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2023.03.09

大人もエンパワーされる性教育の本。シオリーヌ『CHOICE』を読んでみて

生殖だけではない性教育の話。自分の意思や生き方を大事にするための知識が詰まった一冊。(ライター/雪代すみれ

CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識

『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(シオリーヌ 著/イースト・プレス)

「教えないけど自己責任」ってひどくない?

「性教育=子ども向けのもの」というイメージは強いが、私は大人にも性教育が必要だと思う。なぜならば、今の大人は十分な性教育を受けられなかった人が圧倒的に多いからだ。

私自身、まともに性教育を学んだのは20代後半、数年前の性教育ブームが始まった頃だ。それまで生理・避妊・性感染症など、性に関する知識は主にネットで調べていたと思う。

ここ数年で性教育の本や、専門家の発信によるインターネット上の性教育コンテンツをたくさん見かけるようになった。

私が学び始めの頃よく見ていたのは、助産師のシオリーヌさんのYouTube動画だ。楽しくわかりやすく話してくれるシオリーヌさんの動画を見て「自分が10代の頃にこういう大人がいてくれたら、どれだけ助かっていただろうか」と胸が熱くなった。

今回はシオリーヌさんの『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)を紹介したい。

性教育があまりにも足りない日本で生きる子どもたちは“教えてくれないのに、問題が起きれば自己責任”という矛盾を突きつけられています。セックスが何かも教えてもらえないのに、避妊に失敗すれば「自業自得だ」と責められる。そんな社会で、いつも不利益を被っているのは子どもたちです(p.178)

「教えてもらえないのに自己責任にされる」というのは私が子どもの頃も同じだった。当時は「それっておかしいよね」という雰囲気も感じられず、性に関して興味を持ったことが悪いこととか、恥ずかしいことのように感じていた。

そんな空気の中で育ったのもあって、性に対するタブー感は強まったと思うし、「教えないけど自己責任」という矛盾した基準に適応しなければならなかったことで自尊心が削られてもいたと思う。

大人になって振り返ると、そんな風潮は子どもに対して不誠実だと思うし、今は一人の大人として、そんな社会を変えていきたい。

相手の意図より、自分の気持ちを尊重していい

大人になって学べてよかったと感じたことの一つが「プライベートゾーン(※プライベートパーツと呼ぶこともある)」という概念だ。

本書でも「09 あなたの身体は、あなただけのもの」で解説されている。プライベートゾーンとは、水着で隠れる部分+口のことで、身体の中でも特に大事な場所である。なぜならば性的な体験に深く関わるところだから。同意なく触ったり、見たり、見せたりしてはいけない。

プライベートゾーンという言葉を知ったのも20代後半。多くの人にとって、水着で隠れる部分+口について、同意のない行為がNGというのは、大人になる過程でなんとなく学習してきたことだろう。

一方で同意なく触られるなどの嫌な経験について話したとき、「悪気はないから」「それくらい許してあげて」などと言われた経験が私にはあったし、同じ経験をしたことがある人も少なくないと思う。

あなたの身体をどんな風に扱うか、誰になら触られてもいいと決めるのか、それを決める権利はあなたにしかないんだよ(p.49)

プライベートゾーンという言葉と定義を知ったことで「相手がどういうつもりであろうと、嫌だと思う自分の気持ちを尊重していいんだ」と自分の感覚に自信が持てた。性教育を学ぶことで、過去の傷つきが癒される効果があったのだ。

コミュニケーションやジェンダーの話も「性教育」

「確かに子どもの頃は困ったけど、さすがにもう身体の仕組みや生殖のことはわかってる。だから性教育を学ばなくてもいい」と思っている人もいるかもしれない。

でも性教育にはコミュニケーションやジェンダーの話も含まれるため、やはり大人でも学ぶことを勧めたい。

本書においては、セックスは何のためにするのかとか、「性的同意」についても書かれている。「自分らしく生きる」ことにも言及されていて、セクシュアリティや「男らしさ/女らしさ」、ボディイメージ、ルッキズム(外見至上主義)など幅広く取り扱われている。

私自身、性教育を学ぶまで「交際したらセックスはしなきゃいけないもの」と思っていたし、「性的同意」という言葉と意味を知って「『NO』を伝えること」も自分の中にインストールできた。

私も数年前までそうだったので偉そうには言えないが、他者の外見に気軽に言及してしまう大人は現在でも決して少なくはない。それにセクシュアリティに関することも、誤った知識や思い込みを持ったままだと誰かを傷つけてしまうかもしれない。

大人が生きるにあたっても大切なことを教えてくれる一冊なので、ぜひ手に取ってほしい。

『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(シオリーヌ 著/イースト・プレス)
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TEXT=雪代すみれ

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