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2023.04.05

“炎上”が怖いと感じたら。『失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック』

どうしたらジェンダー表現の炎上を避けられるのか。これからの時代のビジネス教養として必須の一冊。(ライター/雪代すみれ

失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック

『失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック』(新聞労連ジェンダー表現ガイドブック編集チーム 著/小学館)

背景を理解すれば“炎上”は避けられる

昨今、メディアの発信や広告でのジェンダー表現がしばしば炎上している。「指摘されてるとおりだな」と思っている人もいれば、「なぜ炎上してるかわからない」「だからジェンダーに関する表現をするのが怖い」と感じている人もいるだろう。もしくは「おかしいのはわかってるけれど、上司や周囲の人に上手く説明できなくてモヤモヤしてる」という人もいるかもしれない。

そこでおすすめしたい本が『失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック』(小学館)である。本書の執筆者は「新聞労連ジェンダー表現ガイドブック編集チーム」。メディア業界のジェンダー意識や表現に課題を感じている新聞社の記者やフリーのジャーナリストによってつくられた本だ。

今の時代、企業の広報活動、講演会、個人でもSNSを用いて誰でも発信者になれる。接客や取引先とのやり取りなど一対一のコミュニケーションの場でも、無意識の偏見によって相手を傷つけてしまうかもしれない。決してメディア業界だけではなく、現代社会を生きるどんな人にも必要な情報と考え方が示されている。

NG表現とその言い換えを覚えるための本だと思った人もいるかもしれないが、そうではない。

最も大切なことはただ炎上を避けることではなく、なぜこの表現がだめなのか、背後に潜む構造や問題を知ることです(p15)

本書に問題となるジェンダー表現の全ての例示がされているわけではないし、言葉の使い方は時代とともに変化していくものである。言い換えだけ覚えて、本質的な問題まで理解を深められなければ、きっとまた同じような失敗をしてしまうだろう。

これは私自身の経験だが、最初は上手く咀嚼できなかったことでも、問題の背景や構造まで意識するようになってから、徐々に言語化できるようになった。「なぜダメなのか」を考え続けることで、きっと応用的に考えられるようになるので「面倒だな」と思わず、学びのきっかけとしてほしい。

「美人すぎる」「女子力高い」褒めてるのになぜダメ?

とはいえ、かつては私も色々とやらかしていた。中学生の頃、毎日のように「ブス」「デブ」と言われていたことは以前書いたが、それもあって、逆に容姿を褒めることは良いことだと思い込んでいた。

昨今、女性のスポーツ選手や社長などに使われる「美しすぎる○○」「美人△△」などの表現が批判されている。「褒めているのになぜダメなの?」と思った人もいるかもしれない。その理由について、本書では次のように解説されている。

容姿を意識していない女性を過剰にアイドル視する風潮は、女性を社会的地位から遠ざけることにもつながります。容姿で女性をアイドル視することは、「あいつは容姿がいいからちやほやされている」と女性の実績を軽視することとも表裏の関係にあります(p49)

本書では、スポーツ選手が新聞のインタビューで、容姿ばかり話題にされることに違和感を示していたことにも触れられている。また「真剣に仕事に取り組んで成功しても『顔が気に入られただけ』などと仕事を評価してもらえない」といった経験をしたことがある人や、周囲からそのような経験を聞いたことのある人もいるのではないか。

女性政治家の服装のことだけをことさら取り上げることは、たとえ褒める文脈であっても、本来の業務とは別のはずです(p49)

とあるように、女性政治家が服装や容姿に言及されがちなのもまだ珍しくない現象である。2020年、新型コロナウイルスの流行が広がり始める中で、ある女性政治家が毎日ばっちりメイクをし、オシャレな柄のマスクを着用していることについて「女子力が高い」といった評価がSNS上で複数見られた。

ここでの「女子力が高い」とは、「忙しいのに容姿にも気を配っていること」を意味して使われている。だが、男性の政治家がメイクや服装についていちいち言及されたり「男子力が高い」と評価されたりしているところは見たことがない。

女性の政治家を「女子力が高い」と評価する人たちは、気軽に楽しんでいるくらいのつもりだろう。しかし、「忙しくても容姿に気を配ること=女子力が高い」と評価することは、「女性は忙しくても容姿に気を配らなければならない。でなければ女子力が低いのだから」といった呪いにもつながってしまう。

そもそも「女子力」という言葉自体、「女性はこうあるべき」というジェンダーバイアスを強化するものである。言葉の意味を掘り下げると「気配りができる」とか「おしゃれ」とか場面によって使われ方が異なるものであり、そのときどきでそのまま褒めればいいものではないか。気配りができる男性もおしゃれな男性もいるのだから。

『失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック』(新聞労連ジェンダー表現ガイドブック編集チーム 著/小学館)
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TEXT=雪代すみれ

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