なんだか調子が悪い…それはもしかしたら、日々のストレスで体のバランスが崩れているせいかも。そこで役に立つのが、心と体を内側から整える「漢方」。セルフメディケーションとしての漢方の取り入れ方を「わたし漢方」の水沼未雅さんがナビゲート。
冷房の効いた室内と暑い室外の気温差によって起こる「冷房病」。前回の記事では、人それぞれの体質に合わせたアプローチを解説しました。しかし、どのような体質の人であっても共通して大切にしたいことがあります。それが「生活習慣」。
漢方薬は体質を改善する手段としては有効ですが、漢方だけ飲めばよくなるというわけでもありません。今回はどのような体質の方にもおすすめしたい「冷房病に有効な生活習慣の改善」について、漢方医学の目線から解説していきます。
普段の何気ない行動が積み重なって不調の原因となっている場合も多いので、良くない習慣はひとつひとつ改善していけるようにしましょう。
とにかく“冷え”対策を!
冷房病の対策においてまず重要なのは、とにかく冷やしすぎないこと。いくら自分の体質に合った漢方を使って日々の生活習慣を整えても、「適切な温度管理」という根本がしっかりしていないと改善はなかなか難しいといえます。
冷房病は室内外の気温差によって起こるので、冷房の温度をはじめとする自分の周囲の環境を見直してみましょう。
室内と外の気温差をなるべく少なくしたり、冷房の風が直接当たらないようにすることで体への負担を軽減できます。職場などで温度の調整が難しい場合は、その環境ごとにできる範囲で対策をしていきましょう。
●首・手首・足首を保護する
●カーディガンを羽織る
●ひざ掛け・腹巻き・カイロを使う
首・手足・足首は太い血管が通っているので全身を温めるために大切な部位です。靴下やカーディガンなどを常備しておくと、「寒いな」と感じた時にすぐに身体を守れるのでおすすめです。冷房の効いた室内に長時間滞在するときは、外に合わせた薄着になっていないか常に意識して、身体を冷やしすぎないように気をつけましょう。
●汗をかいたらすぐに拭く
汗が蒸発するときの気化熱は、身体を冷やします。
タオルや汗ふきシートなどでなるべくこまめに汗を拭き取るようにしましょう。
●水分補給はなるべく常温のものを
キンキンに冷えた水やお茶を飲みたい気持ちをぐっとこらえて、なるべく常温で飲みましょう。冷房が効いた部屋にいるときには温かい飲み物もおすすめです。
●シャワーだけで済ませず湯船に浸かる
暑い時期はどうしてもシャワーだけになってしまいがちですが、なるべくお湯に浸かって身体の冷えを取るようにしましょう。ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かるのがおすすめです。
体の内側からも対策を!
冷え対策と同時に、大切なのが「食生活」。
食生活が偏れば必要な栄養は行き渡りません。夏は食欲が落ちやすい方も増える季節なので、消化の良い食事を心がけて、栄養不足にならないように気をつけましょう。
旬の夏野菜は水分を補って余分な熱を冷ましてくれる効果がありますが、食べ過ぎは体の冷えにつながるので冷えやすい方は量に注意。
ネギやショウガなどの体を温めるものを薬味に使って、内臓から冷やさないように意識してみてくださいね。
忙しい日々の中ではなかなか意識ができなかったり、ライフスタイルや身体の状態によっても取り入れていける方法も変わってくるかと思います。
無理をしない範囲で自分に合った方法を見つけていきましょう。
いかがでしたか? 暑い中でも快適に過ごせるように、過度な冷えには気をつけるようにしましょう。
>>その不調の原因はエアコンかも!?夏こそ気をつけたい「冷房病」とは
>>あなたはどのタイプ?冷えてツラい「冷房病」の対策を漢方理論で解説!
水沼未雅(みずぬまみか)
わたし漢方創業者・薬剤師。京都大学薬学部卒業後、東京大学大学院薬学系研究科で博士号(薬学)を取得。アストラゼネカで新薬の上市プロジェクトにかかわった後、マッキンゼー・アンド・カンパニーでヘルスケア関連プロジェクトを担当。漢方で自身の不調が改善した経験から、「もっと漢方の良さを広めたい!」という想いで2017年に『わたし漢方』創業。
わたし漢方
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