フリーアナウンサーの青木源太さんによる美容×コミュニケーションにまつわる連載。19回目の今回は、前回に引き続き洗顔の話。
vol.19 脂ギッシュな僕2
前回に引き続き洗顔のお話。二つ目の大事なキーワードは摩擦です。肌の構造は何層かに分かれていて、表面から表皮(ひょうひ)・真皮(しんぴ)・皮下組織(ひかそしき)の3層で構成されています。
最表面の層である表皮は、さらに4層に分かれています。外側から「角層(かくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」です。この一番表面の部分にあたる角層の厚さは、0.02mmしかありません。数字を聞くだけでは想像するのも難しいですが、だいたい市販のラップと同じくらいの薄さだと思ってください。
皮膚が美しく保たれる仕組みは、まず一番内側の基底層で生成された細胞が分裂して新しい細胞を作り、少しずつ形を変えながら肌の外側の層に向かって押し上げられていきます。そして角層まで到達した細胞がやがて垢となって剥がれ落ちます。下から上にどんどん生まれ変わるこのサイクルをターンオーバーといいます。ターンオーバーの周期は、20代の健康な人であれば約28日。歳を重ねるとかかる日数も増えてきて、30~40代だと約45日ほどの日数が必要になります。いずれにせよ不要な角質というものは自然に剥がれ落ちていきます。でも、0.02mmの薄さだと擦れば簡単に剥がれてしまうのもわかると思います。
だから、手でゴシゴシと顔を擦ってはいけないのです。泡を作って「手と顔の間に泡を挟んで揺らす」ような感覚が理想です。かつての僕はスクラブ成分入りの洗顔料を使い、泡立てもそこそこにゴシゴシと力を入れて洗ってしまっていました…。
その際、泡はきめ細かければ細かいほど良くて、毛穴よりも小さい泡であれば、毛穴の中まで入り込み、擦らなくてもしっかりと汚れを落としてくれます。
また泡立てるのにはコツがあって、細かく指を動かしながらうまく空気を含ませなければいけません。もちろん100円ショップなどで売られている泡立てネットを使うことも手ですし、そもそも泡で出てくる洗顔料も数多く販売されています。
洗顔料の泡立てと聞いて僕がすぐに思い出すのは南原清隆さんです。日テレ時代、よく「ヒルナンデス!」終わりのメイク室で洗顔されている様子を隣で見ていましたが、あそこまで綺麗に泡を作れる人を僕は知りません。多分芸能界で一番泡立てがうまいのではないかと思います。南原さんが作るきめ細かでふっくらとした優しい泡…。南原さんは誰に対してもとても優しい方として知られていますが、それが泡立てにも表れているのではないかと思っています。