優しい味が身に沁みるスープ「チキンストック」の作り方をご紹介。基本の作り方をマスターすれば、アレンジも楽しめます。(料理研究家・フードコンサルタント/ブライデン陽子)
冬に恋しくなる手作り「チキンストック」の魅力
スーパーの棚には便利な調味料やソース、スープの素などが並び、料理が手軽に美味しくできるようになりました。でも1つだけ、その棚からは手に入らないものがあるとしたら、チキンストック(コンソメ)じゃないかと思います。煮れば煮るほど骨や野菜から旨味や栄養分が出てくるストックは、インスタントと手作りの差はもちろん、1時間煮るのと3時間煮るのでは雲泥の差があります。もちろんチキンブイヨンの方が安くて便利ですが、たまに、特にこの時季、手作りの味が恋しくなります。材料を混ぜて火にかけたら、コトコト煮込むだけ。焦らずに、優しい香りに包まれる時間を楽しんでみてください。せわしない時代だからこそ、たまにこんなスローな時間を過ごすことが大切な気がします。
チキンストックの作り方
最低2時間、余裕があれば3時間ほど煮るとより美味しく出来上がります。煮ている間に水分が減ってきますが、使用する時に好みで水分を足せば良いので、出来上がりの分量はあまり問題ではありません。冷蔵庫に場所がない場合は逆に、濃縮させると場所を取らずに便利です。
●材料
骨付き鶏肉 500g
玉ねぎ 1個
にんじん 1本
セロリ 1/2本
にんにく 好みで(1片)
パセリ 好みで(数本)
水 1.5〜2リットル
●作り方
1. 野菜を皮付きのまま、ざく切りにする。
2. すべての材料を鍋に入れて強火にかけ、沸騰したら、強めの弱火で2時間から3時間ほど煮る。途中煮詰まって水分が減ってきたら、水を足す。火からおろし、ざるで漉す。
●補足
- 冷蔵庫で1週間、冷凍庫で3ヵ月ほど保存可能です。
- 鶏肉を食べたい場合は、数時間煮てしまうと美味しくなくなるので、1時間煮た時点で肉を骨から外し、骨だけ鍋に戻します。
- 肉から出るアクは栄養やうまみを含んでいるので、取る必要はないですが、気になる場合は適度に取り除いてください。
- さっぱりしたストックに仕上げたい場合は、一度冷蔵庫で冷やし、表面に固まった油を取り除きます。こうして油を取り除いたチキンストックは、アメリカでは、日本のおかゆのように風邪や体調の悪いときには欠かせない家庭料理です。
●使い方
チキンブイヨンから作るスープと同じようにスープのベースとして使えますが、まずはそのまま塩・胡椒で味付けし、シンプルに楽しんでみてください
こちらの写真は、ストックにパスタを加え、パルミジャーノチーズをすり下ろしたものです。