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MYSELFウェルネス

2025.01.23

週末は好きなだけ寝ていたい…は危険?その疲れの原因は“寝だめ”かも

“わたしの心地よさ”を基準に行動することが、ウェルビーイングに生きるカギになる。そのために、もっと自分自身を知る=自分のトリセツを手に入れませんか? 保健学博士の島田恭子さんがナビゲート。【連載「自分学 わたしのトリセツ」vol.24】

寝だめにご用心!“社会的時差ボケ”がもたらす意外な副作用

自分学

年末年始、いかがお過ごしでしたでしょうか。楽しいイベントやのんびり過ごすひとときが盛りだくさん。いつものあわただしい、睡眠不足の日々から離れて、ついつい夜更かしや朝寝坊した方も多いのでは?

でもちょっと待って! その“寝だめ”、実はあんまりよくない習慣かもしれません。今回は、“社会的時差ボケ”という、ちょっと気になる現象について、一緒に考えてみることにしましょう。

社会的時差ボケ(Social Jetlag)って?

「社会的時差ボケ」、聞きなれない言葉かもしれませんね。英語では"Social Jetlag"と呼ばれ、平日と休日で生活リズムが大きくズレることで、わたしたちの体内時計が混乱してしまう現象を指します。

自分学

たとえば、平日はだいたい夜12時に寝て朝7時に起きる生活をしている人が、休日になると深夜2時に寝て朝10時に起きる…なんてこと、ありますよね。いつもは仕事や学校など社会的制約があって決まった時間に起きなきゃならないから、それ以外はかなり遅い時間まで寝ている…、そんな場合。いわゆる「寝だめ」ですね。この差が社会的時差ボケ、といわれるものです。

自分学
平日(薄い紫:寝ている時間、濃い紫:起きている時間。ブルーの縦の点線が睡眠時間の中央値)、休日(薄いブルー:寝ている時間、ピンク:起きている時間、オレンジの縦の点線が睡眠時間の中央値)。 ※イメージをつかんでいただくため著者が架空の情報で作成したものです(正確なデータではありません)。

上の図を見てみましょう。平日の睡眠時間の中央値(青の縦点線)と、休日の睡眠時間の中央値(オレンジの縦点線)の”差”が社会的時差ボケを引き起こします。これまでの研究から、この差が大きいと、睡眠不足や疲労感、体調不良につながることがわかってきました。「あれ、休日たっぷり寝たのに、かえって寝不足で疲れている、おかしいな」と思ったこと、ありませんか? 日本にいながらまるで、時差のある海外に行ったときのような、疲れや不調を感じるわけです。

寝だめで元気になる…はずが?意外な副作用

自分学

私もこのことを知るまでは、「週末にたっぷり寝れば、その分、平日の睡眠不足をチャラにできる!」と思っていました。でも残念、違ったんですね…。寝だめで日ごろの睡眠不足は解消されない、という衝撃の事実です。

寝だめによって、体内時計が乱れると、平日に戻るときに再びリズムを整えなければなりません。月曜の朝に感じるだるさや眠気の正体は、寝だめも一因のようです。社会的時差ボケが続き、長期にわたってリズムが乱れると、気持ちが落ち込み、不安を感じやすくなったり、生活習慣病のリスクも高まることがわかっています。睡眠不足がホルモンバランスや自律神経にも影響を与えるからなんですね。美の大敵、大変です!!

社会的時差ボケを防ぐために心がけたい3つのコツ

自分学

これまで私も含め、”良いこと”だと思っていた方も多そうな”寝だめ”。残念ながら、できるだけお休みのときの寝だめは控え、社会的時差ボケを減らすべく規則正しい生活習慣を取り入れたほうがよさそうですよね。…とはいえなかなか十分な睡眠時間を確保できない忙しい日本人が多いのもまた事実。せめてどんなことに気をつけて生活するのがよさそうか。心がけたい3つのポイントをご紹介します。

  • 休日の夜更かし、なるべくがまん!
    休日早起きすべきとわかっていても、それはなかなか難しいもの。ならばせめて、夜更かしをなるべくガマンしてみましょう。それで少し社会的ズレが減ります。貴重な夜の時間。ついついお休みの日は遅くまで起きていたいもの。でも社会的時差ボケの正体を知った今、お休みだからといって夜更かしするのではなく、できるだけいつもの時間にベッドに入りましょうね! 平日とのズレを1〜2時間以内にするだけで、体が楽になっていきます。
  • 朝はおひさまを浴びる
    起きたらまずカーテンを開ける習慣を。自然光はわたしたちの体内時計にとって、とても大切な要素です。朝起きて光を浴びることが、その日の夜の入眠の質を上げてくれます。テレワークの方は特に意識的に、日の光を浴びてくださいね。もし可能な方は、5分でも10分でも外を歩くと、さらにリズムが整いやすくなるのでおすすめです。
  • お昼寝は短めに
    先進国のなかで一番睡眠時間の短い日本人(涙)。常に睡眠不足、という方も多いはず。そんな方々にお昼寝はとても効果的であることがわかっています。ただし、15〜20分程度の短いものであることが条件です。本格的に長く寝てしまうと、まさに体内時計が狂ってしまい、寝だめと同じ現象が起こってしまいます。効果的なお昼寝は短めに。ベッドに本格的に横になるのではなく、机やソファに軽くもたれる、くらいがよさそうです。

日々忙しく、時間に追われる私たち。いつも睡眠不足だからと、休日に寝だめをしていたのがかえって逆効果だったなんて!! 結局は、平日も休日もつとめて規則正しく、なるべく十分な睡眠時間を確保することが、いきいきライフのためには大事そうですね。仕事の繁忙期は仕方ないですが、ついつい眠る前に、だらだらスマホの動画を見たり…なんてこともあったりして(自戒を込めて)。規則正しい睡眠時間確保に向けて、日ごろの生活習慣を見直す年にしたいですね。

参考文献
・Wittmann, M., Dinich, J., Merrow, M., & Roenneberg, T. (2006). Social jetlag: misalignment of biological and social time. Chronobiology international, 23(1-2), 497-509.
・Rutters, F., Lemmens, S. G., Adam, T. C., Bremmer, M. A., Elders, P. J., Nijpels, G., & Dekker, J. M. (2014). Is social jetlag associated with an adverse endocrine, behavioral, and cardiovascular risk profile?. Journal of biological rhythms, 29(5), 377-383.
・Roenneberg, T., Wirz-Justice, A., & Merrow, M. (2003). Life between clocks: daily temporal patterns of human chronotypes. Journal of biological rhythms, 18(1), 80-90.

島田恭子(しまだきょうこ)
予防医学者・保健学博士。医学や心理学の知見を、女性のウェルビーイングに役立てたいと活動中。(社)ココロバランス研究所代表。
https://customer-harassment.org/kyokoshimada/

TEXT=島田恭子

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