『TOKYO MER』が帰ってくる! あの感動を、あの胸の高鳴りをもう一度――。劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』が8月1日(金)より全国ロードショー。舞台もメンバーも新たに、迫力のスケールで届ける最新作について鈴木亮平さんにインタビュー。
体に馴染んでいる“喜多見幸太”という役柄

――第2弾となる映画化、おめでとうございます! 大ヒットした劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』('23)の反響も含めて、続編を求める声は届いていましたか?
お客さんがたくさん観に来てくださっているというのは初日から聞いていて、とにかく安心した、ほっとしたというのが正直な気持ちでした。テレビドラマと違って映画は、チケット代を払って足を運んで観に行くという能動的な行動じゃないですか。だから、たくさんの方に観に来ていただけたことがすごくうれしかったです。おかげで、早い段階から次回作のお話をいただいていました。
――今作で喜多見チーフは、試験的に始動した「南海MER」の指導スタッフとして派遣されますが、これまでとは違う立場ですよね。
そうですね。一歩引いた立場でいようというのは意識していたことのひとつです。南海MERには江口洋介さん演じる牧志先生というチーフドクター候補がいるので、自分が去った後も最強で最高のチームとして独り立ちしていけるように見守る立場でした。そのために、口を出しすぎずチームの力を信じるのは喜多見らしいなと。観に来てくださるお客さんと喜多見が一緒に、チームの成長や活躍を目撃していくという意味では今までと違うアプローチでした。
――現場を捌いてくれる喜多見チーフの心強さとともにチームを見守る強さも感じました。前作から撮影期間が空いたと思いますが、役を思い出すような作業はありましたか?
喜多見という役は脚本家の黒岩(勉)さんがあて書きしてくださっているので、あまりなかったです。でも、オペの手技は思い出さないといけないなと思い、家のクローゼットからオペセットを取り出してきて、縫う練習はしました。思ったより体が覚えていて、「ふふ〜ん」って言いながら縫っていましたね(笑)。
――鈴木さんといえば「シティハンター」の大ファンで、銃のレプリカもご自宅にあるそうですが…(笑)。
そうですね。モデルガンはたくさん持っていたのですが、いくつかアクション部のみなさんに贈呈したので、今手元にあるのは4丁くらいです。MERのオペセットも同じ場所に置いてあるので、もしまた使う機会があれば、そこから取り出します(笑)。
――そして、喜多見チーフの体も健在です!
一瞬しか映らないですけどね(笑)。監督が好きなんですよ! 体は半年くらいかけて作りました。
「このメンバーでなければ完成しなかった」

――見どころのひとつとして、『TOKYO MER』チームに新メンバーが加わりました。座長としてどのようにご覧になっていましたか?
MERの撮影はかなり特殊なんです。普通のドラマとは全く違い、救命医療の現場なので同時にいろんなことが起こっていないといけないですし、一人ひとりが何をしているかがすごく重要で。どうやって機材を使うか、どの方向にストレッチャーを出すか、傷病者にどういう声掛けをしているか、映っていなくても同時にやっているので、大変だと思うんです。
それでも新しく入ったみなさんは、MERの世界に短い時間で合わせられるように真剣に努力してくれて。その前向きな取り組みのおかげで、恐ろしい速度でMERのメンバーになってくれました。このメンバーでなかったらこうはいかなかったと思うくらい、本当に素晴らしかったです。
――常盤拓役の高杉真宙さんが「医療監修の先生に聞く前に鈴木さんや他のスタッフさんが質問に返答してくださる」とコメントされていますが、それほどまでにプロフェッショナルな現場であることが伝わってきました。
この現場にいきなり入ったらこういうところに戸惑うだろうなというところは、都度声をかけていたかもしれません。その場にいる全員が同時に何かをやっている状況なので、台本に全部は書かれていないんですよ。みんながやるべきことを見つけられるように「ここ空いてるよ」とか「こういうこともできるけど、どうしますか?」という選択肢を提案したかもしれないです。
――今作で初共演となる方もいらっしゃいますが、新キャストの方々とはどういうふうに関係性を築きましたか?
作品に限らず、共演する方とは普段からコミュニケーションをとるようにしています。親近感をお互い持っていたほうが、自分も向こうも演技がやりやすいと思うタイプなので、よっぽどいがみ合っている役柄でなければ、積極的にとっています。カメラの外で話していないといざ向き合ったときに、自分も裸でお芝居ができない感覚があるんです。僕も遠慮したくないですし、向こうにもしてほしくない。初日からなるべく皆さんのことを知れるように『どこ出身なの?』『兄弟はいるの?』『名前の由来は?』って、なんでもいいんですけど(笑)、話すことは少し意識しました。
現実とリンクする、踏み出す勇気

――今回の舞台は、沖縄と鹿児島にまたがる大海原と火山島。大規模な噴火が発生し、絶体絶命のピンチにチームが陥ります。かつてない規模の災害に息を呑むシーンの数々ですが、特に苦労したことはなんでしたか?
火山灰を降らせながらやっていたので、僕たちも視界が悪いなかでのお芝居になりますし、患者さん役の人たちも灰まみれでした。また、島から脱出する過程で、砂浜のボートに向かって傷病者を担いで走るシーンがあるんですが、そこは体力的にはいちばん大変でしたね。固い道路の上(を走ること)は何回もあったんですけど、砂浜になると足が取られるので体力を削られる感じはありました。
――医療従事者への敬意とエールを込めた作品ですが、今作ではそこに+αされた想いを感じました。大事にしていたテーマなどがあったのでしょうか。
今回は「医療従事者だけがヒーローではなく、誰もがヒーローになれるんだ」というメッセージが込められています。この映画では、自然の美しさと同時に脅威も映し出されています。島に取り残された方々がそれぞれ助け合う描写があるんですが、みんなで一丸となって、誰かを助けるために踏み出す勇気を描いているので、そこにも何かを感じていただけるといいなと思います。
まだまだ続くインタビューの後編は近日公開!
劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』

出演/鈴木亮平 賀来賢人 高杉真宙 生見愛瑠 宮澤エマ / 菜々緒
中条あやみ 小手伸也 佐野勇斗 ジェシー(SixTONES) フォンチー
江口洋介 / 玉山鉄二 橋本さとし 渡辺真起子 鶴見辰吾 石田ゆり子
監督:松木彩(『半沢直樹』『テセウスの船』ほか)
脚本:黒岩勉(ドラマ『グランメゾン東京』『マイファミリー』、 映画『キングダム』シリーズ、『ONE PIECE FILM RED』)
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※2025年8月1日(金)全国東宝系にてロードショー!
鈴木亮平(すずきりょうへい)
1983年3月29日生まれ、兵庫県出身。2006年に俳優デビュー以降、話題のTVドラマや映画に出演。主な出演作にNHK連続テレビ小説「花子とアン」(14)、NHK大河ドラマ「西郷どん」(18)、「TOKYO MER 〜走る緊急救命室〜」(21)、映画『俺物語!!』(15)、『忍びの国』(17)、『孤狼の血 LEVEL2』(21)、『シティーハンター』(24)などがある。
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