美容ジャーナリストとして活躍している齋藤薫が、ネガティブになりやすいGINGER世代にこそ知ってほしいと考える幸福学。いまいち幸福感が得られないなら、今すぐ試してみてほしい。【連載「齋藤薫の美脳格言」】
20代代30代は、幸せ適齢期。だからネガティブな発想になりがち
女は“幸せになるために生きている性”。
男はあまり「幸せになりたい」とは言わないが、女は人生のあらゆる場面で“幸せになること”を意識する。特に20代30代は自分が幸せかどうかを執拗に確かめる幸せ適齢期。10代では幸せになること自体を夢見たが、20代30代はそれを現実のものにしなければとの焦燥感に駆られるのだ。
誰かより幸せだろうかと人と比較したり、ある程度の幸福感を得られないと、ネガティブ発想を持ってしまったり。だから改めて幸せの見つけ方を提案したいのである。
結論から言うなら、自分が幸せかどうかを考えるより前に、ウェルビーイングな幸せに浸ること。じつはある時、気づいたのだ。「幸福論」などを読めば、「幸せとは自分が幸せかどうかを考えないこと」とか「幸福の話をこれほどまでに聞かされていなかったら、人間はもっと幸福だったろう」とか、哲学者たちが残した言葉に行きついてしまい、うだうだと「幸せとは一体何なのか?」を考えたりして、幸福感が遠のいていくことに。
ところがその対極にあるウェルビーイングに基づく幸福学を知ると、あっという間に幸せになれる。それは哲学ではなく心理学で具体的に幸せを作っていく方法だからだ。
「心地よい」によく似た幸せは自ら今すぐ作っていける
ウェルビーイングとは=“より良く在ること”であり、身体的、精神的、社会的に満たされた状態を指す。つまり幸せの意味を理屈で追い求めるのではなく、ひたすら心と体を良い状態に保つことで、「心地よい」によく似た幸せを感じとる、理屈を超えた方法。
つまり幸せは、考えることではなく、感じること。だから幸せの感じ方は人それぞれ。自分が幸せだと思えばそれが幸せ。 頑張って掴みとるものでも、誰かにもらうものでも、お金や地位やステイタスがもたらすものでもない。自分をワクワクさせるもの。楽しい、嬉しい、気持ちいい、が優先するもの。「自分には運がない、世の中は不公平だ、だから自分は不幸」という発想をやめ、常にポジティブ思考を保つことが大前提の提案なのだ。
具体的には、まず適度な運動を行い、睡眠を十分にとることで、身体的な幸福を得ること。運動を週に2日以上する人は幸せという研究結果がある。また集中できる仕事を持っていること。強力な人間関係や親しい友人を持っていること。人とコミュニケーションをとる時間が1日1時間以上だとストレスが減るという研究結果もある。さらに物より体験にお金を使う方が結果的に幸せ。また他人のためにお金を使うと幸福を感じることも分かっている。
この幸福学では「ありがとう」を言う数が増えるほど幸せと考え、「やってみよう」の勇気、「何とかなる」というゆとり、自分も他者もありのままを受け入れられる鷹揚さ…これを心に持っていることが幸せのカギとなる。読んでいるうちに、幸せってこれでいいんだ、と気持ちが楽になってきて、すぐ幸せになれそうな気がしてきたはず。
幸せは難しくない。そう思うだけで人生、楽になる。幸せ適齢期にこそ知っておいてほしい幸福学である。