スタイリスト青木貴子さんによる、素敵な人に一歩近づく生き方指南。こんな時代だからこそ、前を向いて歩いていくためのヒントをお届けします。
ウィズマスク生活がもたらしたもの
2023年3月13日からマスク着用はついに個人の判断が基本となりました。2019年12月初旬に最初の新型コロナ感染症の感染者が報告されて以来マスク着用が推奨されてきましたから、かれこれ3年間はばっちりウィズマスク生活を過ごしてきたわけです。3年って結構な期間ですよね? 長かった! そのマスクがもたらした恩恵はもちろん感染拡大の防止。そして悪しき作用ももたらしました。それは、メイクの手抜きと肌の劣化(劣化って怖い表現ですが…)!
なんてったって顔のほぼ半分が覆われてしまうのですから、たしかにメイクのしがいもなかったけど、反面とても楽だったという声もちらほら。「忙しい時なんかメガネしてマスクしちゃえばOKだから、どんどんメイクしなくなっちゃいました」「口紅3年つけてません」というような話は良く聞きます。
劣化という点ではマスクで擦れたせいなのか、「鼻や頬の毛穴が広がった気がする」とか、人目に晒していなかったからなのか「口元の表情筋が衰えた」ことを危惧、美容の観点からマスクを外すことに関して戦々恐々な思いを抱いてるというひとも結構多いみたいです。
マスクによる肌状態の悪化は私も実感。全然気にしていなかったけど、よく見たらうわっという感じになっていて(涙)、マスク解禁になったからパックとかでお肌を引き締めなきゃなぁと鏡を見て決意をしたばかりです。実際マクスをしていない時としている時では顔の筋肉を動かす回数が違います。みなさんも口角をあげよう!とか表情豊かに話をしよう!なんて、マスク時はあまり意識しなかったのではないでしょうか? 悲しいことに緩んでますよ、確実に口元の筋肉。
解禁から数日間はマスクをつけている人が多かったのですが、つけていないひとも急速に増えてきています。電車などの公共機関や病院などは別として、4月にはだいぶ着用率が変わってくるのではないかと思います。なのでいまはメイク技術のブラッシュアップやお肌のケアに力を注ぐべき時と言えましょう。そしてそして、3年ぶりの顔の全面解放。これは実はとっても大きな転機の起爆剤になり得る可能性を秘めているのです。
新しい自分をアピールするならいま!
自分への評価って日々の積み重ねだから一気に激変というのはなかなかない。対人面で新しい自分を構築できる機会って、たとえば入学とか入社とか転職とか環境が大きく変わる時くらいですよね。でもそういった機会はなかなか急には巡ってきません。そんな稀な機会の一つになりそうなのが、今回のマスク解禁。半分隠されていた顔を出す、その時が勝負時。具体的に言うと、イメージチェンジをする大大好機なのです!
「あれ? こんなに綺麗だったっけ?」「表情が可愛いな」と思ってもらえるよう、セルフイメージをコントロール・演出することで、相手がこれまで思っていた“あなた像”を変えることは可能です。新しい良い印象で前の印象を書き換えちゃうことが出来るのです。
それにはイメージを変えよう!という強い意志と何より実行力が大切。微笑んだような優しい口元、ツヤツヤの唇や整えた肌を心がけるだけで魅力的な好印象を周りに与えることが出来ます。同時にヘアスタイルを変えてみたりするとより前の印象があやふやになり高い効果を得られるかも。名付けて目眩し作戦(笑)。
マスクをつけ始める以前のあなたがそうでなかったとしても、今からそうすることであなたはそういう魅力的な人という認知をされるようになります。ひとというのは意外と単純な生き物で、視覚情報を大きな判断基準としています。そして前の情報よりいま目の前の新しい情報の方を優先するような気がします。優しい口元のひと、憧れます。できる限り私もトライしたい、そんな余裕を感じさせるひとになりたいです。特に仕事中は怖い顔になりがち、これまではマスクに守られていたけど気をつけなきゃ。
劇的に見た目が変わる(顔半分隠された状態→全面見える状態)機会なんて、ほんと今後ないと思います。マスクを外すとともにさっぱりと心機一転、なりたいイメージをどんどんアピールしちゃいましょう!