フリーアナウンサーの青木源太さんによる美容×コミュニケーションにまつわる連載。20回目の今回は、お肌にまつわる睡眠の話。
vol.20 眠れていますか? お肌のために
最近男性でも美容に気をつかう人が増えてきました。僕は“サラリーマン美容”を提唱していて「保湿とUVケアをしっかりとやることが9割ですよ」という話をいつもしていますが、それと同じくらい大事にしているのが睡眠です。美容に目覚めて、美容グッズを買い揃えたり、美容クリニックやエステに通う前にまず見直してみてほしい部分、それが日々の生活における睡眠の質です。
まずは日焼けのメカニズムから説明します。紫外線を浴びて肌が赤くなってしまった経験、誰もがあると思います。ひとたびそのような炎症が肌に起こると、内部では今後の紫外線ダメージに備えて、メラニンという色素が生成されます。このメラニンが肌に沈着することで、黒く日焼けした肌色になるのです。僕も少年時代は夏休み明けになると真っ黒に日焼けしていました。
しかしこの黒い日焼けは一時的なもの。前回のコラムで、肌が下から上にどんどん生まれ変わるターンオーバーというサイクルについてお話しましたが、このターンオーバーが普通に行われればメラニンも徐々に表面に押し出され、やがて自然にはがれ落ちます。なるほど、確かに僕も季節が過ぎればまた元の肌の色に戻っていました。
つまりターンオーバーが重要なのです。ではこれと睡眠となぜ関係があるのかというと、人間は寝ているときに成長ホルモンが分泌されるのですが、睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌が不足しターンオーバーが遅れてしまうのです。正常なターンオーバーが行われずにメラニン色素が肌に残ってしまうと、シミやくすみの原因となります。それに加えて成長ホルモンが分泌されないと、コラーゲンなどの肌のハリを生む成分の合成量も減少するため、肌から水分が失われ、瑞々しさがなくなってしまいます。
そして、睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があり、約90分ごとに繰り返しています。ざっくり分けると深い眠りがノンレム睡眠、浅い眠りがレム睡眠で、鮮明な夢を見ているのは大抵レム睡眠のときです。
成長ホルモンが分泌されるのは、入眠後最初のノンレム睡眠、眠りについてから1〜2時間後と言われています。つまりこの時間帯に深く眠れているかどうかがカギなのです。逆に言えば、眠り始めの時間帯に深く眠れていないと、せっかく寝ていても成長ホルモンの分泌量が減る可能性があります。
成長ホルモンと聞くと、成長期の子供に関係するのかと思いがちですが、大人にとっても大切なものなのです。
次回はさらに深掘りして、この最初のレム睡眠でいかに深く眠れるか、僕が日々行っているナイトルーティーンをご紹介します。