“好き”を仕事にするのは楽しそうだし、自由な面が魅力の一方で、何かと不安も多いフリーランスという働き方。実際にフリーランスとして働く人たちに、独立したきっかけや仕事に対する想いを聞きました。
File05 フードデザイナー 細川芙美さん(29歳)
師匠との出会いで食の世界にはたくさんの可能性があることを知りました。師匠はレシピ開発や撮影の監修など、幅広く活躍されていて、シェフになるだけがゴールじゃないんだと思えたんです。師匠の現場について回って、たくさんの経験をさせていただきました。それ以外の時間も、いつ師匠に呼ばれてもいいようにバイトはせず、当時は極貧生活でした(笑)。
ある日、「お弁当、作れる?」と声をかけていただき、撮影現場のお昼休憩が和めばと思い、お弁当に星占いや漫画をつけてみたら、それが好評で。その後、企業や撮影現場から発注をいただけるようになり、今もロケ弁屋として活動しています。
「お弁当で人を楽しませたい」というエンタメ力をベースに生きていること自体が自分の価値になるんだと感じました。今後は日本だけではなく、海外でも食とエンタメを掛け合わせた仕事ができたらと考えています。
フリーランスを続けるうえで大切にしている3つのルール
- 肩書で自分の可能性を狭めない
フードデザイナーという肩書は、実は自分で作ったもの。肩書に縛られず、できることには何でも手を挙げるのがモットーです。 - 自分の行動・言動に常に責任を持つ
フリーランスとして働くうえで大切なのは、対人スキル。常に自分の言葉に責任が伴うことを踏まえたうえで行動するようにしています。 - 経理やお金に関する情報をアップデートし続ける
ケータリング業は自転車操業になりがちなので、お金の管理は生命線。税金のことや、出入金の管理などはかなり大切です。
細川さんにQ&A!
フードデザイナーの仕事内容とは?
テレビや企業のフードコーディネート、レシピ執筆など。
メディアや雑誌のレシピ執筆は知名度アップに繋がるので、独立したてのころは積極的に引き受けていました。
仕事の獲得方法は?
独立当初は異業種交流会で名刺をばら撒きました(笑)
狭い業界だからこそ、ほかの料理家さんや師匠のクライアントを取ることはNG。私は、異業種交流会で新規開拓していました。
フリーになって年収は上がった?
3年前まで自転車操業状態でした…。
ケータリング業や食にまつわる事業はかなりお金がかかることもあり、軌道に乗り始めたのは3年前くらいからです。
独立後、一番の困難は?
ミーハー心で借りた代官山のアトリエで家なしに。
「代官山にあるケータリング」という響きに憧れて借りたのですが、経済面に関して綿密な計画を立てられておらず…。
今後成し遂げたいことは?
地球上どこでも仕事ができる存在になること。
20代では想像以上にたくさんのことを経験できたので、30代では海外で食の可能性を広げる仕事に挑戦予定です。