世界中で高い評価を得ているドラマ「神の雫/Drops of God」が、いよいよ日本でも9月15日よりHuluで独占配信がスタート。大人気漫画を大胆にアレンジした注目作品の主演を務めたのは、国内外で圧倒的な人気を誇る山下智久さん。作品への想いを語ってくれたインタビュー前編につづき、後編では撮影期間の裏話と今後の展望を伺った。
良い作品、良い役に恵まれた幸運
――すでに日本とフランス以外の各国ではApple TV+にて配信されています。一足先に楽しんでる海外の方からの反響は届いていますか?
チームのグループLINEみたいなものがあるんですが、作品について書かれた各国の記事がシェアされています。そういうものを見ると、いろんなところでたくさんの方々が観てくださってるんだなと実感できますね。それから、とにかく厳しいとされている海外の某映画評論サイトで100%の高評価をいただいたんですよ。玄人にも響く作品が出来上がったんだなと思うと、すごく嬉しかったですね。
――第1話を拝見しましたが、ものすごく壮大なドラマの始まりだなと感じました。ドラマ内に登場する日本の描かれ方もエキゾチックですね。
確かに、日本人が見ている日本とちょっと違う形で表現されていますよね。海外の監督の視点で東京を捉えていて、新しい日本の魅力に気付かせてくれたなと思いました。そういえば、監督に「カッコいいバーを探してる」と言われて、僕がロケ場所を紹介したんですよ。実際に採用されて、ドラマ内のどこかに登場するので探してみてください(笑)。
――本作は「Series Mania 2023」のInternational Competition部門にノミネートされ、今年3月にはフランスの大規模イベントにチームで登壇されていました。山下さんが海外のファンに接する様子が印象的でしたが、どんな体験でしたか?
今まで日本で参加してきた作品も含めて、自分のことを知ってくれている方がたくさんいらっしゃって。物理的な距離はあるけれど、日本のファンの皆さんと同じ気持ちで応援してくれる方々がいるってことを実感できて、大きなモチベーションになりましたね。この作品も含めて、これからも質の高い、クリエイティブなものを届けたいなっていう思いが生まれました。
フランス滞在中のエピソードを教えて!
――クランクインする前、演じる遠峰一青(とおみねいっせい)の役作りの一環としてストイックな減量をされたとか?
そうですね、味覚と嗅覚を研ぎ澄ますために。一青に対してそういうアプローチ方法もあるんじゃないかと、監督とお話しして。前作が「今際の国のアリス」という作品で体を絞っていたので、その流れがたまたま続いてしまい、トータル8ヵ月くらいずっとカロリーを制限したダイエットをしていました。
――そんなに長い期間にわたって! 撮り終わってからはすぐに普通の食事を?
いや、すぐには戻れなかったんですよ。8ヵ月もやっていたので「あれ? これ食べていいんだっけ?」ってモードに入ってしまって。いきなりは戻ってこれなかったですね。
――減量中は「あれ食べたいな…」みたいな葛藤はありましたか?
2週間に1回くらいはチートデイを設けていました。お酒を飲んだり好きなものを食べたり。普段は甘いものを食べたいと思わないんですが、なぜかフランス滞在中はとにかく甘いものが食べたくて! ちょっとクレイジーな思い出なんですけど、夜中にアイスクリームを6個くらい頼んで食べたことも。美味しすぎて座っていられず、歩きながら食べてました(笑)。減量によって味覚が敏感になっていたので、アイスクリームの甘さをいつもの8倍くらい感じましたね。もちろんワインも浴びるほど飲みました!
――浴びるほど(笑)! 世界中にワイン好きの人が存在しますが、ワインに夢中になる人の気持ちは理解できましたか?
そうですね。ワインは正解がないところが面白いんだろうなと思います。人間もひとりひとりが違うように、ワインも一本一本が違うから。掘れば掘るほど深くて、一生続けられる趣味なんだろうなと思います。
ワインのように奥深い、愛情表現の豊かさに注目
――今後も国際的な作品に出演するとしたら、どんな役に挑戦したいですか?
バイオレンスな作品に挑戦したいです。正義側でも悪側でも、その役に揺るぎない信念があればどっちサイドでもやってみたいですね。恋愛ものだったり、粛然としたドラマチックな作品が続いたので、狂気めいた作品にトライして今の自分の可能性を広げたい気持ちがあります。
――では最後に、GINGER世代に向けて本作の見どころを教えてください。
本作は、ワインを通して人間模様を描いたドラマです。主軸はワインではなく、それぞれの思惑が交錯し描き出される人間関係に注目してほしいです。この作品には、師弟愛や家族愛など、いろんな愛の形が至るところで表現されています。僕は作品を通して、“愛情の示し方に正解がない”ことを学びました。登場人物の環境や関係性によってその形はさまざまなんですが、どんな形であれ、確かな愛情表現なんです。
ストーリーの後半には家族の話が複雑に絡み合ってくるんですが、僕はこういう形もあると納得しました。これから愛を育んでいく方も、すでにご結婚されている方も、それぞれが自分らしい愛情表現でいいんだと思えるような、新しい視点を感じ取ってくれると嬉しいなと思います。
ーー山下さんは10ヵ月にも及ぶ撮影期間を「無我夢中だった」と振り返る。コロナ禍の影響で当初の予定どおりに撮影が進まずもどかしい思いをした時期も経て、無事に完成を迎えた喜びと達成感が伝わってくる。「とにかく、ひとりでも多くの方にこの作品を楽しんでほしい」という彼の自信に満ちた言葉に、全8話への期待感がより高まったインタビュー。走り続けることを止めない彼が挑戦した新境地、私たちはまた“新しい山下智久”を目撃することになる。
Huluオリジナル「神の雫/Drops of God」
監督/オデッド・ラスキン
脚本/コック・ダン・トラン
製作総指揮/クラウス・ジマーマン(ダイナミック・テレビジョン)
出演/山下智久、フルール・ジェフリエ ほか
※9月15日よりHuluにて独占配信開始
https://www.hulu.jp/static/drops-of-god/
山下智久(やましたともひさ)
1985年4月9日、千葉県出身。High Hope Entertainment所属。1996年より芸能活動をスタートし、最近は活動の場を海外にも広げている。今作が海外ドラマ初主演となる。
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