ディーン・フジオカさんが主演を務めるサイエンスミステリー「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜」が、最新章SP&Season3になって、2年ぶりに帰ってきた! Season1の放送から月日は過ぎ、サイエンスも絶えず進化を続けている今また、シリーズ最凶の難事件が彼らに襲いかかる。本作の見どころをたっぷりインタビュー。
あの“警察庁 科学犯罪対策室チーム”が2年ぶりに帰ってくる!
「待ってました!…というかちょっと遅かったんじゃない?(笑)」
開口一番、冗談めかして笑うディーンさん。ドキドキするほどの大人の余裕と色気が漂っている。2022年にスタートした「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜」はSeason1が日本テレビ系で放送、放送終了直後からHuluでSeason2を独占配信し一気に話題に上がった人気作。この夏、約2年ぶりに始動し、6月16日(日)に日本テレビ系で夜10時30分から最新章SPを放送、そして同日の放送終了後にSeason3がHuluにて独占配信される。
「Season2の撮影が終わったときに『また来週!』って感じでみんなあっさり帰っていったんですよ。そのままSeason3に入るんじゃないかってぐらいのテンションで。ずっと楽しみにしていたから、やっときたか!という気持ちです(笑)」
最新科学にまつわる事件を解決するという特殊な任務を持つ、警察庁 科学犯罪対策室の活躍を描く本作。これまでも派手に華麗に、時に哀しみも乗り越えて事件を解決してきた科学犯罪対策室だが、今回も科学の裏に孕む難題に直面。最新章SPでは、インフラに潜入した「対話型AGI(汎用人工知能)」がシステム障害や大停電を発生させ、日本中をパニックに陥れる。Season3では、「VRを利用したマインドコントロール」「人間や動物を操る真菌類」をキーワードに衝撃の展開が繰り広げられる。
「今回も羽住監督を筆頭にフルスイングです。最先端の科学技術を使った犯罪の事件を解決していく描写って説得力が必要なんですよね。だから手加減ナシで世界観を作り上げていて。また、Season2をHuluで配信したことで、配信だからできる描写に味を占めた感もあります(笑)。僕自身に関して言うと、Season1、2でやったことに捉われすぎないようにしたいなと思っていて。キャラクターも作品のなかで生き続けているので髪型も顔つきも変わるし、キャラクター自身の成長もありますし。前のシーズンより進歩しているような気持ちで柔軟性を持って向き合うことができました」
科学犯罪対策室チームといえば、警察官僚・⼩⽐類巻祐⼀(ディーン・フジオカ)、天才科学者・最上友紀⼦(岸井ゆきの)、ベテラン刑事・⻑⾕部勉(ユースケ・サンタマリア)の元祖凸凹トリオ。Season2からは新⼈捜査官・奥⽥玲⾳(吉本実憂)も加わり、厚労省で働く三枝益⽣(佐藤隆太)の協力のもと、捜査が行われるが、今回も新キャストが! 駿河太郎さんが国際テロリズム対策課 課⻑の橘るい役、GINGERでおなじみ田中みな実さんが菌学研究者の御⾨凛⼦役で新たに加わった。
「トリオはずっとわちゃわちゃしてますよ(笑)。この3人に関しては、運命が定まっていた!って感じ。3人集まると会話が途切れないですし、すごく良いバランスです。皆さんプロだから撮影のリズムを理解していて、今はふざけてもいいところ、きっちりやるところってメリハリをつけていて…たまにユースケさんは勢いが止まらなくなっちゃうときもありますけど(笑)。ファミリー感のある現場だったなと思います。
また、新メンバーである駿河太郎さん、僕は太郎ちゃんと呼んでいるんですが。太郎ちゃんとはストーリーを含めて2人で向き合っている時間が多かったんですね。今撮影を振り返ると、彼と出会えたのは1つの大きな財産になったと思っています。そしてみな実ちゃん。今回の学者役が本当にピッタリだなと思うぐらい、美容やウェルネスにすごく詳しくて、何を聞いても返ってくるんですね。すごく研究されているんだなと思いましたし、頭の回転が早くて話していて楽しい方です。現場ではいろんな経験や情報のやり取りがあって、すごく充実した日々だったな」
