この時期になるとやたらと目耳にする「ホリデーシーズン」というワード。でも実際にそれはいつからいつまでの期間を指しているの? 素朴な疑問を解決!
ホリデーシーズンとは?

「ホリデーシーズン(Holiday Season)」は、アメリカを中心とした英語圏では古くから使われている言葉。サンクスギビング(感謝祭)からクリスマス、そしてニューイヤーへと続く、家族と過ごす重要な祝日が連続するシーズンをまるっとまとめて「ホリデーシーズン」と呼んでいる。

ちなみに「サンクスギビング(感謝祭)」は、アメリカで毎年11月の第4木曜日に祝われる祝日で、家族や友人が集って日々の恵みや人とのつながりに感謝を捧げる日。この日のディナーでは、七面鳥の丸焼きをメインディッシュに、スタッフィング、クランベリーソース、パンプキンパイなどが振る舞われるのが伝統。アメリカ映画や小説のなかにもよく登場する祝日なので、言葉としては知ってはいるけれど、実際にいつがサンクスギビングなのかを知らない日本人も多いかも。
そしてこのサンクスギビングの翌日、つまり11月の第4木曜日の翌日の金曜日が「ブラックフライデー」。日本でもここ数年、この時期にやたらとあちらこちらで使われている。「ブラックフライデー」は大規模なセールのスタートで、クリスマスギフトや年末商戦の幕開け。一大プロモーションイベントとして、日本でもすっかり定着してきた感がある。

ちなみにまだ日本では浸透していないけれど、アメリカでは「ブラックフライデー」の翌週の月曜日から「サイバーマンデー」なるオンラインショッピングの大規模セールもスタート。あらゆるところで、物欲、買い物欲が刺激されるプロモーションが展開される。
ホリデーシーズンは、街のイルミネーションやショッピングイベント、家族行事など一気に重なるので、1年のなかでも最も華やかで、特別感に満ちた空気なる。日本でも「ホリデーシーズン」という表現は頻繁に使われていて、11月ごろからクリスマスムードが漂い始めると、ホリデーシーズンの訪れだととらえる人がほとんど。ただ、日本には特有の年末年始文化、お正月文化があるので、ホリデーシーズンの期間の解釈がアメリカと異なる点も興味深いポイント。
日本の「ホリデーシーズン」の背景は

日本にはサンクスギビングの文化がないため、海外のようにホリデーシーズンの明確なスタートとなる日がない。…ということで、商業施設や街のクリスマスデコレーションがスタートする11月下旬あたりがホリデーシーズンの開始ととらえている人が多いかも。イルミネーションの開始、クリスマスケーキの予約開始、冬のギフト商戦の立ち上がり――これらがほぼ同じタイミングで動き出すため、日本では自然と「11月〜12月の華やかさ=ホリデー」という感覚に結びついている。
さらに、日本は12月下旬から年末行事が多くなり、正月明けまでお休みムードが続くため、ホリデーシーズンは結果的に長い期間として感じられる傾向に。
英語圏の一般的なホリデーシーズンの過ごし方

日本ではホリデーシーズン=クリスマスがピークという感覚が根強いかもしれないけれど、アメリカにおけるホリデーシーズンの象徴はサンクスギビング(11月第4木曜日)なのだとか。家族が一堂に会して食卓を囲む、年間で最も重要な祝日のひとつとして特別感があり、この日を境に街は一気に年末モードに突入する。翌日のブラックフライデー、それに続くサイバーマンデーは、世界的にも大規模なマーケットで、小売業界にとっても年間最大の稼ぎどき。「ホリデーシーズン」が世界経済を支えているといわれるのも大袈裟ではないのかも。
アメリカではクリスマスは宗教的かつ家族中心の行事で、クリスマス当日の街はほぼすべての店がクローズ、家族の時間に集中するのが一般的な過ごし方。
クリスマスディナーが用意されるレストランが多く、クリスマスにエンターテインメント施設やコンサートなどのイベントなどでも盛り上がる日本とは、過ごし方に違いがあるのもお国柄だ。
日米で異なるホリデーシーズン期間のとらえ方

ということで、アメリカなど英語圏ではホリデーシーズン=11月第4木曜日〜1月1日までの約1ヵ月間という認識が広く浸透。1月1日のNew Year’s Dayがホリデーシーズンの終わりとするのが一般的で、年が明けると仕事も学校も通常モードに戻り、街の装飾も徐々に撤去。クリスマスに比べると年越しは控えめで、単純に新年の始まりという意味合いが強い。
日本のホリデーシーズンは、11月下旬〜12月が一般的な始まりで、三が日(1月1日〜3日)あるいは松の内(1月7日頃)まで”休暇ムード”が続くので、そこまでをホリデーシーズンという感覚で過ごす人も多い。日本では宗教的な意味合いよりも”冬の楽しさを象徴する華やかな季節”という位置づけで、カップル向けのイベントや友人とのパーティー、クリスマス限定商品などに独自の文化がミックスされ、日本ならではのホリデーシーズンが築かれているともいえる。
「ホリデーシーズン」には明確な定義はなく、文化的な背景によりスタートや終わりが変わる、柔軟で幅のある概念。今後も国や地域によって、それぞれの文化に寄り添い多様化していくのかもしれない。いずれにしろ、ホリデーシーズンは、街の華やかさや季節のイベントが重なって、気分を晴れやかにしてくれる特別な時期。話題のイルミネーションを観に行ったり、自宅でクリスマスの飾りつけを楽しんだり、年末の準備を早めに進めるなど、自分のライフスタイルに合わせた楽しみ方を取り入れることで、この期間をより豊かなシーズンにすることが可能だ。忙しさのなかにも小さな楽しみを見つけて、ぜひあなたの「ホリデーシーズン」を満喫して。

