俳優、タレントとして活躍しながら様々な資格を取り、それを仕事にも生かしている南圭介さん。2023年に習得した世界遺産検定マイスターは、知識だけでなく、自分の考えをしっかりと表現する力が求められるため、難易度が高いそう。そんな彼が世界各国の魅力をご紹介する【南の旅】。10回目は前回お伝えしきれなかったサウジアラビアをさらに深くご紹介。
未知なる国‟サウジアラビア”に日本が浸透しているスポットも！
大阪・関西万博が開催され、世界各国が未来に向けての歩調を合わせている気がしています。
歴史や伝統を重んじながら、時計の針を巻き戻すのではなく、世界の国々が手と手を取り合い尊重し合いながら良い未来へと向かっていけたら良いですね。
そんななか、2025年はサウジアラビアと日本の国交樹立70周年。前回の連載でお伝えしきれなかった南の見たサウジアラビアの魅力を、さらにたっぷりご紹介出来たらと思っています。
2019年に観光ビザが解禁されたばかりのサウジアラビア。まだまだ未知なる国のイメージが強いかもしれませんが、この記事を読んで少しでも身近に感じて頂けたら嬉しいです。
それではまず最初はこちらの世界遺産からご紹介！
【サウジアラビア／南的見どころ1】ディライーヤのツライフ地区
こちらはサウジアラビアのルーツであるサウード家発祥の地であり、サウード王朝の首都として、宮殿やモスク、行政機関が置かれて、大いなる賑わいをみせていました。300年近くの歴史を経て現代に残っているモスクの柱の跡も見ることが出来ます。
静寂のなか、時空を越えて当時の息吹を体感。アラビア半島独特の‟ナジャディ様式”という建築が今に残っているので、砂漠という過酷な環境のなかでも美しい街並みが作られていたという当時の技術の素晴らしさを改めて感じることが出来ます。
そんな歴史ある世界遺産【ディライーヤのツライフ地区】のライトアップを眺めながら食事を楽しめるエリアも充実。人が行き交っていてとても賑わいを見せていて、昼の顔とは全く違う、夜のツライフ地区もとても魅惑的です。
さて、次にご紹介するのは【ジェッダの歴史地区】です。聖地‟メッカ”巡礼の玄関口として人気の港湾都市‟ジェッダ”も、歴史地区として世界文化遺産に登録されています。
元々漁村であったジェッダは、イスラム教が興ったことにより人の往来が盛んになり、いろいろな文化が交差して栄えていきました。こちらの歴史地区でも独特の建築様式がみられるということで…
ここで、南圭介のマイスターQUIZ！
Q.ジェッダの歴史地区では「マンガビ」を使った独特な建築が評価され、世界遺産登録にも繋がっています。この「マンガビ」とは次のなかのどれでしょう？
A．砂岩
B．大理石
C．サンゴ石
D．石灰石
正解は―――Cのサンゴ石です。
紅海のサンゴ石は夏は断熱、冬は保温、そして通気性も良いので、温度も高く湿気の多いジェッダではとても大切な材料。海に近いジェッダだからこそサンゴ石を建築に取り入れることが出来たのです。
【サウジアラビア／南的見どころ2】ジェッダの海
サウジアラビアは砂漠のイメージがとても強かったのですが、海も本当に美しいです。水上に浮かぶモスクと夕日とのコントラストが幻想的で、訪れた人の誰もを魅了。静かな波音を聴きながら祈りを捧げる人々の姿も、ここだけでしか味わえないスポットです。
ジェッダの海は透明度も高く、珊瑚礁が広がるエリアでは美しい海洋生物を観察できるそう。ダイビングやシュノーケリングも体験可能。紅海の青が太陽の光で輝き、夕日が沈む時間帯には、海が黄金色に輝く幻想的な風景が広がります。
【サウジアラビア／南的見どころ3】サウジアラビアの首都リヤド
リヤドの夜景もとても美しいです。リヤドはサウジアラビアの首都で、伝統と現代が調和する魅力的な都市。砂漠の真ん中にありながらも、急速な発展を遂げ、近代的な高層ビルが立ち並んでいる一方で、歴史的な名所もたくさん。
リヤドにある「ブルバードワールド」は、壮大な複合施設になっていて、日本の街並みを体感出来る場所。日本の‟UFOロボ・グレンダイザー”がサウジアラビアでとても人気だそうで、お出迎えしてくれました。
サウジアラビアは砂漠のイメージが強かったので、ジェッダの美しい海と、近代化著しいリヤドの街並みのギャップには驚きました！ とても表情豊かな国であることに。
お酒は飲むことは出来ませんが、ノンアルコールのカクテル、つまりモクテルメニューも豊富で、夕食後に皆でシーシャを嗜んだり異国情緒を堪能。
なにより皆さんとても明るく優しくて、安心して楽しい旅をすることが出来ました。
伝統的衣装「トーブ」に身を包み街を歩くと、行き交う人々がとても笑顔で話しかけてくれます。景色や食事ももちろんですが、人の温もりもまた旅の忘れられない思い出としてしっかりと刻まれますよね。現地にいるからこその瞬間瞬間の出会いを、これからも大切にして旅をしていきたいなと改めて思いました。たくさんの発見と感動をありがとうございます！
2030年はサウジアラビアで万博が開かれる予定です。これからの日本との交流はもちろん、世界を切り拓いていくサウジアラビアがどのように発展していくかもとても楽しみです。
南の旅はまだまだ続きます。引き続き一緒に世界を巡っていきましょう！
今回訪れた「サウジアラビア」は――
サウジアラビアは、アラビア半島最大の国であり、国土の大部分が砂漠。世界有数の石油埋蔵量を誇り、経済の中心は石油産業。また、イスラム教の聖地メッカとメディナを擁し、世界中の巡礼者が来訪。政治は王政で、国王が統治し、近年は経済多様化を目指し、観光業や技術産業の発展にも注力。また数多くの文化遺産が多数あり、古代の文化や自然環境と調和した景観が評価されている。文化的には厳格なイスラムの戒律があり、社会制度も独特。
南圭介（みなみけいすけ）
1985年7月3日生まれ。東京都出身。幼少期にパキスタンで育ち、小学校3年～6年まではシンガポールで過ごす。2004年にデビュー後、テレビ、舞台を中心に俳優として活躍。検定習得も多数あり、漢字検定準1級、ウイスキー検定2級などを習得し、2023年には世界遺産検定マイスターを習得。世界遺産の良さを伝えるだけでなくSDGsの考え方と親和性を伝え、「知る・考える・実行する」ことで発信中。ABCテレビ『朝だ！生です旅サラダ』（テレビ朝日系列全国ネット土曜8時〜9時30分）の海外リポーターとして不定期出演中。
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