漢方には基礎となる考え方がいくつもあり、身体全体を総合的にとらえて体質や状態を判断していきます。今回は、前回解説した「五臓六腑」と不調の関係についてお伝えします。今身体がどのような状態にあるのかを判断する大きなヒントになるので、ぜひセルフチェックしてみてくださいね。(漢方専門家/わたし漢方 さっち先生)
不調=「五臓六腑」のバランスが崩れているかも?
陰陽五行説では相互のバランスが大切にされていますが、それは私たちの身体も同じです。「五臓六腑」それぞれの働きが均衡を保って成り立った状態が健康ですが、どれかに偏ったり、崩れてしまうとさまざまな不調が出てしまいます。
私たちの身体はとても敏感なので、生活環境や季節の変化、生活習慣の乱れなど、自分でも気づかないうちに不調になる可能性があります。当てはまる症状はないか、どう対処すればいいのか、ひとつずつ見ていきましょう。
「肝」が弱っているとき
こんな症状ありませんか?
・イライラ、怒りっぽい
・のぼせ、ほてり
・頭痛、頭がぼんやりする
・目の疲れ、充血
・倦怠感
・月経不順
どうすればいい?
睡眠のリズムが乱れていると、肝が弱りやすくなります。できる限り同じ時間に就寝・起床することを心がけ、夜ふかしや朝寝坊はほどほどに。目との関係も深いので、パソコンやスマホなどを多く使用する方は適度に目を休める時間を設け、寝る直前にはなるべくブルーライトを浴びないようにしましょう。
「心」が弱っているとき
こんな症状ありませんか?
・動悸、息苦しさ
・憂鬱、不安感、焦燥感
・不眠
・発熱
・舌の炎症
・血圧の異常
どうすればいい?
頑張りすぎてしまう人やストレスが溜まりやすい人は適度な運動、入浴、アロマテラピーなど自分に合ったリラックスの時間を持つようにしましょう。辛味のある食材は弱った体への刺激になるのでなるべく避け、香りの良い香味野菜やハーブなどの食材を取り入れてみてください。
「脾」が弱っているとき
こんな症状ありませんか?
・食欲不振、消化不良、胃弱
・吐き気、嘔吐
・下痢、軟便
・腹部の膨張感
・身体のだるさ
・不正出血
どうすればいい?
消化器官の健康は栄養を食べ物から受け取る私たちにとってとても重要です。食事のリズムが不規則な方、暴飲暴食をしがちな方、食生活の偏りがある方は規則正しい食事を心がけましょう。冷たい食べ物や飲み物は体を冷やす原因になるので食べる量には注意。
「肺」が弱っているとき
こんな症状ありませんか?
・呼吸不全
・鼻水、鼻づまり
・咳
・口や喉の乾燥
・アレルギー症状
・汗トラブル
どうすればいい?
免疫力とも関わりが深いので、特に乾燥やウイルスの流行する季節はうがいをしっかりしたり、加湿器を用いたりして乾燥を避けましょう。朝起きたら日光を浴びたり、自然のある場所へ出かけるなどもおすすめ。喫煙の習慣がある方は禁煙を。
「腎」が弱っているとき
こんな症状ありませんか?
・関節痛
・足腰の弱り
・めまい、耳鳴り
・冷え
・むくみ
・頻尿
どうすればいい?
どうしても年齢とともに弱っていく部分なので、パワーを強めるというよりもなるべく弱らせないようにすることが大切です。下半身を冷やさないようにし、適度な運動で足腰を鍛えましょう。
執筆者/漢方専門家 さっち先生
LINEでいつでも相談・処方検討できる漢方薬専門店「わたし漢方」の漢方アドバイザー。「不調とともに生きる女性の毎日を快適にし、やりたいことに全力投球できる手助けがしたい」という想いをもとに、東洋医学に基づいた体質改善の秘訣や健康食の紹介、漢方を取り入れた養生法などを発信している。
わたし漢方
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