電気代の高騰が話題となっています。そこで今回は、値上げに備えた電気代の節約ポイントをいくつかお伝えします。(ファイナンシャルプランナー/花輪陽子)
使用量を減らすだけじゃない。契約を見直す方法も
コロナ禍とウクライナ侵攻後、世界中がインフレに苦しめられています。東京電力など大手電力会社は3割程度値上げする申請をしています。
今回は値上げに備えた電気代の節約ポイントをいくつかお伝えします。やみくもに省エネをすると体調を崩したり、疲れるために、効果が高いところに絞って節約するのがおすすめです。
2021年の総務省の家計調査(家計収支編/二人以上の世帯)によると、平均の電気代は10,317円、ガス代は4,648円、その他の光熱は1,153円、上下水道料は5,412円です。
電気代の料金体系は、毎月固定でかかる基本料金(契約の大きさによって決まる)と電力量料金(電気を使った分で決まる)などで成り立っています。基本料金を下げるには、契約アンペアを下げることです。例えば、東京電力の場合、10A下げれば年3,432円(月286円)程度の節約になります。多くの電力会社では一般に無料で工事をお願いすることができます(特別な工事が必要な場合には費用がかかることもあります)。
次に使用量を下げるには、効果の大きいところから取り組むと効果的です。家庭で使われる電気代の約7割を占めるのがエアコン、冷蔵庫、照明器具、テレビの4つの家電製品だと言われています。まずは、この4つの使い方を見直してみることが大切です。
電気代節約チェックリスト
1. エアコン
□適切な温度に設定する
夏の冷房時の室温は28度目安 →年間約820円節約(※1)
冬の暖房時の室温は20度目安 →年間約1,170円の節約(※2)
□必要なときだけつける
冷房は必要なときだけつける →年間約510円節約(※3)
暖房は必要なときだけつける →年間約900円節約(※4)
□月に2回フィルター掃除をする
→年間約860円節約
(※1)外気温度31でエアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27から28にした場合(使用時間:9時間/日)
(※2)外気温度6でエアコン(2.2kW)の冷房設定温度を21から20にした場合(使用時間:9時間/日)
(※3)冷房を1日1時間短縮した場合(設定温度28度)
(※4)暖房を1日1時間短縮した場合(設定温度20度)
2. 冷蔵庫
□詰め込みすぎている食材を半分に減らす
→年間約1,180円節約
□設定温度を「強」から「中」に変える
→年間約1,670円節約
□壁から適正な間隔で設置する
→年間約1,220円節約
3. 照明器具
□電球形LEDランプに取り替える
→年約2,430円節約
□点灯時間を1日1時間短くする
54Wの白熱電球の場合 →年約530円節約
12Wの蛍光ランプの場合 →年約120円節約
9WのLEDランプの場合 →年約90円節約
4. テレビ
□画面を明るくすぎないようにする
→年間約730円節約(※5)
□テレビを見ないときは消す
→年間約450円節約(※6)
(※5)テレビ(32V型)の画面の輝度を最適(最大→中間)にした場合
(※6)1日1時間テレビ(32V型)を見る時間を減らした場合
そのほか、待機電力や温水洗浄便座なども電気代がかかっているので電源タップをオフにしたり、温水洗浄便座の温めを夏季は切るなども考えられます。