ファイナンシャルプランナーの花輪陽子先生が、最新のマネートピックスを解説! 知っているようで知らないキーワードや、複雑でも私たちの暮らしに直結しているニュースなどを、サクッと整理して学びましょう。
「円安」を復習!
4月19日の外国為替市場では一時1ドル128円台を付けました。最近、ニュースでよく「円安」と聞くのではないでしょうか。そもそも円安とは何でしょう。
円安とは、円の他通貨に対する相対的価値が低い(=円1単位で交換できる他通貨の単位数が少ない)状態のことを指します。これとは反対に円高とは、円の他通貨に対する相対的価値が高い状態のことを言います。
ハワイに旅行をすることを例に考えてみましょう。現地で買い物をするために、手元にある1万円を米ドルに両替するとします。為替相場が1ドル=100円であれば、1万を100で割った100ドルになります。しかし、もし為替相場が1ドル=130円であれば、1万円を130で割った77.92ドルになります。これらを比べると、1ドル=100円の場合は、1ドル=130円の場合と比べて、より多くのドルを取得できるので、円高ということになります。反対に、1ドル=130円の場合は、1ドル=100円の場合と比べて、少ないドルしか取得できないので、円安ということになります。
円安の影響は、海外旅行しづらくなることだけではありません。スーパーに並んでいる輸入品の値段が高くなります。また、ガソリン価格が上昇しているというニュースも見かけますね。
エネルギー価格や輸入品の上昇は、電気代、食品価格などにも影響を与えます。また、多くの企業の業績にも影響を与えるため、回り回って私たちの賃金やボーナスにも影響することになります。
例えば、牛丼チェーンなども肉を輸入しているので原材料価格が上昇しています。それを販売価格に全部転嫁できない場合、企業の業績に悪影響を与え、従業員の賃金が伸び悩むということにもなりかねないのです。
個人ができる資産防衛術としては、資産の一部を米ドルや金などに替えておくということも考えられます。私はシンガポールに住んでいるために、円安の影響をダイレクトに受けています。皆さんも少額でドル預金をしてみることによって、市場の動きをリアルに感じることができるのではないでしょうか。
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