海の安全を守るライフセーバーを目指す青年たちの姿を描いた映画『ウォーターガーディアンズ』。主演の森愁斗さん(BUDDiiS)、そして椿泰我さん(IMP.)は、ライフセービングの知識がほとんどない状態から本格的な講習に挑み、吹き替えなしで撮影に臨んだそう。過酷な撮影をともに乗り越えた二人に、役作りの裏側や共演エピソード、そして作品に込められたメッセージについてインタビュー。
“守る”仕事の重みを体感

──出演が決まったときの率直な感想を教えてください。
森愁斗さん(以下、敬称略) 瀧川(元気)監督とは過去にご一緒したことがあったので、また主演作でご一緒できると聞いたときは本当にうれしかったです。以前から「お互いパワーアップした状態でまた作品をやりたいね」と話していたこともあったので、そういう意味でも特別な思いがありました。一方で、ライフセーバーを題材にした作品ということで、ほとんど知識がなかったので、不安もありました。でも、その未知の世界に挑戦できることへの楽しみも大きかったですね。
椿泰我さん(以下、敬称略) 僕もライフセービングというものに、この作品のお話をいただくまであまり触れたことがありませんでした。だから最初は本当に新鮮でしたし、「こういう世界があるんだ」と知るところからのスタートでした。
──ライフセーバーを題材にした作品で、吹き替えなしで挑まれています。撮影に向けてどんな準備をしましたか?
森 撮影期間自体が比較的短かったので、撮影前の2、3日で集中的に講習を受けました。ライフセービングについて知らないことを一気に詰め込んでいく作業だったんですが、劇中でも僕たちはライフセービングを学びながら成長していく役柄だったので、フラットな状態で現場に入りました。
椿 講習を受けたときに、ライフセーバーの仕事が想像以上に細かくて奥深いことに驚きました。僕が演じた颯真は森くん演じる海翔のライバル的な立場だったので、講習の段階から森くんのことを意識していたんです(笑)。なので講習だけで終わらせず、家に帰ってからも復習していました。特に止血の手順などは不慣れだったので、ハンカチを使って練習したりしていました。ライフセーバーとしての所作や技術が自然に見えるように、できる限り準備をして撮影に臨みました。
──それぞれ演じた役柄の魅力や、演じるうえで意識したことを教えてください。
森 僕が演じた海翔は、何でも器用にこなせて、少しチャラいところもあるキャラクターです。こういうタイプの役は今まであまり演じたことがなかったので、最初は「自分にできるかな」という不安もありました。
でも、海翔はまさに主人公らしい存在なので、まずは見た目から近づこうと思ったんです。長い髪を生かしたり、衣装さんと相談しながら服装を決めたり、自分の私物を取り入れたりしました。劇中で使っている麦わら帽子やサングラスも実は私物なんです。そうやって外見を固めていくことで、自分が考える海翔像に近づけましたし、役として振り切りやすくなりました。
──海翔は物語のなかでも特に感情の起伏が大きい役でした。
森 そうですね。海翔はチャラく見えるんですけど、みんながついていきたくなるようなリーダーシップも持っていて、人柄がいいからこそ挫折したり感情が揺れ動いたりする人物。自分とは近くないキャラクターだからこそ、影のあるシーンは自分の内側にある感情を使いながら演じていました。
──椿さんが演じた颯真はいかがでしたか。
椿 正直に言うと、最初に台本を読んだときは「なんだこいつ! めっちゃ嫌い!」って思いました(笑)。僕自身、怒ったり人に感情をぶつけたりするタイプではないので、どう演じればいいのかすごく悩みました。でも颯真はただ嫌なやつではなくて、そのアツさにはちゃんと芯があるんです。海翔にぶつかっていくのも理由があってのことですし、最終的にはずっと海翔のことを思っていた人物でもある。
ただ、その表現が少し不器用なだけなんですよね。だから前半は「嫌なやつだな」と思われるかもしれないですけど、物語を最後まで観たときに、「意外と憎めないな」と思ってもらえたらうれしいです。
──椿さんご自身は、最終的に颯真を好きになれましたか?
