俳優、タレントとして活躍しながら様々な資格を取り、それを仕事にも生かしている南圭介さん。2023年に習得した世界遺産検定マイスターは、知識だけでなく、自分の考えをしっかりと表現する力が求められるため、難易度が高いそう。そんな彼が世界各国の魅力をご紹介する【南の旅】。14回目は「シンガポール」をご紹介。
世界文化遺産「シンガポール植物園」の魅力

9月も下旬にさしかかり、日本も秋めいている頃でしょうか。
僕は今、東京を離れ、異国情緒を感じながらこちらの記事を書き進めています。そのなかで、少し昔を思い出すきっかけもあり、今回は小学生の頃3年ほど過ごしたシンガポールの世界遺産をご紹介したいと思います。

2015年にシンガポールで初めて登録され、現在シンガポールで唯一の世界遺産である植物園です。
1859年に開園し、150年以上の歴史を持つ植物園は、地域の方々の憩いの場として、植物の研究の場としてとても大切な場所となっています。
当時、シンガポールは「ゴム」の輸出に力を入れていました。こちらの植物園ではイギリスから持ち込まれたゴムの木の栽培技術の研究が行われ、マレー半島にゴムのプランテーションが広がるきっかけとなり、シンガポールの経済発展へと繋がっていきました。
ここで早速、南圭介のマイスターQuiz!
Q. 世界遺産に登録されている植物園のなかで、世界最古なのは次のうちどれ?
A.パドヴァの植物園
B.ケープ植物園
C.シンガポール植物園
D.キュー王立植物園

正解は…Aのパドヴァの植物園(イタリア)で、1545年に造られました。
Bはケープ植物園という呼称はなく、南アフリカの世界遺産「ケープ植物区保護地域」の中で1番古いのがカーステンボッシュ植物園(1918)。
Cのシンガポール植物園は上記にあるように1859年に開園。
Dのキュー王立植物園(イギリス)は1840年に植物園として開放されました。
シンガポール植物園は、一部をのぞいて入場料が無料という点も、驚きのポイントです。世界遺産で入場料が無料となっているところは世界的にも珍しく、トルコの世界遺産「イスタンブールの歴史地区」のアヤソフィアがモスクに回帰した事によって一時期無料で入場出来ましたが、現在は外国人観光客は入場券が必要となっています。
シンガポール植物園で有料エリアとなるのが「ナショナル・オーキッド・ガーデン」。
シンガポールの国花でもある蘭がおよそ6万本植えられていて、豊富な種類の色鮮やかな蘭から南国気分を味わう事が出来ます。

「ナショナル・オーキッド・ガーデン」の中でも人気スポットといわれてるのがこちらのオンシジウムのアーチ。オンシジウムは1939年にシンガポール植物園で作られた交配種の蘭で、今では世界中に輸出されている人気種のようです。
この「ダンシング・レディ」と呼ばれるシンガポール育ちの美しい黄色い蘭のアーチをくぐれば、こちらも心踊りますね!

2025年はシンガポール建国60周年、そして「シンガポール植物園」が世界遺産登録10周年という記念すべき年です。是非この機会にシンガポール唯一の世界遺産、都会のオアシスである「シンガポール植物園」に足を運んで、歴史と自然を身体じゅうで感じ、シンガポールならではの熱帯雨林の瑞々しさに包まれる癒やしの旅をしてみてはいかがでしょうか?
南の旅もまだまだ続きます。
是非読者の皆様とこれからも色々な世界の景色を共有していけたらと思います。次の行き先も是非お楽しみに!
今回訪れた「シンガポール植物園」は――
2015年にシンガポール初の世界文化遺産として登録された歴史ある植物園。1859年に開園し、約82ヘクタールの広大な敷地に1万種以上の様々な植物が育成。特にゴムの木やランの研究が盛んで、東南アジアの植物研究に大きく貢献。園内には世界最大級のラン園「ナショナル・オーキッド・ガーデン」や、珍しいショウガの花が咲く「ジンジャー・ガーデン」など見どころが豊富。現在でも市民の憩いの場としても親しまれ、入園無料という点も魅力。
南圭介(みなみけいすけ)
1985年7月3日生まれ。東京都出身。幼少期にパキスタンで育ち、小学校3年~6年まではシンガポールで過ごす。2004年にデビュー後、テレビ、舞台を中心に俳優として活躍。検定習得も多数あり、漢字検定準1級、ウイスキー検定2級などを習得し、2023年には世界遺産検定マイスターを習得。世界遺産の良さを伝えるだけでなくSDGsの考え方と親和性を伝え、「知る・考える・実行する」ことで発信中。ABCテレビ『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系列全国ネット土曜8時〜9時30分)の海外リポーターとして不定期出演中。
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