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TIMELESSPERSON

2024.11.30

作詞家・小竹正人。何かに感動して泣けるなんて幸せだなあと思ったらますます泣けてきた

さまざまな経験、体験をしてきた作詞家 小竹正人さんのGINGER WEB連載。豊富なキャリアを通して、今だからわかったこと、気付いたこと、そして身の回りに起きた出来事をここだけに綴っていきます。【連載/小竹正人の『泥の舟を漕いできました』】

「笑って泣いてまた笑って」

人生で初めて大学病院に入院した。
免疫力がおそろしく低下していて、身体に菌が入り込み、いきなり40度超えの発熱。ガクガクと震えたままぶっ倒れてしまい、救急車で運ばれ、そのまま約1週間の入院。
私はこの連載を陰鬱で湿っぽいものにしたくないので、病名や入院生活のことを詳しくは書かないが、健康であることがいかに尊いか、免疫力がいかに大切か、初めて本気で考えさせられた。
困ったことに、体の中から菌が消滅して退院してからも、なぜか夕方から夜にかけて熱が出る。朝と昼はなんとなく元気なのだが、夜は自分の体だとは思えないほど怠かった。

人を頼ることが苦手で、無理をしがちな性分の私も今回ばかりは「ちゃんと静養しよう」と、キャンセルできる仕事や用事は全てキャンセルして、なるべく家に引きこもっていた。スマホもテレビも見たくなかったので、寝室で本ばかり読んでいた。
退院して10日後、経過検診のために再び大学病院を訪れた私。血液検査の結果にはなんの問題もなく、担当のY医師(ホトケのような方)に「もう大丈夫ですよ。夕方以降の発熱も次第におさまりますよ」と優しい笑顔で言われ、胸をなでおろした。
そして、病院の出口のある階に降りようと、エレベーターに乗った瞬間、鏡に映った自分を見てギョッとしたのである。
そこに写っているのは、私ではなく、不健康を絵に描いたような他の誰かだった。力も光も宿っていない目の下はだらんと垂れ下がり、顔はほぼ灰色。落ち込むというよりも、びっくりしながら帰路についた。

さて、その夜である。
相変わらずの発熱だったので、寝室で吉田修一氏の『罪名、一万年愛す』、を読んでいた。この小説の後半があまりにも感動的だったので、読みながら泣いた。何かに感動して泣けるなんて幸せだなあと思ったらますます泣けてきた。

数日後の夜(まだまだ発熱中)、YOUからメッセージが来た。
彼女は、私がすでに退院したからすっかり健康を取り戻していると思っていたので、いつも通りたわいもないことを書いてきた。
バラエティ番組であれだけ面白い彼女は、プライベートではもっと面白い。私たちはよく深夜にものすごくバカバカしいことでメッセージのやり取りをするのだが、内容がどんどんエスカレートして(ここには書けないくらい)、最終的にはふたりで大爆笑するのが常。深夜の寝室でひとり、声を出して大爆笑している姿は、はたから見たら相当気味が悪いと思う。けれど、この夜もしまいには涙を流しての大爆笑。「これ以上笑ったらまた熱が40度超えるから寝る」とYOUとのやりとりを終了した。

更に数日後の夕刻(もちろん微熱あり)。ピコ(9歳)とピチャオ(5歳)と一緒にいたときのこと。
誰からともなくにらめっこを始めたのだが、いとおしいふたりが一生懸命変な顔をするのが可愛くて可愛くて、気がつけば大声で笑いまくっていた私。

人間は、笑うとエンドルフィンという脳内ホルモンが分泌されるのだが、それは別名・幸せホルモンとも呼ばれている。ピコとピチャオといると私は多々エンドルフィンがダダ漏れているような多幸感に包まれる。だからこそ私は彼らに会わずにはいられない。

ピコとピチャオに「おやすみ」と言って、自宅に戻ったその夜、丸々1ヵ月続いた発熱がピタリと止まった。

私はもう「夢」なんて果てしないものは持たないが、「健康でいたい」という切実な願いはある。今回の入院と自宅療養で、それはますます強くなった。

「涙活とエンドルフィン」を新たな教訓として余生を過ごしたい。感動して泣いたり、心から笑ったりすることは、ときにどんな良薬よりも心身を健やかにするから。

What I saw~今月のオフショット

数年ぶりに元E-girlsのDream AyaとDream Amiと楽しいランチ。私はE-girlsの教育係を担っていたため、彼女たちとは毎日一緒にいて、怒涛のような数年間を共に過ごした。もはや戦友のような親戚のような関係。ふたりとも結婚して子どもができて、けれど相変わらず話が止まらず笑いまくり。

これまた元E-girls/Flowerの坂東希にバッタリ会って爆笑。彼女は昔から私の娘のような存在。愛犬に「ねこ」という名前をつける変わり者の希だが、彼女をドラマやCMで見かけるたびに、ものすごく嬉しくなる。彼女が出ているNetflixの「韓国ドラマな恋がしたい」を夢中になって一気見した私です。

小竹正人(おだけまさと)
作詞家。新潟県出身。EXILE、三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、E-girls、中島美嘉、小泉今日子など、多数のメジャーアーティストに詞を提供している。著書に『空に住む』『三角のオーロラ』(ともに講談社)、『あの日、あの曲、あの人は』(幻冬舎)、『ラウンドトリップ 往復書簡(共著・片寄涼太)』(新潮社)がある。

TEXT=小竹正人

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