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LIVING仕事

2022.03.05

外見いじりには思い切りドン引き&“bot返し”をキメよう【セクハラ撲滅委員会】

愛想笑いで受け流す日々にもうウンザリ――そんなあなたへ贈る虎の巻! 作家のアルテイシアさんにセクシュアル・ハラスメントへの対処法を聞きました。全5回の短期集中連載でお届けします。

体験談2:見た目をとやかく言われて傷つきます

セクハラ発言をする男性同僚
ジェンダー不平等な社会では、女性は過度に外見の美しさを求められがち。型通りの美しさに当てはまらなければ、からかわれたり、いじられたり…残念ながらよく見る光景です。

「同僚男性に『お前は胸がないし、視線に気ぃ遣わなくていいから助かるわー』と言われました」(30歳/メーカー)

「女性に対し『ブス』『おばさん』など陰口を言う男性がいて不快です」(27歳/商社)

しかし、褒めればよいというわけでもありません。

「かつて上司によく容姿を褒められていたのですが『自分があと20歳若かったら誘ってたよ』と言われたときはさすがに気持ち悪かったです」(33歳/メーカー)

そもそも男女問わず、人の外見に言及することはマナー違反。そんな空気を作っていくためには、何ができるでしょうか?

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〈初級編〉同意せず、ドン引きする

前回アルテイシアさんには、笑顔を封印することを教えていただきましたが、もう一つ封印すべきものが。それは「自虐」。

「たとえば今回の体験談のように、胸が小さいことを揶揄されたときに『ですよねー』と同調してしまうと“いじっていい相手”認定されてしまいます。つまりハラスメントを容認する結果に。自虐でしのぎたくなる気持ちもわかりますが、ぐっと堪えて」

ここでも、表情が大事。何も言い返せなくても大丈夫。とにかく笑わず“びっくり顔”で、心底ドン引きしていることを伝えましょう。

一言付け加えるなら「えっ」「そういうこと言う男性、多いですよね…」。自分は同意していない、あなたとは考え方が違う、という表明を。

「“bot返し”もおすすめです。相手が何を言ってこようとも『あなたはそういう考えなんですね』としか返さない。そのうち相手は発言する気をなくします」

bot返し

〈上級編〉質問返しで反撃しよう

今後も相手と良好な関係を築きたいなら、その場の発言を封じるだけでなく、問題点をきちんと指摘したいところ。ストレートに「体型のことを言われると傷つく」「やめてほしい」と言える人は、言ったほうがいいとアルテイシアさん。

「それから、“質問返し”で相手に考えさせるという手もあります。それってどういうことですか? 今その話、関係あります? と聞くんです。すると相手は『あれ、まずかったかも』と気づけるかもしれません」

「冗談、冗談」「これくらいで怒るなよ」と返されたら…?

「私なら切々と、ルッキズムやハラスメントについて解説します。イジリをコミュニケーションだと勘違いしている人は、相手に嫌な思いをさせているという意識がないんですよね。あなたのために言ってるんですよ、というスタンスで教えてあげることも、時には必要だと思います」

***

それでは復習です。人の外見をとやかく言う人には

・同意せず、ドン引きする
・できるなら、質問返しで反撃する

この2点を押さえた対処を。からかいやいじりで嫌な思いをしなくて済む世の中にしていきたいものですね。

反射神経を鍛えるにはどうすればいい?

最初は、思うように対応できなかったり、あとから「もっと言い返せばよかった」と悶々としたりすることもあるはず。アルテイシアさんいわく、大切なのはシミュレーション。

「反射神経を鍛えるには、今度こういうことを言われたらこう返そう、と何度もイメージすることです。どう反応すべきか、迷ったときはぜひ私のコラムを読んでみてください。一緒に少しずつ、言葉の護身術を身につけていきましょう!」

アルテイシア
作家。神戸生まれ。近著に『モヤる言葉、ヤバイ人~自尊心を削る人から心を守る「言葉の護身術」』(大和書房)『フェミニズムに出会って長生きしたくなった。』(幻冬舎文庫) など。フェミニズムにまつわる軽快な語り口のエッセイが人気で、「モヤモヤがすっきりした」「ハラスメントにNOを言えるようになった」など救われる人が続出!

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ILLUSTRATION=八朔モモ

TEXT=GINGER編集部

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