Kis-My-Ft2が昨年10月から行ってきた新体制初の全国アリーナツアー『Kis-My-Ft2 -For dear life-』を完走。For dear life =「全力を尽くす」を銘打った公演で、新たな“キスマイ”の姿を見せた。今回取材に伺ったのは、2月15日に開催された国立代々木競技場 第一体育館での昼公演。公演前の囲み取材の様子と合わせて、詳細レポートをお届け。
新生キスマイが挑む！“全力”のパフォーマンス
2023年10月5日横浜アリーナ公演を皮切りに、全国8都市26公演を行った『Kis-My-Ft2 -For dear life-』。ツアータイトルのFor dear lifeには「全力を尽くす」という、新体制に向けての決意表明ともとれるメッセージが込められた。メンバー、スタッフを含むチームの話し合いでは30個ほどアイデアが出ていたそうだが、「ステージ1公演1公演に対して全力で命懸けで立とうっていうのを6人で決めて、このタイトルを背負ってやるっていうので決めました」と宮田さんが話した。
ライヴは6から始まるカウントダウンとともにスタート。オープニング映像終盤「当たり前なことなんてない」というメッセージが流れ、そのまま1曲目に突入と思いきや、モニターには別のメッセージが。嬉しいフレーズがいくつか表示されたあと、最後に「ドームツアー決定！」の文字が映ると、会場は割れんばかりの大歓声に包まれた。
キャッチーなイントロが流れ始め、本ステージ2階に6人が堂々登場。1曲目はアグレッシブな英調ベースのHIPHOPソング「Rebirth Stage」。新しく生まれ変わるという意味合いでの‟Rebirth”と、逆転を意味する‟Reverse”を掛け合わせた曲名で、尖ったダンスパフォーマンスを見せながら、会場を一気に惹き込んだ。2サビではステージで炎が上がる演出が発動。ちなみに本ツアーにおける炎の発数は、1公演あたり1,150発とのこと。
スタイリッシュな衣装がライヴを彩る
囲み取材時の衣装は、このオープニング登場時に着用していたもの。「Rebirth Stage」のMV衣装をオマージュし、ライヴ仕様に装飾を施したという豪華な黒のセットアップ。今回も玉森さんが衣装を担当し、公演を通して4ポーズ分披露した。衣装を手がけるにあたってメンバーの良さを引き出すために考えたことは？と聞かれると、「やっぱりカッコよく見えたいな」と玉森さん。「衣装を着て自分もテンションが上がることだったり、観てくれた方もカッコいいなって思ってくれるような衣装作りを心がけています」と答えた。
ライヴでは「全力を尽くす」を体現するように、序盤からエッジの効いたダンスナンバーを連発。「HANDS UP」では印象的なリズムに合わせて手を動かす“ブンブンダンス”を披露。本ステージからセンターステージ、センターステージからBステージへと移動しながら魅せた「Edge of Days」「Smokin’ Hot」。この「Edge of Days」について、新たな発見があったという二階堂さん。歌割りが変わったことで各メンバーの歌声を改めて聞く機会が増えたと言い、「もともと優しい歌声だなって思っていたんですけど、引くくらいそんな優しい歌声だったっけ？っていう（笑）」と宮田さんの歌声をベタ褒めする場面も。
会場全体の熱を高めたあとは軽快なディスコチューン「Mr.FRESH」で、コール＆レスポンスを交えながらちょっぴりクールダウン。洒落感たっぷりのムードでオープニングブロックを締めくくった。
初の試みが盛り込まれたステージ演出
次のブロックへの入口は、ピンク一色の色気が漂う映像Interから。映像はカメラワークでメンバーの上下が逆になるもので、観客を「逆さまの世界」へと誘った。そんな不思議な雰囲気のなか「CHUDOKU」がスタート。椅子に座ったメンバーが高さ10メートルまで上昇し、空中でクールに歌唱。時折バックに映し出された逆さまのアートワークと混じり合うように、椅子に座ったままのメンバーが逆さまになったり、回転したり…。度肝を抜くフライング演出で魅了した。
このフライング演出含め、全体の演出やセットリスト構成に大きく関わっているのが二階堂さん。椅子ごとのフライングはおそらく事務所内でも初だそうで、「0からそれごと作りました」とコメント。怖がるメンバーもいるのでは？という質問に宮田さんから二階堂さん自身が一番怖がっていたことを挙げられると、「作ってるときって恥ずかしい話、キスマイじゃなくなってるんです。ファンとして“キスマイはこういう絵が見たい”っていうので考えているので、だからいざやってみると1番やりたくないっていう…」と、演出家ならではの心情を吐露。横尾さんからもフライング時に二階堂さんが目をつぶっていることなどの裏話が語られた。
二階堂さんが指揮をとり、新たなキスマイの一面を見せるべく、“挑戦”に振り切ったステージングはほかにも。「Tequila! -テキーラ‐」ではミラーボールモチーフのステージが登場し、二階堂さん、宮田さんがそのステージ上でタップダンスを披露。甘酸っぱい恋心を爽やかに歌い上げる「Lemon Pie」では、以前より構想していたという香りの演出が実現。会場全体に甘いレモンの香りが広がり、このライヴでしか味わえない、特別な空間を作り上げた。
