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MYSELFウェルネス

2025.08.23

ストレス回避!いつもの生活にプラスできる簡単な「魔法」で脱ぷちウツ

“わたしの心地よさ”を基準に行動することが、ウェルビーイングに生きるカギになる。そのために、もっと自分自身を知る=自分のトリセツを手に入れませんか? 保健学博士の島田恭子さんがナビゲート。【連載「自分学 わたしのトリセツ」vol.31】

心と体を育む「ホルモン」の不思議な力〈後編〉

前回、ホルモンってすごいんだよ!と声高にお伝えした私ですが、きっと皆さんこう思われたはず…。
「知ったところで、生活は変わらないのよ…」って。

だって、朝から晩までこんなに慌ただしいんだもの…。
“幸せホルモンをイシキせよ!”なんて急に言われても…。
たまった要返信LINEすら処理できていないわけで…。

なので今月は、ホルモンをイシキする「実感」編。
登場するのは32歳、メーカー勤務のミカさんです。きっとどこかで皆さんと、重なるはず。

Case Study:ミカさん(32歳)の場合

仕事はやりがいがあるし、友達と集まれば笑いもする。

でも最近――心にグレーのフィルターがかかったよう。
朝、アラームが鳴っても、気持ちはどんより。
大好きなチョコレートを食べても、心は弾まない。
週末、友達に会うのもなんだか億劫。

「私、どうしちゃったんだろう」

そうつぶやくミカさんは、知らず知らずのうちにココロとカラダのリズムを崩しているよう。
前回学んだホルモンの力で、整えられていく過程を一緒に見ていきましょう。

「太陽」と「リズム」の魔法 ― セロトニン

ある朝、ミカさんはいつものように、ベッドの中でスマホを眺めていました。そのとき、カーテンの隙間から差し込む一筋の光が、ふと目に入ります。

「…まぶしいな」
そう思いながらも、なぜかその光に引かれるように、ゆっくりとカーテンを開けてみました。窓から差し込む朝日が、部屋の空気をキラキラと輝かせます。

「あ…今日はベランダでコーヒーを飲んでみようかな」

ほんの気まぐれでした。でも、温かいマグカップを両手で包み込み、柔らかな朝の光を全身に浴びて深呼吸した瞬間、ミカさんの心に、ぽっと小さな灯りがともったような気がしました。

これが、「セロトニン」の魔法

セロトニンは、心のバランスを整え、穏やかで満たされた気持ちにさせてくれる「幸せホルモン」。このセロトニンを元気にする一番簡単な方法が、「太陽の光を浴びること」と「リズミカルな運動」なんですね。

・朝起きたら、まずカーテンを開けて5分でもいいから太陽の光を浴びる。
・通勤のときに、一駅分だけリズミカルに歩いてみる。
・よく噛んで朝ごはんを食べる。(これもリズム運動!)

ミカさんがベランダで感じた心地よさは、まさにセロトニンが「おはよう!」と目を覚ましたサイン。ただただ、太陽のリズムに体を合わせてあげるだけ。それだけで、心は少しずつ、上を向いてくれるのです。

「きゅん」と「ぬくもり」の魔法 ― オキシトシン

週末、ミカさんは久しぶりに実家に帰りました。玄関を開けると、愛犬のクロエが尻尾を振って駆け寄ってきます。そのふわふわの体をぎゅっと抱きしめると、胸の奥からじんわりと温かいものが広がっていくのを感じました。

夜、母の温かいスープを飲みながら、他愛もない話をしました。ただそれだけなのに、ミカさんは「私、一人じゃないんだな」と安心している自分に気づきました。

これは、「オキシトシン」の魔法

オキシトシンは、触れ合いや信頼関係によって分泌されます。ストレスを和らげ、安心感を与えてくれる、優しいお守りのような存在です。

・大切な家族やパートナー、友人とハグをする。
・ペットを優しく撫でる。
・信頼できる友人と、心ゆくまでおしゃべりする。
・誰かに「ありがとう」と、心からの感謝を伝える。

日本は欧米に比べ、相手との体のキョリが遠いですよね。
疲れたときはもう少し、人や動物の体温に、身をゆだねていいんです。

「やった!」と「わくわく」の魔法(ドーパミン)

休日、ミカさんはずっと気になっていた本棚の整理を始めました。本を整理し、空いたスペースにお気に入りの雑貨を飾ります。綺麗になった本棚を眺めた時、ミカさんの心に小さな達成感が湧き上がりました。

その日の午後は、新しく買ったばかりのノートに、これから行ってみたいカフェや、挑戦してみたいことを書き出してみました。「次の休みは、このスコーンを食べに行こうかな」「この映画も観たいな」。未来の楽しみを想像すると、自然とわくわくしてきます。

これは、「ドーパミン」の魔法

ドーパミンは、喜びや快感、そして「やる気」を生み出してくれるホルモン。目標を達成したときや、新しいことに挑戦するときに分泌され、私たちの毎日に彩りと輝きを与えてくれます。

・小さなことでOK。「今日の目標」を立ててクリアする。(例:ベッドメイキングをする)
・ずっとやりたかったことに挑戦してみる。(例:新しいレシピで料理を作る)
・好きな音楽を聴いて、気分を上げる。
・次の休みの日の「お楽しみ」を計画する。

ポイントは、大きな目標でなくていい、ということ。逆に大きな目標じゃないほうがいい。「できた!」という小さな成功体験を積み重ねることがポイント。自分への信頼と、明日へのエネルギーに繋がっていきます。大げさじゃなくても、人は「やった!」の積み重ねでちゃんと元気になる。

「トリセツ」に、新しいページを

ミカさんの物語は、ここで一旦おしまい。
彼女は、ホルモンの魔法を知って、劇的に変わったわけではありません。
相変わらず仕事で疲れる日も、理由もなくブルーな日もあります。

でも、彼女はもう知っています。

心が曇った朝は、太陽の光を浴びればいいこと。
寂しくなったら、誰かの温もりに触れればいいこと。
やる気が出ない日は、小さな「できた!」を見つければいいこと。

皆さんもぜひ、ミカさんのように「私のトリセツ」に、幸せホルモンを育てるページをいれておいてくださいね。

【おさらい】幸せホルモンを味方につけるシート

自分学

島田恭子(しまだきょうこ)
予防医学者・保健学博士。医学や心理学の知見を、女性のウェルビーイングに役立てたいと活動中。(社)ココロバランス研究所代表。最新著書『心が疲れたらセルフケア』が8月25日に発売。ストレスなく心の疲れを取り、元気を取り戻すための50の方法を紹介。
https://customer-harassment.org/kyokoshimada/

TEXT=島田恭子

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