のウェルビーイングに役立てたいと活動中。東京大学大学院でこころの予防医学を学び、保健学博士となる。(社)ココロバランス研究所代表。
https://customer-harassment.org/kyokoshimada/

TEXT=島田恭子

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