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MYSELFウェルネス

2022.07.15

夏バテには早めの対処を!放置すべきでない理由とは?

なんだか調子が悪い…それはもしかしたら、日々のストレスで体のバランスが崩れているせいかも。そこで役に立つのが、心と体を内側から整える「漢方」。セルフメディケーションとしての漢方の取り入れ方を「わたし漢方」の水沼未雅さんがナビゲート。

sunlight
本格的な夏の季節がやってきました。

今年は梅雨といっても雨の少なさが目立ち、真夏のように暑い日が何度もありましたね。梅雨明けが観測史上最も早い地域も多くあり、早くも暑さに悩まされる毎日になっているのではないでしょうか。日本の夏の特徴といえば高温多湿。今年も過ごしやすいとは言い難い日々が続きそうです。

夏のお悩みといえば、夏バテ。夏の厳しい環境下に体がついていけないと、体調不良を起こしやすくなってしまいます。今回の記事では夏バテがなぜ起こってしまうのか、放置するとどうなってしまうのかについて、漢方医学の目線から解説していきます。

夏バテとは?

balance

漢方の考えにおいて、夏は暑さによる「暑邪(しょじゃ)」が体の負担になると考えられており、日射病や熱中症などの原因となります。
暑邪は体の津液(しんえき)や「気」と呼ばれるパワーやエネルギーの源を消耗しやすい状態にしてしまいます。これらが消耗した体は疲れや倦怠感を抱えやすくなり、元気や気力がなくなってしまいます。

さらに加えて、じめじめとした高温多湿な日本の夏は「湿邪(しつじゃ)」と呼ばれる湿気を原因とする不調の影響も受けやすいといえます。
本来、体内の水分は健康な生活を送るために必要なものであり、特に暑い夏は水分補給は必須といえます。しかし、必要以上に摂りすぎると逆効果です。
胃腸の消化吸収機能や栄養を行き渡らせる働きをする「脾」と呼ばれる部位は、この「湿邪」にとても弱いとされています。脾が弱まると、栄養の吸収が不十分になるのでエネルギーの補給ができず、疲れやすいと感じることも増えてしまいます。
夏は体力も気力も消耗してしまいますよね。

さらに、暑さや湿度そのものだけでなく、夏ならではの環境と体のバランスが乱れることによって夏バテが誘発されているケースも多いです。

特に冷房の効いた室内と暑い室外の気温差は、自律神経の乱れを引き起こします。
私たちの体は、暑いときには血管を拡張させることで余分な体内の熱を汗として外に出そうとします。反対に、寒いときには体温を逃がさないように血管を収縮させます。この働きを一日の間で何度も何度も繰り返すのは、体にとって大きな負担になります。自律神経が負担を抱えきれず、バランスを崩してしまうのです。

ほかにも、汗のかきすぎによる水分やミネラル不足、熱帯夜のせいでぐっすり眠れないこと、体の中に余分な熱がこもってしまうこと、夏特有のゲリラ豪雨のような急激な気圧の変化なども原因のひとつといえます。

こういったさまざまな原因が重なることで、体や心の不調が起こりやすくなります。

●体の不調
・食欲不振
・疲労感
・胃痛
・胃もたれ
・吐き気
・頭痛

●心の不調
・イライラ
・やる気が出ない

夏に起こりやすいこのような症状を総称して、私たちは「夏バテ」と呼んでいます。暑気あたりや夏負けといわれることもあります。 このような体の状態では体力も減っていく一方。なかなか回復することは難しいですよね。

夏バテは放置せず、早めの対処を!

wellness

「毎年のことだから」と我慢して放置していませんか?

複数の邪や不調の原因が絡み合う夏には、自分でも気づかないたくさんの落とし穴があり、暑さを和らげるために良かれと思ってやっていることが逆効果になっている場合もあります。夏の不調を放置したままでいると、いつの間にか思わぬ事態を引き起こしてしまうかもしれません。

私たちの体が夏から受けるダメージというのは、急激に与えられるものではなく、じわじわと蓄積されていくものといえます。夏に欲しくなる冷たい食べ物や飲み物も、摂りすぎは内臓の弱りやいわゆる「夏冷え」の原因にもなります。食の偏りや食欲不振が続けば、必要な栄養が体全体に行き渡らなくなります。

気づかないうちにこのような負担が溜まると、秋やその先にやってくる冬になっても体調が優れない、持病が悪化するなど、改善しづらい慢性的な不調を抱えてしまう可能性も考えられます。

私たちの体は良い影響も悪い影響もお互いに与えあって成り立っています。ちょっとした不調と思っていると、気づいたときには体全体、心までもが不安定になっているというケースがたくさんあります。
特に忙しい現代、誰しもさまざまなストレスやノイズを抱えて生きていますよね。特に心のケアというのは怠ると先何十年と引きずる場合も多くあります。

「夏バテくらい」と放置せず、できる対策からはじめていきましょう!

次回の記事では、体質や症状ごとの夏バテの特徴やおすすめのアプローチを解説していきます。ぜひお読みいただき、夏バテ対策に役立てていただければ幸いです。

水沼未雅(みずぬまみか)
わたし漢方創業者・薬剤師。京都大学薬学部卒業後、東京大学大学院薬学系研究科で博士号(薬学)を取得。アストラゼネカで新薬の上市プロジェクトにかかわった後、マッキンゼー・アンド・カンパニーでヘルスケア関連プロジェクトを担当。漢方で自身の不調が改善した経験から、「もっと漢方の良さを広めたい!」という想いで2017年に『わたし漢方』創業。

わたし漢方
LINEで体の悩みを薬剤師に相談すると、自分にあった漢方薬を自宅に配送してくれるオンライン漢方相談サービス。カウンセリングはすべてLINE上で、最初の問診は24時間相談可能。漢方の専門家が直接お悩みに回答。初回の問診はすべて無料なので、気軽に相談できます。
https://www.watashikampo.com/
Instagram @watashikampo

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TEXT=わたし漢方

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