スタイリスト青木貴子さんによる、素敵な人に一歩近づく生き方指南。こんな時代だからこそ、前を向いて歩いていくためのヒントをお届けします。
不調の連鎖に悩んでいませんか?
5月も後半に入りましたね。4月に環境が変わったり、GWを楽しみすぎたり、原因はそれぞれと思いますが気がつかない間に疲れが蓄積されてちょっと不調かな、なんて感じているひとも多い時期ではないでしょうか? そうなんです、昔から5月病という言葉がありますが、よく言ったもので、確かに春になって急に活動的になってガンガン動いて身体が疲れてきているところへGW!という展開、急に少し長めのお休みで身も心も弛緩して調子が悪くなっちゃうっていうタイミングなのですよね。
実際気候の変化も激しい時期ですし、つまりはストレスが溜まっちゃってる状態。だるくなったり、イライラしたり、不眠や食欲不振などなど、一度バランスを崩すといろんな症状が出てきます。すると出て来るのが不安感。何もかもめんどくさくなって、もうどうでもいいわ…なんて境地には、やーん、絶対に陥りたくないですよね。気がつかないうちにストレスはじわじわと溜まります。溜まれば溜まるほど陥る溝は深まって、なかなか抜け出せなくなります。なので早めにそのゾーンから脱出するのが正解です。
「ん?調子よくないかも」「なんか落ち込む」「うー、イライラする!」といった心持ちになったら、ちょっとそこで一つ! 深呼吸をしてみてください。「え? 深呼吸? 何それ?! それが効果あるの??」と思った方も多いと思いますが、これが不調からV字回復できる特効薬なんです!
よく子供の頃に、緊張したら深呼吸してね、なんて大人からアドバイスを受けていましたよね。なんか子供だましだなぁという印象を受けるかもしれませんが、これが学術的にも証明されているれっきとしたストレス撃退・回復術なんです。
自律神経を整える、深呼吸の効果に注目!
ひとは意外と繊細で、いろいろなことでストレスを感じてしまうか弱い生き物。そもそもストレスとはなんぞやって話ですが、もともとは物理学の分野で使われていた用語で、物体が外側から圧力をかけられたことによって歪みが生じた状態を指す言葉だそう。
例えば風船を指で押さえて圧力をかけた時、その押さえる力をストレッサーと言い、歪んだ風船はストレスがかけられた状況、という道理。外部の刺激そのものがストレッサー。つまり「忙しい」とか「嫌な人物」「暑すぎ、寒すぎ」などのストレッサー(原因)によって生じた反応がストレスってこと。世の中にはストレッサーがそこかしこに転がっていますよね。ストレスは放っておくとどんどん増幅、状態が悪化するので注意が必要です。
ストレスを感じて不調になる要因は、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスの乱れにあると言われています。ざっくり言うと、交感神経は身体を動かす時に優位になっている神経で、副交感神経は身体を休める時に優位になる神経。健康な時はこの両方がうまぁーく切り替わってバランスをとっているのですが、過度なストレスかかかると交感神経にスイッチが入りっぱなしになってしまいます。
ストレス状態にあるとき、たいてい呼吸は浅くなっているのだそう。呼吸が浅くなると回数が早くなり、酸素をうまく取り入れられないため、結果不安感が高まりますますストレス状態が強まるという悪循環に。すると、寝れなくなったり頭痛がしたり不安になったりします。
この状態を変えるには副交感神経にスイッチが入るよう仕向ける必要があるのですが、これを簡単にできる手段が先ほど書いた「深呼吸」なんです。自律神経はほぼほぼ自分の意思で動かすことが出来ないのですが、唯一呼吸だけは自分の意思で動かすことが可能(肺は自分で動かすことのできる唯一の臓器です)。そして呼吸によって交感神経と副交感神経の働きをスイッチさせ、自律神経のバランスを取ることが出来るのです! 深呼吸をして意識的に息を吐ききると副交感神経の働きが高まり、緊張がほぐれます。
この深呼吸ですが、リラックス効果を生む息の吸い方のコツは腹式呼吸をすること。肺で深く吸うだけではダメで、お腹を膨らませる息の吸い方です。鼻でゆっくり吸って、口からゆっくり吐き出す。吐き切る感じが肝要だそう。これをストレスを感じたとき意識的にすると心身ともにリラックス出来ます。
また、疲れた時に出てしまうため息は、たまった息を吐き出して緊張状態を緩和しようとする無意識的な身体の調整運動なんだとか、知っていましたか? ひとの身体って感心するくらい良くできてますよね。ため息はつかないほうがいい、なんて説もありますが、ため息は我慢したり遠慮したりせずにばんばん吐きだすのが正解です。
不安の反対は安心。安心とは気にかかることがなく、心が安らかな状態。不安を取り除いてくれる深呼吸は道具もいらないし時間もかからないといいことづくめ。不安定なときは深呼吸をして安心な境地にすぐさまシフトしましょう!