椿 最終的には! 演じた今は理解できますけど、もし演じていなかったら、最後まで嫌いだったかもしれないですね(笑)。

──共演前に抱いていた印象と、実際に一緒に作品を作ってみて感じた印象の変化を教えてください。
椿 顔合わせの日の森くんが、海翔そのままだったんですよ。デニムに白Tをタックインして、大きなバックルをつけていて。「バックルでかいな……用心しなきゃ……」と思っていました(笑)。お互いに「おっ……」という空気感のまま作品に入っていった気がします。
しかも劇中ではライバル同士なので、その距離感のままずっと撮影していたんですよね。ただ、炎天下での撮影が続いて、みんな疲れてきた頃に、僕の普段の性格が少しずつ出始めて(笑)。「あれ、この人思っていたよりふざけるタイプなんじゃない?」ってバレ始めた頃に撮影が終わりました(笑)。
森 まさしく(笑)。僕も人見知りで、「たぶん椿くんも人見知りなんだろうな」と思っていました。今回はライバル役だったので、むしろその距離感が役柄にも合っていたと思います。それこそ、撮影の中盤くらいから徐々に椿くんの本来のキャラクターが見えてきて、「こういう人だったんだ!」と思ったので、もう少し早く知りたかったです(笑)。
──お互いのグループ活動については、どんな印象を持っていましたか。
森 僕はYouTubeを拝見して、「動画のときと全然キャラが違うな」と思いました(笑)。でも、だからといって僕からグイグイといけなかったんですよね…。結果的には中盤で本来のキャラクターを見せてくれたので、安心感がありました。
椿 僕も共演が決まってから、音楽を聴いたりしていました。こういうビジュアルでパフォーマンスするんだとか、IMP.とはまた違うカラーだなと思っていたんですけど、そこからどう会話を広げればいいか分からなくて(笑)。「曲いいですね」って言うのは簡単なんですけど、それが逆にわざとらしく聞こえないかなとか、いろいろ考えちゃうタイプなんです。結果的に、撮影後の取材がいちばんたくさん話した時間かもしれないです(笑)。
──共演を通して、お互いの芝居や現場での姿勢から刺激を受けたことはありましたか?
森 椿くんは、講習のときから本当に熱心で。さっきも話していましたけど、自主的に練習していましたし、現場でもよくメモを取っていました。講習をしてくださる先生や監督にも積極的に質問していて、「ここはもう少しこうした方がいいですか?」と確認している姿が印象的でした。
椿 恥ずかしいですね(笑)。ライフセービングのシーンって、ボードの置き方ひとつにも意味があるんです。どの場面でどの道具を使うのか分かっていないと、不自然に見えてしまう。颯真は海翔と競い合う関係なので、「この2人が、本当にトップ争いをしているように見えないといけない」という意識があり、細かいところまで確認していました。
森くんは、本当に器用だなと思っていました。何をやっても自然にこなしますし、現場に入るまでは人見知りという印象もなかったんです。実際は違ったみたいですけど(笑)。今回、僕たちはライバル役だったので、現場でもずっと一緒にいるわけではなかったんです。ただ、森くんはチーム全体の空気づくりがすごく上手で、座長として現場を引っ張っている姿も印象的でした。
──森さんのそういう姿から学ぶこともありましたか?
椿 場の空気の作り方もそうですし、とにかく何でも器用にできるところはすごいなと思いました。あと、役柄もあってちょっと悔しかったのが(笑)、僕にはできない雰囲気を持っているんです。
たとえば急にTシャツを脱いで海に飛び込んでいくようなシーンでも自然なんです(笑)。僕がやったら絶対に違う感じになると思うので。イケイケな雰囲気も含めて「ずるいな」と思いながら見ていました(笑)。

──おふたりのファンの方に向けて、特に注目してほしいシーンを教えてください。
森 僕は、田辺(桃子)さん演じる璃子先生との恋模様です。これまであまり恋愛要素のある作品をやったことがなかったので、自分にとっても新鮮でした。もちろん、ライフセーバーを目指す若者たちの成長や友情、夢に向かう姿が軸にある作品なんですけど、そのなかに恋愛模様も描かれていて。キュンとしていただけるシーンもありますし、二人だけが共有している会話や空気感も注目です。
椿 僕は後半のラン・スイム・ランのシーンです。海翔が立ち止まってしまったときにぶつかり合う場面なんですけど、そこはぜひ観てほしいです。普段は歌やダンスの仕事をしているので、ビジュアルを意識しているのですが、あのシーンはそんなことを考えている余裕もなくて、感情だけでぶつかっていました。正直、自分で観て「こんなに盛れてないんだ」って思いましたけど(笑)。それくらい感情をむき出しにしたアツいシーンになっています。
──では、おふたりにとって、海や夏の思い出で印象に残っているものはありますか?
