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MYSELFウェルネス

2025.03.23

もっと生きやすい毎日へ。「感情知能(EQ)」を知って心の知性を育てる!

“わたしの心地よさ”を基準に行動することが、ウェルビーイングに生きるカギになる。そのために、もっと自分自身を知る=自分のトリセツを手に入れませんか? 保健学博士の島田恭子さんがナビゲート。【連載「自分学 わたしのトリセツ」vol.26】

IQだけじゃない!人生を豊かにする秘密兵器

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最近「EQ」って言葉、耳にしませんか? EQとは”感情を理解し、自分と他人の気持ちを大切にしながら行動する力”。ハーバード大学のゴールマン博士によると「人生の成功要因の80%は、EQで決まる」と言っているくらい。

例えば、恋人やお友達とケンカしたとき。すぐ怒るのではなく「なぜこんなにイライラするのか」を冷静に分析できる力こそ、EQの真髄です。

自分のかけがえのない人生を充実させるために、大切なスキルはいくつもありますが、そのなかでも感情知能 (EQ)は、自分の気持ちを理解し、他人との関係を正しく構築するうえで、なくてはならない力だと思います。今回はそんなEQの高いステキ女子になるためのヒントを、一緒に探っていきましょう。

EQ5つの要素とは

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Goleman博士によるとEQは5つの要素で成り立っています。

  • 自己認識(Self-Awareness) … 自分の感情を正しく認識できる
  • 自己制御(Self-Regulation) … 感情に流されず、冷静に対応できる
  • 動機づけ(Motivation) … ポジティブな姿勢で目標に向かって努力できる
  • 共感(Empathy) … 他人の気持ちを理解し、思いやりを持てる
  • 社会的スキル(Social Skills) … 他人と円滑な関係を築くことができる

つまり「自分の感情を意識し、他人の感情も理解でき、互いによい人間関係を構築しながら前向きに進んでいくための能力」が感情知能(EQ:Emotional Intelligence Quotient)ということですね。アメリカの心理学者SaloveyとMayerによって提唱され、その後Golemanによって広められました。

ここで注目したいのはやはり「感情」です。「感情知能」というだけあって、中心となるのは、自分や相手の「感情」を正しく認識し、「感情」に流されず、自分やまわりの「感情」を大切に扱う力。それができるとおのずと、思いやりも持てるし、まわりと良い関係を築いていけそうですよね。…とはいえ、そんないうほど簡単にいかないのが、感情というもの。

そこで今回は2つの、感情に関するモデルをご紹介。どんなふうに自分や相手の気持ちを見える化し、対処していくか、見ていきたいと思います。

モデルその1:感情の円環モデル

気持ちををうまく理解し扱うためには、「感情の円環モデル」を活用するのがおすすめす。このモデルでは感情を2つの軸:「覚醒レベル」と「快・不快」で分け、いろいろな気持ちの位置関係を示します。

自分学
〈図1〉Russel & Barrett, 1999を著者改変

例えば、「怒り」は高い覚醒レベルと不快感ですね。一方「落ち着き」は、低い覚醒レベルと快適な感情の組み合わせでしょう。このように、自分の今の気持ちがこの図でどこの位置にあるのか、あたりをつけ、見える化します。そうすることでより正確に、自分や相手の気持ちを認識し、より良い反応や対応ができるようになるんです。

モデルその2:感情の機敏性(Agility)を高める

心理学者 スーザン・デイビッド博士は、「感情を正しく理解する3つの方法」と題して「感情の機敏性」を高めるために、以下の3つのステップを紹介しています。

  • 感情に名前をつける
    私たちの気持ちにはたくさんの種類があります。怒り、悲しみ、不安、傷ついた、恥ずかしい、うれしい…。たとえば「なんとなく不安」ではなく、「焦り」「緊張」「恐れ」など、具体的な言葉で表現することで、感情の理解が深まります。

    例:仕事で失敗したとき、「私はただ”悲しい”のではなく、自分の能力に対する自信を失っている」と気づくことで、具体的な対策を考えやすくなります。

  • 感情の背後にある原因を探る
    怒りや悲しみなど、私たちが感じる気持ちの裏にはもう一つの感情が潜んでいることがあります。それを見つけるためには、「なぜその感情が生まれたのか」を考えるクセをつけるのがおすすめです。たとえば、私たちが怒りを感じたときは、必ず大事な何かが傷つけられたサイン。

    例:友人に冷たくされて怒りを感じたとき、その怒りの奥には「大切な人に軽視された」と感じ自分のプライドが傷ついたんだってことに気づく、ということです。
  • 感情を受け入れ、行動につなげる
    感情を我慢して抑え込むのではなく、「どうすればよりよい対応ができるか」を考える。

    例:「不安だけどガマンする」のではなく、「不安だからこそ、どうすれば不安が減らせるか、たとえば準備を万全にしておく?」とポジティブな行動に変換する。といった感じです。
〈図2〉David, S., 2022を著者改変

私の仲の良い友人は、リビングの壁にこれらの図を貼っているそう。ご自分やお子さんが、何かモヤモヤしたときやうれしいときなど、折に触れてその気持ちをを一緒に探しているそうです。とってもステキな習慣ですよね。

EQを高める習慣5選

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上の2つのモデルを使うと、自分や相手の気持ちを可視化することができます。まずはそれだけでも、心の知性を上げる強力な武器になりますが、もう少し余力のある方はこんな方法もおすすめです。

  • 感情日記をつける
    寝る前5分。その日の感情を天気記号などで表現します。「今日は憂鬱な雨の日→なぜ? 実は上司のこんな言葉が気になって…」

  • 感情を文字にして表現する
    手紙やメールで素直な気持ちを表現する練習をしてもいいですね。

  • 他人の話をじっくり聴く
    相手の言葉の裏にある感情を感じ取る努力をする。じっくり聴いた後の魔法のフレーズはこんな感じ。
    ——「そっか、そう感じたんだね」→承認
    ——「わかる、私も同じ経験ある」→共感
    —―「どうしたら、ハッピーになりそう?」→解決指向

  • ポジティブな言葉を使う
    自分や他人を勇気づける言葉を意識的に選ぶ。以前にご紹介したリフレーミング、ぜひご参照ください。

  • マインドフルネスを実践する
    瞑想や深呼吸を取り入れ、感情の流れを整える。


感情知能を高めて、自分を好きになる。——EQは生まれつきの能力ではなく、自分で育てていくことができる力。感情を知り、感情を味方につけることができるようになると、いろんなところで効果を発揮します。ぜひ、ご紹介した方法のなかから1つ選んで、今日から実践してみませんか?

参考文献
・Goleman, D. (1995). Emotional Intelligence: Why It Can Matter More Than IQ. Bantam Books.
・Mayer, J. D., & Salovey, P. (1997). What is Emotional Intelligence?. In P. Salovey & D. Sluyter (Eds.), Emotional Development and Emotional Intelligence: Educational Implications.
・David, S. (2022). Emotional Agility: Get Unstuck, Embrace Change, and Thrive in Work and Life. Avery.

島田恭子(しまだきょうこ)
予防医学者・保健学博士。医学や心理学の知見を、女性のウェルビーイングに役立てたいと活動中。(社)ココロバランス研究所代表。
https://customer-harassment.org/kyokoshimada/

TEXT=島田恭子

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