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TIMELESSPERSON

2025.12.22

18個めの資格習得試験を終えた、文筆家・川島如恵留(Travis Japan)が受験勉強中の一部をチラ見せ

アーティストそして俳優として、活躍のフィールドを広げ続けている川島如恵留(Travis Japan)の連載『のえるの心にルビをふる』。今だからわかったこと、気付いたこと、そして様々な出来事についての自らの考察をつづります。【vol.14≪心にカチッとあかりを≫】

心にカチッとあかりを

第二種電気工事士の試験を受けてきました。帽子にはあまりにも猫の毛がつきすぎていますね。

2025年12月14日。神奈川は雨。目的地まで、60分。ずっと雨。雨雲と一緒に移動してるんじゃないかと思うほど、降り続く雨粒。ワイパーの速度をMAXにしていないと飲み込まれてしまいそうな朝。

私にとってこの日は、待ちに待った第二種電気工事士の技能試験の日でした。9月22日の『のえルビ』で受験するぞ宣言をしていた、あの資格です。
とても興味深い資格でございまして、いろんなところにコンセントをつけることが出来たり、電気周りをいじることが出来るようになる、そんな素晴らしい資格でございます。

上期と下期とがありまして、1年に2回試験に挑戦出来るチャンスのある国家資格です。それぞれの期で学科試験と技能試験が実施されます。学科試験を合格した者(と学科免除対象の方)が、試験日からおよそ2ヵ月後に実施される技能試験に進めます。

今回私が出願した令和7年度下期は、77572人の学科試験申込者がいて、37769人が合格されておりました。私もその37769人の中の1人というわけです。(一般財団法人電気技術者試験センターHPより抜粋)

お仲間さんがいっぱいで嬉しいですね。前回または前々回に学科試験に合格した方など、学科免除の対象となる方もいらっしゃるので、この令和7年度下期の技能試験はきっと4〜5万人程の方が受験されていたのでしょう。皆様お疲れ様でした。
もしかしたら読んでくださっている方の中にも、同じ資格を挑戦した経験があるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。もしいらっしゃったら、お互いに本当にお疲れ様でしたね。

僕たち、よく頑張りましたよね?

ね? そうでしょ? だって、試験2ヵ月前くらいから、すこーしずつ、夜な夜なケーブルストリッパーや電工ナイフで1.6mm2芯のVVFを剥いたり、のの字曲げ(輪作り)などの単位作業の反復練習をしたり、欠陥事例と睨めっこしたりしましたよね?

忙しい日も、調子が乗らないなぁという日も、かったい圧着工具でリングスリーブに「中」マークをつけたり、かなりの力でサシコネから2mmの銅線をぐりぐり捻り出したり、机の下に散らばった絶縁被覆や短くなりすぎて踏んだらきっと痛いであろう銅線のカケラを拾い集めたりしましたよね?

偉いですよね、我々。よく頑張りましたよね! うん! 偉い! さすが! すばらしい! ブリリアント! 実にエレガント! あとは合格通知が来ることを待つだけですね。(厳密に言えば免状発行とか、まだやることはあるみたいだけど)

1月の中旬までは、一旦甘いものでも食べながら笑って待ちましょうよ。あ、でもクリスマスに年末にお正月…もうすぐやってきますね…今甘いもの食べちゃったら、流石に肥えるか…? どうだ…?

ま、頑張ったんだし、少しくらいのご褒美はあって然るべきです、いただきましょう。しょっぱめのお煎餅なんかも用意しちゃったりして、労ってあげましょう。甘いとしょっぱいを行ったり来たり、反復横跳びしましょ。シャトルランでも良いです。飽きるまで自分を甘やかしましょうよ。

ああ、きっとこのあたりで、電気工事士に興味が湧かない方はもうブラウザバックしてしまっている頃でしょうか。ここからが面白いところなのにねぇ?

…と書きながら、いや、今回は、ただただ長いだけかもな、と内心ヒヤヒヤしながらしておりました。

あはは、そんな事あってたまるか。

…待って。これを書いている私が、一旦最後まで全部読んでから、ここに帰ってきたけど、今回は「みんながいつか何かを受験する際の参考になればいいな」という備忘録的な回になっていました。まぁ、そんな時もあって良いでしょう。試験を控えている皆様、受験生の皆様は、お勉強の隙間時間の息抜きに、よかったら参考にしてみてください。心から応援しております。

試験を受けることが好きだと公言する人は、大抵の場合、ちょっと変わっている人認定されます。これが私の人生31年の歴史と経験から導き出された答えです。

大体の場合、試験というのは「受けなければならない」から受けるものなのです。学校で言われたから、会社で言われたから、キャリアアップの為には必要不可欠だから、など、理由は様々あって、面倒だし手間だけど、今は頑張るべき時かぁ…と重い腰を上げてやるもの、みたいです。

でもね、私はこれを楽しいからやるんです。試験の為の費用と時間はどうしてもかかってしまうのですが、沢山準備して本番を迎える、というその行程が楽しくて仕方ないからです。

数千円、数万円で、数ヵ月、半年、年単位で、楽しいことが出来ちゃう、素晴らしいアクティビティです。損することがあまりないという点でも、良いですよね。変わってる人扱いはされるかもだけど。

運動の前にはストレッチが必要なように、このアクティビティにも相応の準備が大切です。試験は事前の準備が99%を占めるものです。多分。体感。

事前の勉強はもちろんですが、他にも沢山あります。時期によっても注意すべきことがあります。寒い試験日には寒い時用の準備があります。だから今回は「近々受けるよー」という方の参考になればいいなと思って、この『のえルビ』にメモっておきたいと思います。

受験の心得…!

