漫画家・池田理代子による不朽の傑作コミックで時代を超えて語り継がれている『ベルサイユのバラ』。原作は1972年から1973年にかけて「週刊マーガレット」(集英社)で連載されていましたが、装い新たに完全新作、大人も大満足する劇場映画になって現在全国で公開中。ワクワク、エモい…がたくさん詰まった名作の魅力をご紹介!
50年の時を経てフランス革命という激動の時代の「愛と運命の物語」
池田理代子氏によって描かれた歴史的な少女漫画であり、フランス革命を背景にした壮大な物語は、宝塚の演目の中でもヒット作品。華麗な宮廷世界のなかで孤独を感じ、庶民からの反感を受けながらも自分の運命に立ち向かうフランス王妃マリー・アントワネット。女性でありながらも男性として育てられた衛兵隊長であり、彼女の葛藤と自己発見に苦難を強いられるオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ。
このふたりの人生を中心にしたストーリーでは、人間の複雑な感情や関係性が巧みに描写されていて、さらに愛と犠牲、希望と絶望が入り混じっている人間ドラマ。歴史漫画であるものの、歴史の影に隠された人々の想いやその時代ならではの背景に触れられて、友達同士でそれぞれの考察を語ったことがあるのでは?
将軍家の跡取りで、‟息子”として育てられた男装の麗人オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ。隣国オーストリアから嫁いできた気高く優美な王妃マリー・アントワネット。オスカルの従者で献身的に彼女に付き従う幼なじみの平民アンドレ・グランディエ。容姿端麗で知性的なスウェーデンの伯爵ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン。——彼らは栄華を誇る18世紀後半のフランス・ベルサイユで出会い、時代に翻弄されながらも、それぞれの運命を美しく生きる。
ドラマティックな‟動く絵画”を観るかのごとくの112分
18世紀当時のフランスの生活や、インテリアや日差しの入り方まで緻密に描かれたベルサイユ宮殿、そしてアントワネットが登場シーンごとに纏っている華やで繊細なドレス『ローブ・ア・ラ・フランセーズ』はどれもがディティールまで丁寧に描かれていてため息モノ。最初は‟愛くるしい”フランス人形のようだったマリーアントワネットが、最後には凛々しく意思を持った女性に描かれていたり、オスカルのたった一度のドレスシーンも絶対に見逃せません!
また今回、キャラクターの心情を数々の楽曲で表現されているのが特徴。ミュージカルとも違うポップで壮大な曲は、感情を強調する場面や場面展開に流れ、歌詞も耳に残るモノばかり。観ている人の気分まで同調させてしまうリズムは圧巻で、‟歌も歌える人”をキャストに選んでいたというのも納得。主題歌の絢香『Versailles - ベルサイユ - 』もお楽しみに!
企画が立ち上がって約9年ほどたっているという今作品。原作へのリスペクトが存分にこめられ、それが観客にもひしひしと伝わってきます。原作を知らなくても満足! 知っていれば当時とは異なる感想、感情が出てくること間違いナシ。自分で道を選び、覚悟と信念、そして情熱を持って進んでいくオスカルの生き方に、今だからこそ共感する人も多いのでは。それぞれの「愛」の形を大きなスクリーンで細部までじっくり堪能して、『ベルサイユのばら』の世界に浸ってみませんか。
■劇場アニメ『ベルサイユのばら』
■1月31日(金)全国ロードショー
■原作:池田理代子 監督:吉村 愛 脚本:金春智子 製作:劇場アニメベルサイユのばら製作委員会 配給:TOHO NEXT、エイベックス・ピクチャーズ
■後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
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