俳優、タレントとして活躍しながら様々な資格を取り、それを仕事にも生かしている南圭介さん。2023年に習得した世界遺産検定マイスターは、知識だけでなく、自分の考えをしっかりと表現する力が求められるため、難易度が高いそう。そんな彼が世界各国の魅力をご紹介する【南の旅】。今回は、北海道の「知床」をご紹介。
肌で感じた「知床」——‟地の果ては命の糧”——
この度、世界自然遺産「知床」へ!
まだ行ったことのない場所「知床」へ行きたい!と強く思ったのは昨年の弘前ねぷたまつりで斜里町長の山内様とご挨拶させて頂き、世界自然遺産「知床」を身近に感じる事が出来たからです。
心で感じる事も大切ですが、僕の「旅」のモットーは肌で感じる事であり、この一年、足を運ぶタイミングを見計らっていました。そして今回、知床五湖まで行く事が出来るギリギリの季節でしたが、何とか駆け込み五湖することに成功しました!
「知床」はアイヌ語で‟地の果て”を意味する「シリエトク」が語源となっています。そんな未知なる知床は、北からオホーツク海を渡ってくる動物たちを迎え入れるとても重要な場所です。知床半島の先端部分では自然環境のおかげで、外敵から襲われる心配が無いため、多様な動物達の楽園が広がっています。そしてアムール川から流れてくる栄養分が豊富な水が流氷となり、知床に流れつき、そこから始まる食物連鎖が"生命の環”を作ります。
地の果ては命の糧。
野性のヒグマの息吹を感じながら巡る五湖は、少しの緊張感と冒険心が湧き立ちまさに生命の神秘を肌で感じる事が出来る場所です。
ヒグマの生息域にお邪魔しているという気持ちを忘れずに五湖を巡ります。
ここで南圭介の世界遺産検定マイスターQuiz!
Q. 生物多様性の登録基準が認められている、知床に生息する希少生物‟シマフクロウ”について。正しくないものは次のなかのどれでしょう。
A. 世界最大級のフクロウである
B. 日本では北海道のみに生息している
C. 足の指に羽毛がない
D.「シマ」は柄の「縞」を意味している
正解はD
シマフクロウは翼を広げると180cm程の大きさになり、北海道にのみ生息し、絶滅危惧種になっています。主食は魚であることから、水の抵抗がなく魚を捕まえやすいように足の指には羽毛がありません。北海道を「島」と認識していたことから、シマは「島」に由来するそうです。
【知床/南的見どころ1】まさに亀の形をしている亀山
こちらにはチャシコツ岬上遺跡というオホーツク文化の集落跡があり、竪穴式住居跡や、本州との交流の証拠とされる神功開宝という銭貨も発見され、国史跡に指定されています。なかでも竪穴式住居跡は北海道で広く見られ、古代の文化を知る上でとても価値があるものとし、世界遺産への登録を目指していくというお話も聞くことが出来ました。今でも日々、土器が出土されたりと新しい発見があり、とてもロマンに満ちている場所の一つです。これからこちらの遺跡には登りやすくなっていくみたいですので、是非、時代を越えた文化の風を肌で感じて頂けたらと思います。
【知床/南的見どころ2】日本の滝100選のひとつ、オシンコシンの滝
知床八景であり、日本の滝100選にも選ばれているオシンコシンの滝。岩肌に沿って這うように流れる水は、分岐したり、重なり合ったり、とてもアートで美しいです。世界自然遺産「知床」に向かう途中の国道沿いにあるので、是非この滝を見て心癒やされてから知床へ!
今年で国立公園に指定されて60周年、そして来年2025年が世界遺産登録20周年である「知床」にメモリアルなタイミングで行ける事が出来て良かったです。美しい湖、山、川、湿地など全ての自然環境が整っているといわれている知床。 帰り際には野性のエゾジカが見送ってくれました。野生動物の息吹を感じながら観光できるのは「知床」ならではの魅力であると感じました。
斜里町長・山内浩彰さんともたくさんお話し出来る機会を頂けて本当に感謝しています。知床の美しい自然をどのように守っていくか、自然・経済・観光のバランスをどのように保って いくか、町長だからこその覚悟ある決断や考えを聞くことがとても学びに。
自分自身も俳優として、世界遺産検定マイスターとして何か出来る事はないか、日々探究し続け、来年の世界遺産登録20周年に向けて、是非一緒に盛り上がっていけたらと思います。
その場所に行ったからこそ感じるものや、空気、匂い、新しい発見があると思います。その五感で感じる一つ一つの経験が心を豊かにしてくれる気がしています。これからもたくさんの方々が知床の美しい自然を感じて頂けますように。
南の「旅」はまだまだ続きます。引き続き一緒に「旅」をしましょう!
今回訪れた「知床」は――
知床は知床は北海道の東端に位置する半島で、その自然の豊かさと美しさで知られています。多様な生態系と手つかずの自然が保たれていて、多様な動植物が生息。春は花が咲き乱れ、夏は緑が生い茂り、秋は紅葉が美しく、冬は雪景色が広がり訪れるタイミングで、様々な表情を見せて楽しませてくれます。ハイキングやカヌー、ホエールウォッチングなど自然を満喫できるアクティビティも豊富で、飽きることない旅に。
南圭介(みなみけいすけ)
1985年7月3日生まれ。東京都出身。幼少期にパキスタンで育ち、小学校3年~6年まではシンガポールで過ごす。2004年にデビュー後、テレビ、舞台を中心に俳優として活躍。検定習得も多数あり、漢字検定準1級、ウイスキー検定2級などを習得し、2023年には世界遺産マイスターを習得。世界遺産の良さを伝えるだけでなくSDGsの考え方と親和性を伝え、「知る・考える・実行する」ことで発信中。ABCテレビ『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系列全国ネット土曜8時〜9時30分)の海外リポーターとして不定期出演中。
2025年1月28日にはオンラインZoomウェビナー「世界自然遺産観光振興シンポジウム」のトークセッションに参加予定。
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