ディーン・フジオカ「小比類巻を演じていて飽きない」
ディーンさんが演じる小比類巻は、科学の光を信じ、科学は⼈類を幸せにしてくれると信じるロマンチスト。エリート警視正でありながら、実は亡き愛妻を冷凍保存しているという側面も持つ人物だ。
「小比類巻の最大の魅力は、科学が進歩するほど人生はより豊かになり、希望が生まれると信じているところです。そこが強みであり弱みであり、矛盾でもある。人を愛する気持ちから妻を冷凍保存しているという、周りから見たら狂気ともいえる部分は、彼の持つ強さと弱さが表裏一体になっているんです。小比類巻は警察官という立場上、常に科学犯罪から善悪を突き付けられているんです。自分だったらどうするか、観てくださる方にも問いかけられる、それがこの作品の魅力ですよね。僕は小比類巻を演じていて学びがあるし、飽きない。彼がどんな選択をするのか、いちファンとして毎回すごく楽しみなところです」
「科学と倫理」、簡単には善悪が割り切れないテーマについてディーンさん自身はどう考えているのか。元々、テクノロジーの進化に興味を持っていたというディーンさんは、この作品を経て、その捉え方が変わったと教えてくれた。
「この作品を撮っていて印象的だったのが、物語のなかで扱った事件が、何ヵ月かした後に実際のテレビニュースで見たことが何度かあって。自分が演じてきたキャラクターや作品に現実がリンクしたというのでしょうか。撮影時は『こんな事件が実際に起こったらどうなるんだろう』とスタッフ・キャスト間で話していたことが実際に起こって、ハッとさせられました。現実だとこう対応するんだ、こう処理するんだと、より注目するようになりましたし、何か学べることはないかという視点で見るようになりました」
世界を“知りたい”欲が癒やしの源!?
以前、GINGERの取材でご褒美はサウナに行くことだと話していたディーンさん。数年経った今、より多忙を極める彼の“自分の癒やし方”とは――。
「映像作品を観ること! いろんな国の作品を意図的に観るようになりました。それは、自分でプロデュースするようになったことで新しい出会いが増えたり世界の見え方が変わったりしたからなんです。自分の知らないことや経験していないことに触れることで凝りが取れるというか(笑)。人間、効率だけを重視すると折り目がどんどん深くついちゃうじゃないですか。だからシワを伸ばすような感覚で、あえて映像作品を通して未体験ゾーンに触れ合うことで、リラックスにつながっているのかな」
最後に、パンドラの果実=禁断の果実にちなんで、ディーンさんを誘惑するものを聞いてみると愛らしくおちゃめな回答が返ってきた。
「寝る前のアイスクリームですね。最近の買い物アプリがすごく便利で何十種類も選べちゃうから、冷凍庫のなかにアイスは常に入ってる(笑)。(苦悩の表情で)このひと口をいくべきかどうか、誘惑と戦っています」
いつも柔らかい空気をまとい、時にはユーモアを交えながら真摯に答えてくれるディーンさん。彼にとって「パンドラの果実」シリーズは、演じるたび新鮮で、新しい視点を授けてくれる作品。主演がどうしようもなくワクワクしているドラマ――それはもちろん、視聴者だってワクワクできるに決まっている!
Huluオリジナル「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜」最新章SP&Season3
原作/中村啓「SCIS 科学犯罪捜査班 天才科学者・最上友紀⼦の挑戦」(光⽂社⽂庫)
出演/ディーン・フジオカ 岸井ゆきの 佐藤隆太 吉本実憂 ユースケ・サンタマリア
ntv.co.jp/pandora/
ディーン・フジオカ
1980年8月19日、福島県生まれ。2004年に香港でモデルの活動をスタート。映画『八月の物語』(’05年)の主演に抜擢され、俳優デビュー。現在は東京を拠点にし、ミュージシャン、俳優、クリエーターとしてアジアの縦軸で活動中。
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