「甘える」って悪いことだと思ってない? 上手に“甘えること”は、お互いの信頼関係をより強くする効果が。公認心理師・塚越友子先生が、お仕事シーンでの具体的な“甘え方”をレクチャー。
「本当に甘えなのか?」と問うてみる
「私のこの感情って甘えなの? コミュニケーション上の問題なんじゃないの? 仕事のスキル上のことなんじゃないの?」と、まずは自分に問いかけてみましょう。結果、「これは甘え云々じゃない」と思えれば、「相談してもいいいかもしれない」となるはずです。このちょっとした思考で、甘えることへのハードルが低くなるはず。
物理的・人間的に余裕があるかを見極める
自分の能力だけではなく、周りの環境や相手の能力も影響するため、行動を起こしても失敗に終わることが。例えば、みんなの業務量が過剰な場合、頼み事をしたら嫌な顔をされるのは当然です。物理的に余裕があっても人間的にキャパがなければ、それも失敗に終わるでしょう。相手が置かれている状況や人間性を事前に見極めることが重要!
素直に困っていることは話す
上司・先輩に「困っていない?」と聞かれたら、素直に困っていることを話したり、質問をして。「こんなことを言ったら怒られるかな?」などと考えがちですが、仕事を遂行するのに過剰な遠慮はいりません。「ほう(報告)・れん(連絡)・そう(相談)」の範疇で行えば、上司も助かるもの。「まずは上司の懐に入って仲よくなってから…」なんて気遣いは要りません。
難易度の低い頼み事からお願いする
甘えるべきでないとの思いが強い人はあえて頼み事を持ちかけてみて。ただし、難易度10がMAXだとしたら、1、2の頼み事から。これなら、拒否されても落ち込まずに済むもの。例えば、上司に助言を求め、実際にもらえた場合、助言を求めても大丈夫なんだ、批判されないんだと知ること=成功体験の積み重ねで甘え下手を克服できます。
基本“甘える”は業務のなかでのみでOK!
「業務以外の交流で関係性が近くなって業務がはかどる」と思っているのは、“古い世代の甘え”。業務上の意思疎通ができればいいわけで、それ以外に時間を作ってまでコミュニケーションをとらなくてもよいのです。例えば、上司・先輩から就業後に飲みに誘われ、それを断ること。業務以外なのだから、誘いに乗れない自分を甘えられない人間などと悩む必要はなし。
塚越友子(つかこしともこ)
公認心理師・臨床心理士。女性専用カウンセリングルーム「東京中央カウンセリング」代表。雑誌・TVなどのメディア、講演会でも活躍。「銀座No.1ホステスの上司の評価が上がる知的なルール」( 扶桑社)など、水希名義の著書多数。
▼上手な「甘え方」を知ろう