フリーアナウンサーの青木源太さんによる美容×コミュニケーションにまつわる連載。21回目の今回は、睡眠の質のお話。
vol.21 睡眠は量より質
夜の22時から深夜2時くらいまでを、美容に重要な成長ホルモンが分泌される時間として「睡眠のゴールデンタイム」と言うことがあります。
以前、社会学者の古市憲寿さんとインスタライブをやっていて深夜まで及んだことがありました。1時を過ぎ寝たくなった僕は「睡眠のゴールデンタイムだし、そろそろ終わりにしましょうか」と言いました。すると「いやいや、寝る時間によってゴールデンタイムは変わるから関係ないですよ」と即座に言われてしまいました。
これはその通りで、たとえ深夜2時に寝たとしても、最初のノンレム睡眠で深く眠れれば成長ホルモンは分泌されます。逆に早く寝たとしても、その眠りが浅ければ成長ホルモンの分泌は少なくなってしまいます。つまり「何時に寝るか」ではなく、「最初のノンレム睡眠でどれだけ深く眠れるか」が重要なのです。
質の良い睡眠をとるためのポイントはいくつかあります。
・朝の日光浴
朝通勤や散歩をしたり庭に出たりして、日光を15〜30分ほど浴びると、体内時計のリセット効果や、セロトニンやメラトニンといったホルモンにも良い影響があります。日当たりが良い家に住んでいる場合、カーテンを開けて光を取り込めれば部屋の中でも大丈夫です。
日光を浴びると聞くと、紫外線の影響を考えると美容のためにはなるべくしたくないものですが、体にとっては大切なこと。例えばビタミンDは、紫外線を浴びることで体内で生成され、カルシウムの吸収を良くするので、骨や歯が強くなります。
・アルコール
寝る前に必ずお酒を飲む人もいると思います。体内のアルコールは寝ている間にゆっくりと体から抜けていきますが、その反面眠りが浅くなります。寝る前はスマホを見ない、TVを消す、部屋を暗くする、リラックスできる音楽を流すなど、アルコールに頼らずに寝つきを良くする方法を探ってみてください。
・食事
寝る時間の3時間前までに終わらせておきましょう。直前に食事をすると、胃腸が消化のために活発になるので、眠りが浅くなります。逆に空腹すぎて眠れないというような場合は、豆腐やヨーグルトなど、なるべく消化に良いものを食べてから寝ましょう。
・睡眠日記
これは武井壮さんからオススメされました。寝る前に、気温、湿度、パジャマの生地、気分などをメモしておいて、起床後にもその日の睡眠の質を記しておく。これを1ヵ月くらい続けると自分の傾向が見えてきます。大切なのは自分に合ったルーティンやライフスタイルを見つけることです。
睡眠が美容のためのみならず、体の健康やメンタルヘルスのためにも大変重要であることは論を俟ちません。単純計算してみると、人間は人生の約3分の1は寝ています。つまり、睡眠を充実させることは人生を充実させることでもあります。
皆さんが日々良質な睡眠をとれることを祈っています!