スタイリスト青木貴子さんによる、素敵な人に一歩近づく生き方指南。こんな時代だからこそ、前を向いて歩いていくためのヒントをお届けします。
あなたの選択基準は何ですか?
何かを選ぶとき、あなたは何を基準に考えていますか? たとえば服を選ぶとき、見た目の可愛さ? トレンド感? ときめき? 着心地? ひとによってプライオリティは違うと思いますが、たいていそのあたりのことが判断基準になっていると思います。
先日アクリスというブランドの方とお会いしていた時、どういう服を選ぶべきか? どういうものが価値ある服なのか?といった服の選び方についての話になりました。そのとき伺った話で的確な考え方だなと感銘を受けたのが、アクリスのクリエイティブ ディレクター、アルベルト・クリームラー氏がよく口にしているという言葉「investment piece」です。「その言葉が指すものは日本語では投資する価値のある1着、ということでしょうか。つまり少し値段が張ってもそれに見合うクオリティがあり、長く着られ、そしてなにより着る人を内面から輝かせるような洋服のことを指します」とその方からアルベルト氏がinvestmentという言葉を使う真意を教えて頂きました。
あなたは「投資」というフィルターで服を選んだことはあるでしょうか?
「投資」を観点に熟考してみよう
investmentとは資産や資金を投じて利益や収益を得る事を目的とした投資、という意味。服選びを「投資」という観点で捉えるのは面白く、そして素晴らしい考えだなと思いました。
服を買うことを投資と捉えると、その服がどういった利益や価値を持っているかを考えるきっかけを得られます。購入するときに、その服を買った後に結果として得られる満足度や利点を突き詰めてみる。するとその服をよーく観察することができます。着ていて気持ちが上がる、形が良い、素材が良い、似合う、素敵に見える、長く着られる、手持ちの服とコーディネートしやすい、などそのメリットが高い(多い)服はあなたにとって価値の高い服と言うことができると思います。
価値が高い服はよく着るようになるし、きっと長く愛せる存在になるでしょう。逆にポイントが低い服はメリットのない、もしかするとすぐタンスの肥やしになってしまうかもしれない服ってことになります。
価値がある服に関してはそのメリットをちゃんと確認でき、結果うまく活用する術を見つけられます。そして価値が少ないなって感じた服は、「一瞬気になったけどやめようっ!」と踏みとどまることが出来ます。「あー、なんでこれ買っちゃったんだろう」という後悔とはきっと無縁になれます(笑)。
この「投資できるか否か?」という考え方はすべてのことに当てはめて使え、人、物、事、何かを選ぶときの指標になります。「これって投資になる?」というフィルターをかけると、何に対しても熟考することが出来るようになって、それは失敗や後悔を減らすことにつながりそう。投資する価値のあるものにより多くの時間を使えるようになったら人生の質も向上します。
人生を豊かに生きるために投資は必要な行動。いちばん大切かなと思うのは自分に投資すること。何かを習得するため、健康や美しさを磨くため、自分を高めてくれる物(服などもそのひとつのファクター)に投資する、これは自分の価値を高めることにつながります。そのほか人材に投資する、株に投資するなどなど。見極めて投資した対象からは利益を得られます。いろいろなことに積極的に投資して豊かな人生を作っていきましょう!