特別な能力も、圧倒的な知識やスキルもない。 そんなごくふつうのOLでも、仕事で認められる機会がぐんと増えるワザがあります。そのカギを握るのは、「人を動かすための人間関係」を築くこと。部門間での調整や人を動かす力を身につければ、あなたの評判は劇的に変わります。 派遣SEから経営者になった社長が説く、働く女子が必要な「サバイブ術」。まずは会社の中での自分の魅せ方について学んでみましょう。
評判のよいあの人は、優れた役者
困ったときに助け舟を出してくれる人がいるだけで、日々の仕事は楽になります。
人はどんな人のために働きたい、力になりたいと思うでしょうか。「あの人のためなら」と思わせる要素として重要なのは、「評価」ではなく「評判」です。 あなたの評判は日々の態度やコミュニケーションの積み重ねで作られます。
仕事で結果を出して得られる「高い評価」よりも、「よい評判」を得るのは難しいことです。 あなたの周りをみてください。
もちろん、自然に振る舞っても評判がよい人はいますが、すべての人がそうではありません。それでも出世していく人は「評判の重要性を知っている優れた役者」なのです。
どうしたら役者になれるの?
ここでいう役者とは、端的に言うと「思ってもいないことを、それらしく発言することができる人」。役者だからこそ、「心の中で本当に思っていることを、うまく隠すことができる」のです。自分の感情を常に巧みにコントロールすることができる上に、相手の感情まで操り、人間的な魅力を表現して相手を虜にして、ファンにしてしまう――そんな人の顔が思い浮かんできませんか。
よく考えてみると、会社で働く以上は誰もが多かれ少なかれ演技をしているものです。 営業先でいい顔ひとつできないような人は、社会人としてちょっと問題。そのくらいのことは当たり前に思うかもしれませんが、自分の一挙手一投足にまでこだわって、一流の役者であろうとしている人はどれだけいるでしょうか……? たったひとつの行動が、どんな評判を呼ぶかを常に意識していくことが大切です。
会社で「役者」になる方法
社内で評判を高められるシーンはいくらでもあります。
たとえば、自分は大嫌いだけれども社内で非常に強い影響力を持つ上司が困っているとき。 その上司が、コピー機の操作方法がわからず困っている様子。しかし、周囲の同僚も自分も忙しく、誰も助け舟を出す余裕はありません。
そんなときこそが、偶然を装ってでも接近して、声をかけるべきチャンス。たとえ、自分自身がコピー機の操作方法に詳しくなくても構いません。
一緒にマニュアルを調べて丁寧に対応するといったフォローをすれば良いのです。 重要なのはそのような態度を演じること。それだけであなたの印象はぐっと良くなります。これが、5分もあればできる「関係を築くためのデモンストレーション」です。
たとえ本心では、相手のことを嫌いでもいいし、親切心など微塵もなくても構いません。 裏表なく素直に振る舞うこともひとつの美徳ですが、こと仕事の場面では、それだけではうまくいかないこともしばしばあります。
ちょっと立ち止まって振る舞いを変えてみるだけで、あなたの評判はいつの間にか上がっていき、社内での仕事を進めやすくなるでしょう。さあ、今日から「女優」の気持ちで演じてみましょう。