香りでこの日のライヴを思い出してもらえたら、というメンバーの想いのもと、何年も前から温めてきたという香りの演出。今回実現に至ったのはこの香りを出す演出を請け負う会社が見つかったからだそうで、「観て楽しむだけじゃなくて、日常的に香りで思い出してくれたら良いな」と二階堂さん。藤ヶ谷さんは「会社ごと探すんですね？」と驚きの表情を見せていた。
甘い香りに包まれたまま、「SHE! HER! HER!」の披露へ。ここでの裏話について、「もともと北山（宏光）さんが歌ってたところを僕が歌うんですけど、何度か歌い忘れてしまって。それから玉（玉森さん）が隣でめっちゃ毎回チェックしてくるんです」と宮田さんが微笑みながら話した。
嬉しい報告が続き、大盛り上がりのMC
「AAO」で一緒に踊ったり、歌ったり、会場全体の一体感が増したところでお待ちかねのMCに。20℃近い気温で、2月とは思えないほど暖かったこの日、全員で水分補給をする乾杯タイムが設けられた。そして話題は今回の会場・国立代々木競技場 第一体育館での思い出エピソードと、オープニングで発表されたドームツアーの話へ。
2011年2月12日にCDデビュー決定を告げる茶封筒を、この国立代々木競技場 第一体育館で受け取った彼ら。そこから約13年、今もメンバーとファンが大切にしている“茶封筒の日”以来初めて、6人が思い出の地に凱旋した（※デビュー10周年に予定されていた同会場での公演は新型コロナの影響で中止）。この会場に帰ってきての感想を「客席の感じとか天井の感じとか見て、ここでデビューの発表あったんだなって思い出したので、エモかったですね」と宮田さん。藤ヶ谷さんも「鮮明に覚えています。会場に来て、やっぱり今みたいに環境を感じると、より鮮明に着てた衣装とか、言ったこととか思い出します」と続き、デビュー発表時ギラギラとしたシルバーのスーツを着ていたことや、明るい茶髪でロン毛だったことなどを振り返っては、笑顔を見せた。
今夏ごろ東京、名古屋、大阪の3都市にて開催が決まった3大ドームツアー。日程、会場は追っての発表となるが、この開催についての宮田さんのコメントがこちら。
「6人になってこのアリーナツアーを完走するっていうことを目標にやってきたんです。その目標のなかで“やっぱりドーム立ちたいよね”っていう思いが生まれてきて、次の目標として3大ドームを成功させるというところに至っているので、きっとまた3大ドームをやっていくなかで、次こういうことがやりたいって生まれてくるのかなと思っています。目の前のことを一つずつこなしていくと、未来は明るくなっていくのかな、なんて思っております」。MCでは横尾さんが「今回のツアーよりは早めに出しますから」とファンに向けたアシストを。
幻想的なステージングで後半戦へ
MC終わり、1月3日に発売された最新シングル収録曲「C'monova」を披露。「Come on over （ここへおいで）」と「nova（新星）」を内包した曲名で、「日常を飛び越えてここへおいで、本物のSHOWを見せてあげるよ」という、新たなキスマイの世界に飛び込んできてほしいという思いが込められている。あえて振り付けのないフリースタイルのパフォーマンスを取り入れ、最大幅約34メートル、最大奥行約16メートル、高さ約16メートルのメインステージ上をメンバーが動き回る、その回だけのパフォーマンスを届けた。
メンバーが白衣装に着替えたところで、ここからはしっとり魅せるコーナーへ。最初に披露したのはミディアムバラードの「想花」。LEDモニターにカラフルなアニメーションと手書き風の歌詞を映しつつ、メンバーの柔らかな歌声で心地よいムードに。そんな優しい世界観に花を添えるのが金木犀の香り。先述の「Lemon Pie」同様に金木犀の香りを振りまき、癒やしの空間を作り出した。
「雨 -Remix-」のイントロが流れると同時に、センターステージ下からクラゲの装置が登場。青い光が差し込むステージで、クラゲがぷかぷかと宙を舞う演出は、まるで水槽のなかにいるよう。続く「Luv Bias」ではスタンド部分に水を入れたような、スタンドマイクを活用。泡が下から上がってくる涼しげな演出で、人気のラヴソングを華やかに魅せた。
ライヴレポートは後編に続く。
Kis-My-Ft2（キスマイフットツー）
2011年8月10日にCDデビュー。通算31枚目のシングル「HEARTBREAKER / C'monova」が1月3日より発売中。初夏に通算10枚目のオリジナルアルバム発売＆東名阪での3大ドームツアー公演開催が決定。
https://mentrecording.jp/kismyft2/
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YouTube https://www.youtube.com/c/kismyft2