写真はイメージです。

動き易く且つ暖かいズボンを穿き、温度調整がし易いYシャツにカーディガンを羽織る。その上には風を通さず雨粒も弾いてくれるウィンドブレーカーの様な上着。首にマフラーをぐるぐるに巻き、マスクで乾燥対策をし、濡れても汚れても良い日常使いの運動靴を履く。

→試験会場までの道のりで、濡れたり転んだり靴擦れしたりしたら、試験中のノイズになるから、入念に準備しておく。

筆箱には受験票とねじ巻きのアナログ時計、鉛筆数本と消しゴム2つ、念のためのボールペンと証明写真の予備を入れ、前日にカバンに入れて玄関に置いておく。

→電池切れで止まらないように、落としても芯が折れても焦らなくて良いように、万が一受験票等の重要書類を紛失して証明写真が必要になっても大丈夫なように、出発の5分前まで寝てしまっていても何とかなるように。

色んなことを、心配のしすぎで終わってよかったね、と笑い飛ばせるくらいでいられれば、集中する場所がハッキリして気持ちが楽になります。

試験は楽しんだもん勝ちです。試験時間いっぱい、ぜーんぶ丸ごと使って、何度も何度も何度も見直して、絶対に大丈夫!と思って終了の合図を聞く事が出来れば大成功。

試験終了時から試験部屋から退室するまでの、試験内容物を回収され、試験官がそれらを数えたりしているあの音のみが会場に響いている絶妙な静寂さを楽しめたら、きっと一人前でしょう。(何のかはご想像にお任せします)

今回の技能試験では、私の試験人生で初めて、試験官の解散の合図とともに一斉に立ち上がって帰るパターンではなく、順番に退出票を渡されて、それを出口の試験官に渡して帰路に着く、というスタイルだったのでなんだかワクワクしました。

会場の左側から順番に退出票を渡されていったので、1番右の列で受験していた私は、試験終了の合図から25分後に席を立ちました。

会場を後にするまで、スマホを取り出したりは出来ず、カバンに入れていたものは基本触ってはいけなかったので、自分の作った課題をじっと見つめて、左側の列の受験者が退出票を受け取っては帰って行くのを横目に見送る以外何も出来ずただ待機しているだけのあの25分間は、なかなかに趣がありました。なぜか自信が減衰していく、萎んでいくあの時間、たまらなかったです。

試験前というのは、別のことに時間を使えば使うほど受からなかった時の後悔の度合いが大きくなるものですから、羽を伸ばしたりサボったりする事がうしろめたく感じるものなんです。だから、自分を律する口実としてとても有効です。またその一方で、そうして頑張ると決めた分、休むとした時にはとことん休んでやろうという気分になれるというのも、受験を控える者だからこそ感じられる良さなのです。

切り替えが上手になるわけです。これがかなり、日常生活にも良い影響を与えてくれます。

言い訳が出来ないように自分を追い込むストイックさを覚えた上に、休みの上手い取り方まで覚えられたら、これはどこにでも応用が出来るようになります。

自分を虐め抜くドSのメンタルと、それを気持ち良いと思って耐えられるドMのメンタルを併せ持てるようになると、参考書をはじめとする試験用教材がオモチャに見えてくるんです。この境地まで来ることが出来たら、あとはスケジュールのパズルに明るくなれれば立派なヘビーユーザーになれます。素晴らしい。

試験終わりのこの解放感を味わって欲しい。とーっても気持ちの良いものです。解き放たれたー!ってなります! 自分で縛ってたのに! サウナみたいな感じといえば伝わり易いでしょうか。トトノウと表現しても差し支えないと思います。

しばらくの間は、頑張った自分を甘やかしてあげたいと思えます。うしろめたさを感じずにNetflixを好きなだけみてもいいんだ、ってなれます。受からなかったらどうしようなんてネガティブを出さなくてもいいんだ、ってなれます。参考書で重くなっていたカバンが軽くなったことに自分のこれまでの努力を感じられる次の日を楽しみにしていて欲しいです。

試験が終わったその後の数分のみならず、しばらくの間、日々努力していたあのルーティンを忘れるまでの1週間くらいは、ずっとトトノッていられます。めちゃくちゃ自己肯定感上がりますし、自己効力感を高めることが出来ます。めちゃくちゃコスパいいです。

トトノウにはNOが入っていて縁起が悪いのであれば、いっそのことトトイエスでも良いでしょう。

1年に1回でも、3年に1回でもいいですから、試験でトトイエス、やってみませんか?

こんなにおすすめしたり、アドバイスみたいなことしておいて、しっかり不合格だったら遠慮なく笑ってください。かっこつけやがって〜と野次を飛ばしてください。

中々の黒歴史になりそうです。ドキドキ。

みなさんの人生に、心に、ピカッと電気をともせますように。合法的に。

【今月のTouch the Heartstrings】

こんな感じで練習するんです。チョキチョキぐりぐりギュッギュッとやるんです。面白いですよ、とっても。この写真達も、練習のごく一部ですけどね。あ、欠陥探ししないでくださいね。多分…多分大丈夫なんだけど…

川島如恵留(かわしま・のえる)
1994年11月22日東京都出身。小学生1年からジャズダンスを始めた後、芸能活動をスタートし子役としても舞台にも出演。その後、2007年10月よりアイドル活動を開始。2012年7月にTravis Japanの結成メンバーに。2022年10月に全世界メジャーデビュー。2024年11月22日に初の著書となる「アイドルのフィルター」を出版。2017年青山学院大学卒業。2019年に宅地建物取引士、2023年には国内旅行業務取扱管理者、2024年には総合旅行業務取扱管理者の資格を取得。2024年4月から個人のYouTubeチャンネル「のえるの隙間時間」、同名のXも開設。
YouTube @noelnosukimajikan

TEXT=川島如恵留

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