黄ばみの原因や、ホワイトニングにまつわる基本的な疑問を歯科医師の末光妙子先生に聞いてみた! 5つのQ&Aから白い歯になれるヒントを読み解いて。
Q1. 人はなぜ白い歯に憧れるの?
A. かつては白い歯の芸能人に憧れてということもありましたが、最近は自撮り文化の流行が大きいと思います。自動で歯の色が補正される画像加工アプリも多く、写真のなかの白い歯の自分に見慣れると、ふと鏡を見たときに現実の歯の色が気になるという人が多いようです。加工された白い歯=理想に近づきたいというニーズがホワイトニングの後押しになっています。またマスクを外す機会が増えたことで、顔の下半分の見た目を改善したいという人も。特に口元は顔の印象を左右するので、脱マスクが話題になり始めた今年3月ごろから盛り上がりを見せています。
Q2. 歯が黄ばむのはなぜ?
A. 表面の半透明のエナメル質から、内側の黄みを帯び象牙質が透けて見えるので、歯は本来真っ白ではありません! しかし、遺伝や加齢、飲食物の着色によって黄ばみの度合いは変化します。
- 遺伝…象牙質は血液由来のため黄みを帯びています。この黄みの度合いは、血液の組成によって左右され、遺伝による影響が一部表れます。色の濃い飲食物をあまり取らない、喫煙の習慣もないのに黄ばんでいるという人は、遺伝的にもともと歯が黄みを帯びている可能性が大! また表面のエナメル質が薄い場合も、象牙質がより透けて見えるので、黄ばんで見えやすくなります。
- 加齢…歯の内部では血液が循環し、栄養や水分の代謝が起きています。加齢によって代謝が落ち滞りがちになると、象牙質の黄みが濃くなっていきます。それと同時にエナメル質は加齢によってすり減り薄くなっていくので、濃くなった象牙質の色がより透けやすくなり、黄ばんで見えます。ただし、これは生命維持活動が行われている証拠。必要以上に黄ばみを心配する必要はありません。
- 飲食物の着色…着色汚れというと、コーヒーや紅茶、赤ワイン、カレーなどを思い浮かべる人が多いはず。これらは色が濃い分、着色しやすいのも事実。ですが、植物性の飲食物にはすべて着色の原因となるポリフェノールが含まれているため、毎日普通に飲食をしているだけでも自然と歯は黄ばんでいきます。また飲食物とは異なりますが、口から摂取するものとしてタバコも着色の大きな原因になります。
Q3. クリニック施術とセルフホワイトニングの違いは?
A. 表面を磨いて汚れを落とすことから、壊死して黒ずんでしまった歯に被せ物をして白く見せるものまで、ホワイトニングの定義はとても広く、黄ばみの原因によって使い分けが必要です。一般的にセルフとクリニック施術では、使用できる薬剤が異なります。セルフだとシャンプーで表面の汚れを落とすイメージで着色汚れに対応、クリニック施術だとブリーチで色素を分解するイメージで遺伝や加齢による黄ばみにも対応できます。
Q4. ホワイトニングで歯が白くなるのはなぜ?
A. クリニックで行うホワイトニングは、歯科医師・歯科衛生士のみが取り扱える薬剤を用いて歯の象牙質まで漂白成分を浸透させて、目に見えない大きさまで色素を分解することで白っぽく見せています。時間が経つと色素が再結合するので、定期的な施術が必要です。ミュゼホワイトニングのポリリンホワイトニングは歯の深部まで漂白すると同時に、ポリリンが表面をコーティングして汚れの付着を防ぎ、白さが長持ちします。
Q5. どこまで白くなる?
A. 左の4本がホワイトニングで目指せる白さで、一番左が最も明るい白さです。ミュゼホワイトニングでは1回のホワイトニングで、現状の歯の色から個人差はありますが、3段階程度白くできます。短期間に施術を繰り返すことで、明るく白い歯が目指せます。施術と施術の間を2週間以上あける必要のある薬剤が一般的ですが、ミュゼホワイトニングでは期間をあけなくてもよい薬剤を使っているので、最短で一番明るい白さが手に入ります!
末光妙子(すえみつたえこ)
歯学部卒業後、日本大学松戸歯学部付属病院や一般歯科医院に勤務。虫歯の治療を続けるなかで、大切な歯を守るためには予防歯科の普及と、気軽に歯科医院に通うことができる環境が必要と考え、虫歯予防の効果も得られるホワイトニングの普及のため、2011年ミュゼホワイトニングの立ち上げに携わる。現在は同歯科医院を運営する医療法人の理事長を務める。