森 小学生の頃、臨海学校で海に行ったことがあって。そのときクラゲに刺されました(笑)。記憶は断片的なんですけど…薬を塗ってもらって、そのあと砂浜でおしるこを食べたことだけ覚えているんですよね。
椿 そこで、おしるこなんだ(笑)。
森 すごく暑かった記憶があるんですけど、なぜかおしるこを食べていました。
──大人になってから海に入る機会はありましたか?
森 MV撮影などで海に行くことはあっても、実際に入る機会はあまりなかったんです。だから今回は撮影を通して、思い切り入れたのですごく楽しかったですね。
──椿さんはいかがですか?
椿 海の思い出で一番強烈なのは、無人島でのロケ。食料も自分で確保しなければいけない企画だったんですが、夜の海に銛一本だけ持って潜って魚を獲ることになったんです。魚が逃げてしまうので照明も最低限しかなくて、夜の海って本当に真っ暗なんですよ。魚を捕りたい一心でどんどん潜っていくんですけど、息が苦しくなって水面を見上げたときに、真っ暗すぎてどれくらい潜ったのか分からなくなってしまって。息は限界なのに、水面までの距離も分からない。そのときは本気で怖かったですね。
森 それは辛い…。
椿 めちゃくちゃハードだった(笑)。でも、それをやらないと夜ご飯がないので。しかも人生初の素潜りが、真っ暗な海だったんですよ。
森 初素潜りで、初銛!?
椿 そう(笑)。なんとか3匹くらいは獲れました。本当に怖かったですけど、おかげでメンタルが鍛えられました(笑)。
森 エピソード、強すぎないですか! 僕なんて「クラゲおしるこ」ですよ!(笑)

──最後に、作品の見どころや読者へのメッセージをお願いします。
森 ライフセーバーを題材にした珍しい映画です。普段は影の存在かもしれませんが、実際はすごく大切なお仕事。もちろんいちばんは水難事故が起きないことですが、そのために海で見守り続けている姿は本当にカッコいいなと思いました。この作品を通じて、僕たちが安心して楽しく海で過ごせるのはライフセーバーの皆さんがいるからだということも感じてもらえたらうれしいです。
それに、若者たちの成長や友情、ひと夏の恋も描かれています。夏にぴったりの作品なので、家族や友人、恋人と一緒に観てほしいですね。観終わったあとに「楽しかった」で終わるだけじゃなくて、「明日から少し頑張ってみようかな」と誰かの背中を押せる作品になったらうれしいです。
椿 この前も番組でライフセービングについて話す機会があったんですが、実際には人手不足の問題もありますし、水難事故に対する危機管理意識も、まだ十分とは言えない部分があると思うんです。でも水難事故って、正しい知識があれば防げるものも少なくないですよね。
今回はそんなライフセービングの世界を描いた作品なので、青春サマームービーとして楽しみながらも、学べる部分がたくさんあると思っています。僕たち自身もライフセービングを学びながら撮影に臨んだので、そのリアルさは作中にも表れているはずです。知識の部分もしっかり描かれているので、楽しみながら自然と学べる作品になっていると思います。
そのうえで、気づいたらたくさんのイケメンたちの肉体美まで見られるという(笑)。本当にいろいろな角度から楽しめる作品になっているので、それぞれの楽しみ方で観ていただけたらうれしいです。
【絶賛公開中!】映画『ウォーターガーディアンズ』
出演/森愁斗(BUDDiiS) 田辺桃子 椿泰我(IMP.) 小西詠斗 砂田将宏(BALLISTIK BOYZ) 小泉光咲(原因は自分にある。) 長野蒼大(VOKSY DAYS) ほか
監督・脚本/ 瀧川元気
配給・宣伝/S・D・P
waterguardians-movie.com
X @wg_movie
Instagram @waterguardians_movie
TikTok @waterguardiansmovie
森愁斗(もりしゅうと)
2002年9月18日生まれ、東京都出身。TBS系ドラマ『君の花になる』(2022)で俳優デビュー。ダンス&ボーカルグループ・BUDDiiSのメンバーとしても活躍。
Instagram @shoot_mori_official
椿泰我(つばきたいが)
1998年2月10日生まれ、神奈川県出身。男性7人組グループ、IMP.のメンバー。2023年8月、デジタルシングル「CRUISIN’」で世界同時配信デビュー。グループ活動と並行して俳優として舞台やドラマにも出演している。

