チョコレートやナッツ、コーヒーなど“おいしい”を支える仕組みをもっと好循環に。表参道に店を構える「imperfect」代表として奮闘する佐伯美紗子さんにインタビュー。
ウェルフード&ドリンクを通じて、世界の食と農をみんなで考える機会を!
あなたの『おいしい』を、だれかの『うれしい』に。サステナビリティに配慮して作られたチョコレートやナッツ、コーヒーなどを展開する「imperfect 表参道」。表参道ヒルズ同潤館1階にあるショップに入るとまず目につくのが、冒頭のコンセプトです。
2019年に立ち上げから携わり、2022年8月より代表を務める佐伯美紗子さんが目指すのは、「おいしい」を入り口に社会課題を解決する新しい仕組みを作ること。
「元々商社でカカオやコーヒー豆など食品原材料の調達に携わるメンバーが、産地の環境問題や貧困などの社会的な課題を目のあたりにし、ビジネスで解決できないか、と立ち上げたプロジェクトなんです」
おいしくておしゃれ、そんな興味から消費することでそれが実は社会を良くする一歩に繋がっている。“新しい消費”を促すコンセプトは時代を先取りし、注目を集めています。
店頭にならぶのはチョコレートバークやグレーズドナッツ、アイスクリームやコーヒーなど。一見おしゃれなショップ&カフェのようでいて、特徴的なのはSDGsの情報発信地でもあること。
「お客様がゲーム感覚で社会課題を知るきっかけになるよう投票のシステムを作りました」
商品購入後に投票チップが手渡され、産地にまつわる社会課題から、解決のためのアクションをひとつ選んで一票を投じるもの。最も多くの票を集めたプロジェクトを翌年実行、SNSでシェアし、消費が社会を変えていくプロセスを共有しています。
そういったソーシャルグッドな活動は業界を巻き込んで支持を得ており、さまざまな企業とサステナブルチョコレートを推進、今年4月には50社が集まった「サステナブル マルシェ」を開催。自社アイテムだけでなく原材料をシェアしコラボを広げる取り組みにも注力しています。
「1社だけでは限界があるので、業界を挙げて10年後、20年後もみんなが幸せに事業を続けられるような仕組みを作っていきたいですね」
12歳のときメキシコで見た同年代の物乞いの姿。幼心に社会の仕組みそのものを変えなくては、との強い想いにかられたことが今の原動力にも繋がっているという佐伯さん。
店名に込められた“不完全”でもいいから、一歩ずつ踏み出してみる。きっとそれがやがて大きな輪になり、新しいサイクルを生み出していくはずだ。
imperfect 表参道
東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ同潤館1F
03-6721-0766
https://www.imperfect-store.com/
佐伯美紗子(さえきみさこ)
1985年、大阪府生まれ。幼少期を米国で過ごし、社会の仕組みを変えたいとの意識が芽生える。2008年総合商社に入社、’19年imperfectの立ち上げ、’22年8月より代表就任。
Instagram @misako_saeki