スタイリスト青木貴子さんによる、素敵な人に一歩近づく生き方指南。こんな時代だからこそ、前を向いて歩いていくためのヒントをお届けします。
1年の抱負を掲げる意味を考える
1月を迎え、新しい1年が始まりました。さて今年はどんな1年になるのでしょう。物価の上昇や長引くコロナ禍など、社会情勢は不透明でその影響をどのように受けるかは分かりませんが、自分の時間は心地よく充実させたいですよね。
子供の頃は学校の授業とかで今年の抱負や目標を書きなさいなんていうのがあって、1年の抱負をちゃんと考える機会がありました（達成できていたかどうかは別として、笑）。さて、年の始まりのこの1月、あなたは今年の抱負や目標をしっかり考えているでしょうか？
人によってさまざまではありますが、大人になって決まった仕事に就いたり結婚したりと、ある程度生活環境が整ってしまうと、あらたまって何かの目標って立てたりしなくなりがちです。なんやかやで毎日が忙しくルーティーンで過ぎていって、あっという間に1ヶ月が過ぎて、気が付けばまた1年が終わる。そして次の新しい年もその繰り返し。その調子で5年や10年、20年ですら驚くほど淡々と時間は過ぎていってしまいます。
仕事をしている人は就職してから、結婚した人は結婚してから今までって早くなかったですか？ そして永遠に続くであろうと思っていた充実した毎日は、年をとった時にガラリと様相を変えるそうです。
30代から考えておきたい、定年後のこと
まだまだ先の話ですが60歳になり多くの人は定年を迎えます。そこからは社会から必要とされている実感を感じにくい環境に陥ることが予想されます。仕事をしている時はやることが目の前にあるし、他者とのやりとりがあるので自分の役割を実感できます。子供がいる人の場合、子育ては大変ながらも充足感を感じるものだと思います。おのおの、自分の中心にあった役目がなくなったら、自分の存在意義は？ 意味は？ という境地に陥る場合が。そこで感じるのが孤絶感なのだそう。
孤絶とは「一つだけ離れて取り残されていること、他と切り離されて孤立していること」。孤絶感はある意味、求められていないという感情に結びつき、自己肯定感が薄れる要因にもなってしまいます。それは考えている以上に心身に良からぬ影響を与えそう。実際その体験をした諸先輩の話を伺いましたが、想像をはるかに超えた、辛く切実な心情をお持ちでした。
そこでこの孤絶感に襲われないために必要なのが、「先のことを考えて過ごす」というマインド。ずっと充実感を持って暮らしていく未来設計図みたいなものをちゃんと考えていくことが大事なのです。
- 仕事をリタイヤしても生き生きとしていられる場所ってどこなんだろう？
- そのために必要なことってなんだろう？
- 興味のあることや得意なことでパラレルワークを始めてみよう！
- 子育てがひと段落したらこれを始めよう！
- 今からちょっとずつ始めてみよう！
そんなことを考えたりやったりすることが、楽しく生きるという未来設計図に組み込まれていきます。いまからアクションを始めていれば、より社会や他者と楽しく関わっていける未来に進むことができます。老いていきなり切実にどうしようって考えても、なかなかすぐに何かを見つけて始めることって難しいと思います。脳も身体も年をとっているから、思うように動けないかもしれない。これをやっている自分は幸せそうとか、楽しそうってことに着目してみて下さい。そんなところに孤絶感とは無縁になれる明るい未来へのヒントが眠っていそうです。
どう生きたいかをじっくり考えてみよう
目まぐるしく過ぎていく毎日の中で、目の前のこと以外に時間を割くことは、なかなか大変と思います。しっかりとした意志がないと無理。でもできることなら心地よく楽しい人生を送りたいですよね。先の自分が楽しめるように、今の自分がひと肌脱いであげる感じで考えると良いかもしれません。まずは手始めに今年の抱負を掲げてみませんか？ 童心に戻ったような素直な気持ちで考えると、本当に望んでいるものが何なのかも、わかるかもしれません！
