毎日を120%楽しむためのアレコレを、愛のお叱りメンター ジョバンナ女史がピリ辛トークでレクチャーする連載「ま、一杯飲んでベッラ ヴィータよ」。舞台は女史がママを務める南麻布の「Bar D’Amore(バール ディアモーレ)」。第3夜は、夏休みの旅行を計画中の女子がご来店。爽やかなイタリアの白ワインでも開けて、パーっと行きましょ!
【第三夜】海外ひとり旅に出かけるなら・・・・・・
ボンジョ〜ルノ! なんかここ数年、天気も生き急ぎ気味じゃない? 7月中頃になるととっとと梅雨明けしちゃって、夏が駆け足で過ぎていくっていうの? だからこそ、夏は思い切り楽しまないと!
「こんにちは! 金曜だから早めからやっているかな〜と思って」
今の時間はアペリティーボ、いわゆるハッピーアワーよ。今日は「リス・ネリス」っていうワイナリーの白ワインをどうぞ。あら、もしかしてアナタの会社は、さっぱり浸透していないっていうプレミアムフライデー実践系なのね。
「そうです。アパレル勤務なんですけど、社長がそういうことには敏感で」
ある意味、社会的な取り組みに意識高い系よね。そういえば仕事仲間の出版社、そうよ、あの泥のように働く出版社でよ、「金曜、月曜はなるべく会議を入れないように」なんておふれもあったっていうのよ。土日と合わせて休暇が取りやすいようにって。世の中も変わったもんだわ。私も時計の針を巻き戻してみたいような、みたくないような・・・・・・。
「確かに#me tooの動きでセクハラも、それからパワハラも社会問題として取り上げられる時代ですから、働く女子は以前より守られてる感はありますね」
昭和の時代は世の中が大らかでいい部分もあったけれど、休暇を取るって言うのも遠慮がちな感じだったわ。ま、私はこんなキャラだから、休んでましたけどね!
ジョバンナ女史も体験した女子旅の落とし穴
「私、ジョバンナさんに相談したかったんです、夏の旅行について。実はひとり旅をしてみたくて。でも寂しそうに見えないか? とか、ご飯はどうしよう? とか、いろいろ考えちゃって」
まあ、わからなくもないわ。私はね、ある旅をきっかけに女子旅に懲りたの。アナタくらいの30代に、女子ふたり旅で南の島に出かけたわけ。仕事が忙しくようやく取れた休みだったから、私はビーチに寝転がって、ビール飲んで、本読んで、うたた寝してっていう廃人になりそうな過ごし方をしたかったの。でも彼女は違ったみたいで・・・・・・。
「え? どうなったんですか?」
場所的にも、神秘的なムードの土地だったこともあったんだろうけど、彼女、すごくナーバスになっちゃって、そのうち泣かれちゃって。それ以来、目的の違う女子との旅は避けるようになったわね。
ひとり旅はどう楽しむべき?
「それはトラウマになりますね。せっかく高いお金を払ってるのにですよね。ところで、ジョバンナさんはひとり旅に行きます?」
そんなこともあって、私はかなりひとり旅派。気ままで最高よ! この前は、今さらながら耽美なヴィスコンティ映画にハマって、狂王って呼ばれてたバイエルン王のルードヴィッヒを巡る旅をしてきたの。ドイツのフランクフルトから鉄道を取り次いで最後はウィーンまで、彼が作った濃厚なお城なんかをいくつか見て歩いてきたわ。
「なるほど! 壮大ですね。なんか趣味をどっぷり深められそうだし。ひとり旅で気をつけることとか、どこかおすすめの国はあります?」
そうね、まず目的をはっきり持つことね。アーユルヴェーダでデトックスしつつ、インフィニティープールを考案したジェフリー・バワの建築を楽しむスリランカの旅なんてどうかしら? 直行便も出ているし、ひとりでも楽しめると思うわ。カレーも美味しいわよ。それに旅は予想外の発見もあるのがいいわよね。スリランカは驚くほど美しいメンズもいるし(笑)、紅茶の美味しさに目覚めたし。
「私も最近、紅茶が気になってたからいいかも!」
もうね、私は年々旅に出たい願望が“半端ない”のよ。生きてるうちに見たいもの全部見ておきたいわけ。それに基本、人生フワフワして、旅人みたいに生きていきたいから。
「お話を聞いてるうちに、ワクワクしてきました。帰ったら、ちょっと調べます!」
でも十分気をつけるのよ、日本の女子はちょっと無防備すぎるところもあるから。ひとり旅は自由を満喫できるけど、自分を守るのは自分しかいないってことも忘れないでね。
あえてマニアックな旅先を選ぶ
旅って、新しい発見があるのが醍醐味よね。だから好きな土地を深めるのもいいけれど、できれば初めての場所へ出かけるほうが刺激を得られると思うの。例えばイタリアならメジャーなローマやミラノじゃなくて、トリエステなんてどう? 今日の白ワインの産地と同じフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の州都。北の右端のほうにあってスロベニアに隣接しているの。歴史的に多文化がミックスしていて、特にオーストリアの影響を受けているからカフェ文化も発達しているんですって。大人になってからの旅は、そういう土地の背景にも思いを馳せながらっていうのが、またいいのよね。
【今宵の一杯】
リス・ネリス ソーヴィニヨン
リス・ネリス社がワイナリーを構えるフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州は、北から吹き下ろす冷たいアルプスの空気と、南から吹き込む暖かいアドリア海の空気が合流し、白ワインづくりに適した土地。生産の70%は白ワインと言われており、“白ワインの聖地”と呼ばれることもあるほど。今回紹介する「リス・ネリス」のソーヴィニヨンは、イタリアの土着品種ではなく国際品種。現オーナーのアルヴァーロ・ペコラーリ氏の祖先が19世紀の終わりにスタートしたワイナリーで、90年代に改革を行い、現在のスタイルを構築。手摘みで収穫したブドウから最新技術を使い、洗練された味わいを実現。ジェノべーゼソースの魚介料理などとの相性も良さそうです。
Lis Neris Sauvignon
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州
ソーヴィニヨン100%
750ml ¥3,500(参考小売価格・8月より価格改定)
フードライナー
078-858-2043